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喘息治療日記

~Enjoy ! 少食健康生活 ~

妊娠と喘息

2008-01-16 22:31:36 | 喘息
近年、アレルギーをもつ患者さんが とても増えています。
妊婦さんの十数人にひとりは、喘息をもちながら出産に臨むという報告がされています。
この傾向は、今後益々増えていくものと思われます。

妊娠から、臨月までは、期間がとても長いために、軽症の患者さんでも、風邪をひいたり、季節の変化で体調をくずしたりで、強い発作を何度かは経験することもあると思います。

そういう経験を見ることで、多くの妊婦さんが、一番に心配するのは、発作によってお腹の赤ちゃんが、流産や死産になるのではないかということでしょう。 
そして次に心配するのは、喘息の薬の副作用です。赤ちゃんの催奇形や脳や神経に異常が現れないかという不安も大きいですね。

こういう障害は、健全な母体であっても、おこりうるわけで、喘息者だけが抱えるハンディとも言えませんが、発作による低酸素が子供に与えるダメージはやはり拭えないので、できるだけ、良い状態の母体にもっていけるように、前もって知識を得て出産に臨むのはとても大切なことだと思います。

一番良くないのは、薬の副作用を恐れて、発作を我慢する患者さんが多いことです。 これはとても危険です。まちがった努力です。
 自分自身は我慢が可能な状態の呼吸苦であっても、胎児はそうはいきません。
 
母体の肺に到達した酸素が胎児にそのまま直結するわけではないのです。
母体血から胎児血へと酸素受け渡しがいくのですが、とても効率が悪く、母体の動脈血分圧の3分の1ほどの分圧の中で生命が育っているということです。

その中で成長して行かなければいけないわけですから、母体が酸素不足では、発育不良になってもおかしくありません。

実際、喘息の患者さんの出産は、死産率や新生児死亡率が高いと報告があります。
また、妊婦さんの喘息が重症であるときの子供の神経学的異常の発生頻度も高いのだそうです。
 これらの原因はすべて、母体の慢性的な低酸素血症によるものということです。

ですから、自分の喘息の状態をよく把握して、副作用の少ない、安全とされている薬は、積極的に使って、できるだけ発作がおきないようにコントロールすることが一番大切な努力なのです。
一時の発作は心配することはありませんが、慢性的な呼吸苦が続くような我慢だけは しないでくださいね。

さて一番気になる、喘息患者にとって安全な薬ですが、
一番に上げれるのが、吸入ステロイドです。 すべての吸入ステロイドがほぼ安全とされています。
それは、薬が肝臓初回通過の時点で分解されてしまうからです。
 
経口ステロイドではプレドニゾロンが安全だ言われています。胎盤通過が少ないという理由です。

テオフィリン剤も催奇形は報告されていません。
 
抗アレルギー剤のインタールも安全とされています。 

抗生剤では、βラクタム剤が安全のようです。(セファム系、ペニシリン系など)


安全性が確立されていないものとしては、
キプレス、シングレア、オノンなどのロイコトリエン拮抗薬、があります。
交感神経刺激薬 β刺激薬 (エピネフィリン、エフエドリン)は催奇形が報告されています。  β2刺激薬(メプチン、サルタノールなど)なども、どうしても 使いたいときは吸入で使用するのが無難のようです。

出産後の授乳ですが、 吸入ステロイドは母乳中の移行は無視してもよく、経口ステロイドでもプレドニンはとても少ないので、短期使用なら差し支えないようです。  (からだの科学239 妊娠とぜんそく参考)

今、妊娠中の方や今後 可能性のある方は 安全な薬を上手に使ってできるだけベストの状態で出産を迎えてくださいね。

臨月までの妊娠における体調にも変化がありますし、母体の喘息原因もひとりひとり違いますので、マチのブログは参考程度に読んでください。
必ず、主治医の先生と相談されて、ご自身に合った選択をされてくださいね。

去年、「妊娠とステロイド」という項目で少し書いていますので、重複している箇所も多いですが、そちらも読んでみてください。http://blog.goo.ne.jp/decopon0120/d/20070316

  【17日 朝 390 夜370  体重56.4  体脂肪26.3  プレドニン5㍉】 


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