ressentiment

暗い愚痴をたらたら綴ります。
掃き溜めなのできれいな話はありません。

白夜夢

2010-02-01 23:33:33 | Weblog
しんしんと
音もなく
降り積もる


この街に場違いなほど
静かに
降り積もる



周囲を分断する白
踏みしめる足の裏の感触
軽いめまいとともに
あらわれた幻




ひどい地吹雪で
本当に遭難するんじゃないかと冗談を言いながら
コンビニを見つけるたびに入って暖を取りつつ
みんなで粉雪を歌って帰った夜



4限が終わるともう暗くて
生協で温かい飲み物を買って
部室に向かう



雑多な音のひしめき合う建物
汚い廊下に
楽器の滑車を転がして
古いハロゲンヒーターの前で
ぐだぐだと基礎練習を始める



真っ白な銀杏並木

原生林からのガチ雪合戦

焼き鳥屋に向かう道

マンションの前だけのロードヒーティング

除雪車の音





つらくて
早く逃げ出したいと思ったこともあった
あの4年間



自分でこの道に進んだはずなのに

好き好んで
鈍色の冬を選んだはずなのに

もう還らない記憶が
今になって
こんなに恋しい




かえりたい
かえりたいよ