しんしんと
音もなく
降り積もる
この街に場違いなほど
静かに
降り積もる
周囲を分断する白
踏みしめる足の裏の感触
軽いめまいとともに
あらわれた幻
ひどい地吹雪で
本当に遭難するんじゃないかと冗談を言いながら
コンビニを見つけるたびに入って暖を取りつつ
みんなで粉雪を歌って帰った夜
4限が終わるともう暗くて
生協で温かい飲み物を買って
部室に向かう
雑多な音のひしめき合う建物
汚い廊下に
楽器の滑車を転がして
古いハロゲンヒーターの前で
ぐだぐだと基礎練習を始める
真っ白な銀杏並木
原生林からのガチ雪合戦
焼き鳥屋に向かう道
マンションの前だけのロードヒーティング
除雪車の音
つらくて
早く逃げ出したいと思ったこともあった
あの4年間
自分でこの道に進んだはずなのに
好き好んで
鈍色の冬を選んだはずなのに
もう還らない記憶が
今になって
こんなに恋しい
かえりたい
かえりたいよ
音もなく
降り積もる
この街に場違いなほど
静かに
降り積もる
周囲を分断する白
踏みしめる足の裏の感触
軽いめまいとともに
あらわれた幻
ひどい地吹雪で
本当に遭難するんじゃないかと冗談を言いながら
コンビニを見つけるたびに入って暖を取りつつ
みんなで粉雪を歌って帰った夜
4限が終わるともう暗くて
生協で温かい飲み物を買って
部室に向かう
雑多な音のひしめき合う建物
汚い廊下に
楽器の滑車を転がして
古いハロゲンヒーターの前で
ぐだぐだと基礎練習を始める
真っ白な銀杏並木
原生林からのガチ雪合戦
焼き鳥屋に向かう道
マンションの前だけのロードヒーティング
除雪車の音
つらくて
早く逃げ出したいと思ったこともあった
あの4年間
自分でこの道に進んだはずなのに
好き好んで
鈍色の冬を選んだはずなのに
もう還らない記憶が
今になって
こんなに恋しい
かえりたい
かえりたいよ