ここにこんな明るいタイトルをおくのは初めて。
突然の仲直り、とりあえず成功。
待ち合わせたときは本当に気まずくてうつむいたままだった。
でも 場所の選択がよかったのか
一杯でも酔える本格的なカクテルのお陰でだんだんと多弁になっていく。
こんな風にまともに会話ができると思わなかった。
ましてや他愛もない話で笑うなんて。
あれほど憎悪して突き放して二度と会いたくない人だったのに。
あまりに私を持ち上げるから
100%本音かどうかは怪しいところだけど
せっかくだから信じよう。
意地を張ることをやめて
耳をふさいだ手を放したら
あっけないほど簡単に彼の声が聞こえた。
狂ってしまった歯車は完全には戻せないけど
一昨年から組み込まれていたはずの不協和音は聞こえず、
代わりに心地よいジャズが店内に流れていた。
私は
ずっと聞けなかったことを質問し、
ずっと言えなかった苦言も呈した。
彼は
弱い人だった。
語彙も知識も豊富だから口が立つし
人に合わせて場に即した言葉を選ぶからたまに調子よくも聞こえるし
会話してるといつの間にかペースをもっていかれるけど
彼は
蒼い心を
言葉で武装した
弱い人だった。
彼に、あの人とのことは話せなかった。
彼は今までを後悔し、受け入れ、謝った。
私はそんな彼をいつまでも欺き続けるのか。
以前なら彼への嫌悪感で罪悪感を覆い隠せたのに
嫌悪の霧が晴れてしまったしまった今
鈍色をした雲が 雨になって突き刺さる。
歩くたびに罪悪感が染み入って
靴がぐしゃぐしゃと嘆いた。
私は 消えたい、と呟いた。
突然の仲直り、とりあえず成功。
待ち合わせたときは本当に気まずくてうつむいたままだった。
でも 場所の選択がよかったのか
一杯でも酔える本格的なカクテルのお陰でだんだんと多弁になっていく。
こんな風にまともに会話ができると思わなかった。
ましてや他愛もない話で笑うなんて。
あれほど憎悪して突き放して二度と会いたくない人だったのに。
あまりに私を持ち上げるから
100%本音かどうかは怪しいところだけど
せっかくだから信じよう。
意地を張ることをやめて
耳をふさいだ手を放したら
あっけないほど簡単に彼の声が聞こえた。
狂ってしまった歯車は完全には戻せないけど
一昨年から組み込まれていたはずの不協和音は聞こえず、
代わりに心地よいジャズが店内に流れていた。
私は
ずっと聞けなかったことを質問し、
ずっと言えなかった苦言も呈した。
彼は
弱い人だった。
語彙も知識も豊富だから口が立つし
人に合わせて場に即した言葉を選ぶからたまに調子よくも聞こえるし
会話してるといつの間にかペースをもっていかれるけど
彼は
蒼い心を
言葉で武装した
弱い人だった。
彼に、あの人とのことは話せなかった。
彼は今までを後悔し、受け入れ、謝った。
私はそんな彼をいつまでも欺き続けるのか。
以前なら彼への嫌悪感で罪悪感を覆い隠せたのに
嫌悪の霧が晴れてしまったしまった今
鈍色をした雲が 雨になって突き刺さる。
歩くたびに罪悪感が染み入って
靴がぐしゃぐしゃと嘆いた。
私は 消えたい、と呟いた。