見た。ワシソダさんとダッさん。僕はみたよ。
蒼髪の男は無言でマシュへ接近するとあからさまに拳の速度を下げ、誰でも受け止められるように見世物として振るう。
その名称を表すかの如く、円卓の騎士の一人から受け継ぎし盾で彼女は防ぐ。拳と盾が触れた瞬間に周囲の音を殺す衝撃が走る。
男は笑い彼女は苦い表情を浮かべた。後退りする地面を削る音が響き、ただ殴っただけであるが、サーヴァントは人間の枠を超えている。
簡単に拳一つで常人の生命を奪えてしまう程に、等身大の人間と変わらない存在ではあるが、一個体の兵器だ。
油断を招けば撥ねられるのは己の首であり、完成された一連の動きに瞳を奪われた者から明日の陽光を浴びられずに腐り墜ちる。
シールダーの名に恥じず、傷を負っていない。全てのインパクトは盾で防いでおり、初手は完全に意味を失っている。
蒼髪の男は緩んだ口元から「これで死ぬなら英霊名乗るんじゃねえ」と零し、彼の右掌が輝き始めた。
赤黒い閃光が溢れんばかりに眩き、禍々しさを感じさせながら圧縮される。言うまでも無く魔力が収束される。
高密度に一点集中された魔力の解放寸前に、全ての音が、気配が、時が止まったかのように感じる。
一時の刹那に過ぎないその時間は永劫のように体感し、マスターとマシュの視線が交差する程度には長く。けれども現実として短い時間が終了する。
「挨拶代わりだ。この程度で終わるならテメェは俺の前に立つ資格すら持ってねえカスだ――テメェ自身の弱さに嘆いてな」
突き出された右腕を一度引くと、男は大地に隣接している両足に力を込め、右とは対になる左を伸ばす。
それを瞬時に己へ引き寄せると同時に、右腕を突き出し掌は盾に衝突した。轟音が振動となりて一帯を揺るがす。
バチバチと赤黒の魔力が音を立てながら――圧縮された兵器が爆発の発生と見間違えるかの如く、放たれた。
右掌から永遠に流れ続ける魔力の結晶は尽きることを知らないのか、マシュの身体を後退させる。
盾で防いでいるものの、気を抜けば一瞬で肉体が持って行かれると悟っているため、彼女は全力を出し切り身体へ信号を送る。
振動で腕が、足が、背が、脳が痺れる。けれど意識を手放せば待っているのは死だ。
彼女を基点に魔力が枝分かれを起こし捉え方によっては花弁のようにも見えた。
一枚一枚が殺傷性を秘めており、その中心である収束元の破壊力は説明せずとも解るだろう。
「くっ……宝具を展開……いや、まだです」
必死に生命を喰らい繋げるマシュの身体は壁際まで押し込まれており、魔力との板挟み状態となっていた。
転機を掴み取るべく宝具の展開を選択肢の一つに加えるも、中断し活路を見出す。
街を中心に守るように広がる壁。
警備員も配置されていることから、外敵の進入を防ぐために設置されたと考えられるとマシュは仮定する。
ヴィランと呼ばれたサーヴァントは律儀にも壁の外に現れた――悪役と言われた男が何故、わざわざ街の中では無く外に出現したのか。
一つは気まぐれ。この男は『黒い死神』との遭遇を期待していたかのような発言をしていた。
獲物を求めていたのだろう。但し、出会ったのは名も知らないカルデアのマスターとサーヴァントであったが。
もう一つ。それは壁の中に入れないこと。何かによって阻まれたという訳だ。
魔力的な問題なのか、物理的な問題なのかは不明だ。エルサレムのように現実離れした強度を誇っているかもしれない。
地獄から這い出る業火に対しマシュは一つの行動を選択し実行する。
「壊れないことを祈って――ッ!」
ならば魔力の衝撃に対し直撃したと仮定しても一定の水準は守られるだろう。つまり、街に被害は及ばないものと考えたのだ。
マシュは自分がヴィランの攻撃を回避すれば背面に聳え立つ壁に被害が発生する。それは関係無き市民に危険の波が到達することと同義である。
生命の重さは平等だ。死んでいい、朽ちていい生命など存在してなるものか。旅を通じ出会いと別れを繰り返した彼女が出した答え。
自らを盾とし全てを防ぎ切る覚悟を持って魔力を受け止めていたが、永劫に流れ続けられては守護側に限界が訪れてしまう。
抵抗のために宝具の使用も考慮したが、早々に展開してしまっては相手に手の内を明かすこと。戦闘に置いて切り札でありワイルドカードともなる一枚を教えることになる。
ヴィランの特性や宝具は疎か目的や真名、クラスや性格すら掴めていない中で己の情報を一方的に差し出すには気が引けてしまった。
けれど、このまま黙っていれば打開可能な状況では無い。自分が負ければ次に狙われるのはマスターだ。そんなことが起きてしまえばマシュは己で生命を絶つだろう。
故に壁の強度を信じ――この状況を切り抜ける。
盾を置き去りにし己の身体を右方向へ投げ出すように転がり込む。
土が付着するものの気にせずに立ち上がると、盾を消失させ魔力による再構築を行い手元へ召喚する。
基点を失った魔力は壁に激突し轟音を響かせるものの、マシュの仮定が真実となり、多少の凹みが誕生する程度の被害となった。
街を統べる親玉の力か、壁を創り上げた存在の力かは不明だが、エルサレムにも劣らない鉄壁らしい。
「何を笑っていやがる、ただ俺の攻撃を回避しただけだろ」
魔力の放出を中断させたヴィランは一度気怠そうに己の身体から力を脱力させると――大地を蹴り上げ一気に距離を詰める。
マシュに到達まで残り三十メートルが瞬きの間に十メートルにまで縮められ、彼女の顔が歪む。
ヴィランの右拳に盾で防ぎ、連撃となる左膝の衝撃も重なり身体が硬直状態に追い込まれる。
「何度も攻められる訳には……やァ!!」
ヴィランの右上段蹴りへ合わせるように盾を薙ぎ払いカウンターを狙うも、足の裏でかちあげられてしまう。
両腕が空へ向く形となってしまったマシュは無防備であり、ヴィランがその隙を逃す筈も無く彼女の腹に左足が迫る。
マシュは右膝を腹の前まで持ち上げ相手の左足と衝突させるも、勢いを殺し切れずに数歩蹌踉めいた。
対する相手の方が痛みが発生する。本来ならば、同じ実力者同士での争い基準で判断すれば。
最初から痛みなど発生せずに、いや、元々彼にとってはその段階にまでは至っては無いのかもしれない。
ヴィランは何一つ表情を崩さずに、依然として上半身の防衛が手薄になっているマシュの顔面目掛け拳を放つ。
正面から捉えるストレートでは無く、顎元を掠め取り意識を闇へと誘うフックだ。
マシュからすれば拳が目の前で消えるように視界から逸れるため、瞳から送られる映像と脳が察知する危機感の相違が生まれてしまい、瞬時に動けない。
死んだな――と、確信するヴィランであったが、今回は彼の顔が歪むこととなる。
「少しはやるようだが……剣を抜いたのなら、万が一にもテメェの勝機は消えた」
右拳はマシュの顔から逸れ空を貫いていた。
軌道に変化をもたらしたのは彼女の武器である――剣だ。
キャメロットでの戦いから新たに身に付けた牙を振るいヴィランの腕へ突き立てた。
刀身を伝い流れ落ちる鮮血は彼女が引き寄せた勝利への糸口である。しかし。
「刀……セイバーのサーヴァント」
「セイバーだのサーヴァントだの気に喰わねえな。
俺はグリムジョー……グリムジョー・ジャガー・ジャック。これからテメェを殺す男の名前だ」
(グリムジョー……?
聞いたことが無い名前……だけど、この戦闘能力を持つ人物が語り継がれないのは考えられない。
彼は一体何者なんでしょうか……だけど)
「グリムジョー、それは一つ違います」
「あン?」
「私も先輩も貴方に殺されることはありません。
使命を果たすまでは絶対に……だから、私達は貴方を倒します」
「――抜かせ雑魚が」
自ら強引に腕を引くことにより剣から解放されたグリムジョーもマシュと同じように刀を抜く。
「名前は告げねえ、告ぐ価値もテメェには感じられねえ」
呼吸をするかのように放たれる一閃はマシュの剣を軽々しく吹き飛ばす。
「しま――ッ!?」
右に払った刀を戻すように彼女の身体を切り裂かんと斜めの傷を刻み込む所で、邪魔が入る。
「今度はテメェが相手かよ……ラァッ!」
マシュとグリムジョーの間に割って入る男に対し振り下ろされる刀の一撃。
謎の男はマシュを守るようにグリムジョーの太刀筋を流すように刀で受け止めると、彼の腹に蹴りを直撃させ距離を取る。
跳ぶかの如く数歩で間合いを調整すると、グリムジョーの仮面を貫く突きが放たれる。
刀で太刀筋を反らし、グリムジョーは身体を屈め男の懐に潜り込もうとするも――銃弾が彼の進路を阻む。
「齊藤さーん! 足下がお留守ですよー?」
開かれていた門の前には狙撃銃を構えた女が立っていた。
明るく戦場に似合わない声色で片腕を振りながら笑顔で齊藤と呼ばれた男へ叫んでいる。
金髪に引き締まった肉体は、必要な物は強調されており、女の武器が詰め込まれた天性の身体だ。
「……黙っていろ」
■――
TIPS【笛ソシャゲ】
FGOのこと。ででどんくんが一人だけこの呼び方を使用している。
実際に発音してみると言い辛い。
はい、このTIPSが早速のネタ切れですね。
――■
時間は止まらない。世界の針は僕を置いて行こうと気にもせずに廻り続ける。
マシュとグリムジョーの戦闘から流れるように乱入した斎藤と呼ばれた男性と狙撃を行った女性。
彼らは一体何者だろうか、グリムジョーの目的は何だろうか、マシュは無事なのか。
気になることが沢山ある中で僕の脳内は必死に一つ一つの事象を処理するために、単語を拾い続けていた。
ゆったりとした空間でゆっくりと時間を費やしたいけど、そんな悠長にしていられない。
僕だけが戦闘に介入しない中でも、みんなは戦っている。マシュもグリムジョーも乱入者達も。
戦乱の最中でただ一人立っていれば、それは邪魔であって格好の的だ。僕が敵将ならその首を討ち取り主に献上する。
だけど無力なのは明らかだ。それでも最初から絶望というか、諦めるのは嫌なんだって毎回思っている。
「無事ですか、先輩……!
あぁよかった、お怪我は見当たりませんがやせ我慢とかしてないですか!?」
――ありがとうマシュ。僕は大丈夫だよ。
――僕よりもマシュの方が心配だ←
「私よりも先輩が大事です! さぁ本当に何も隠していませんか!?
非常時で余裕もありませんが、放置は最悪の処置だとナイチンゲールさんも言っていました」
――捏造はよくないよ。
――記憶に無いけど言ってそうな人だよね←
僕の傍に駆け寄ってくれたマシュは第一声で心配をしてくれる。
自分の方が危険な目に遭っているのに、本当に優しい。とても他人の身を案ずるような余裕は無い。
グリムジョーに一撃を加えたことは事実だ。だけど、僕の視界だと終始あの男が圧倒していたようにしか見えなかった。
マシュも特異点に到着したばかりで本調子では無い。それに生命を奪うつもりで戦ってもいなく、情報収集をメインにしていととも思う。
お互いに本気を出していない戦闘だが、それでも優位に立っていたのはグリムジョーだろう。
「言っていない……?
だけどあの人なら問答無用で治療という名のナイチンゲール殺法を行うかと」
――殺方!?
――殺法!?←
「……! 不適切な発言でした、すいません……。
何にせよ辛いことや状態が急に苦しくなったらすぐ私に言ってくださいね、先輩」
マシュの方が僕の何倍にも危険な目に遭っていて、怪我があるとしたら間違いなく彼女の方になる。
僕は極論で殴れば何もしていない。そう――戦闘に於いては何もしていない。
今回の特異点では指示をするサーヴァントがいる訳でも無く、グリムジョーとの戦闘では一切関与していない。
本来ならば第三の目で戦況を把握しマシュへ情報を届けるのだが、今回の戦闘はあまりにも早過ぎた。
グリムジョーが接近し赤黒い閃光を放ってからマシュの剣が彼の腕を貫くまで、一分の時があったかどうか。
例え大きな傷を負っていなくても身体に掛かる負荷は尋常じゃ無い。生死が隣合わさっている状況所精神への圧迫も心配だ。
――ありがとう、マシュ←
――ごめん、マシュ。
だから、僕は小さなお礼をマシュへ。
■――
TIPS【壁】
まだ主人公達は突入していないが今回の舞台となるトウキョウを囲う大きな壁。
外部から犯罪の因子を持ち込ませないために公安局が中心となって建設され、門には警備員が配置されている。
彼らには犯罪係数を測定機能が搭載されたリモコンのような機械が支給されており、来訪者の選別を行う。
なお、トウキョウへ訪れる人間は数えられる程度にしかおらず、今回担当した警備員は初めての作業となった。
(壁のイメージはまあ、進撃の巨人)
――■
決定打が存在しない剣戟の中で風を切り裂く音が、刃と刃の拮抗音が荒野に響く。
相手に読まれない剣筋に加え生命を奪わんと振るわれる一撃は両者の心臓に届いておらず、流れるのは汗のみ。
連なるセイバーの獲物が鍔迫り合いを起こし、互いの意思が衝突する中で言葉が交わされる。
「今日が貴様の命日だったとはな」
「抜かせ雑魚が……テメェの墓を俺が作ってやる、感謝しろよ斎藤一」
「召喚された身で墓など不要だ。そんなことも解らんとは――最も、阿呆の貴様には無理な話か」
百人が百人「あれは怒りの表情だ」と口を揃えるのが容易に想像出来る。
斎藤の挑発に乗ったグリムジョーは刃を己側へ引き寄せると、大地を蹴り後方へ跳躍を行い距離を取る。
天へ掲げられた右腕には赤黒の閃光が収束し始め、標的の生命を消し飛ばすための布石也。
殺してやる。
唇の動きから言葉を遠方にて確認した斎藤一は改めて周囲を見渡す。
戦場は荒野。隠れ蓑になる障害物等は存在しない。壁際には警備員から連絡のあった二人の潜在犯。
一人はサーヴァント、もう一人は反応からして人間だろう。お伴が接触を図ろうとしているが、それは彼女の仕事だ。
自分の標的はヴィランの烙印を押されたグリムジョー一人である。あの女は放っておけと、考えるまでも無い。
「へっ、向かって来るか……面白え!」
グリムジョーの歪んだ笑みの先には大地を駆ける斎藤一。
自身には天敵となる遠距離からの砲撃への対処法として、回避の選択を捨て正面から向かう姿に笑いを堪えきれない。
阿呆と呼ばれたがテメェが馬鹿だ。
迫る馬鹿を持て成すために宴の主でありヴィランを司る仮面の男は己の右腕に魔力を集中させる。
高密度圧縮霊圧魔力変換閃光――虚閃。
「特別だ……くだらねえ霊基の枠に嵌められてからテメェが初めての被験体だ」
刀を大地へ突き刺すと刀身に左指を這わせ、当然のように鮮血が流れる。
指先を持ち上げ刀身から離すと大地へその動きを追うように赤い斑の跡が出来上がる。
完成形とでも謂えようか。行き着く先は己が右腕、斎藤一を殺すために魔力が高まる右腕だ。
赤黒き閃光に、同じく純度なる赤とは呼べない黒が混在した血が垂れ墜ちる。
「王より授かりし刃は十の欠片が一つ、我が欲する光は王に捧げし恩義の光――なんてな。
別にどうでもいいんだよ俺には。テメェをこの世からかっ消すためだけに放つんだ、光栄に思え――『王虚の閃光』」
その光景を瞳に捉えていた人間全てが鮮やかなる変化に意識を奪われた。
血液を纏いし赤黒き霊圧は同じ色合い同士の融合である。しかし互いを反発するかのように。
グリムジョーの右腕を取り巻く閃光は美しき蒼へと変化した。
世界を覆う空は灰だ。その事実が彼の閃光をより深き蒼へと演出し、霊圧の密度は先とは比べ物にならない。
放たれた王虚の閃光は始動から斎藤一への到達にまで、流れた時間は一瞬だ。
瞬きをしていれば、その間に着弾し生命はこの世から消え去ることになるだろう。
「――チッ」
誰の耳にも届かないグリムジョーの舌打ちが空間に残る。
彼の視界に映るは壁への到達を防ぐために、その身を呈して前線へ躍り出ていた。
盾を大地に突き刺しているため、表情は窺えないがグリムジョーにとっては一切の得が生まれない。
短い手合わせだったが彼がマシュの戦闘から読み取った印象は『盾の強度は流石英霊か』
近距離の霊圧を受けても傷一つ付かない表面の硬度は彼にも想定外であった。
ただの雑魚なら一瞬で消し炭だと思っていたため、元から低評価で舐めていたのも要因の一つだろう。
苛立ちの対象は彼女じゃない。敵対するは斎藤一であり、マシュは既に獲物から外れている。
警察を始末すれば次の対象は彼の部下である金髪の女となり、その処分が終わった段階でやっとマシュが再度獲物となる。
つまり盾で防がれようが、グリムジョーにとっては気にすることでも無く勝手にしていろというのが彼の抱く雑な感情である。
今の獲物は斎藤一だ。視界から消えた外野がどれだけ騒ごうと所詮は外野止まりである。
「正面、左右、背後……いねえなら残るは――上だァッ!!」
到底人間では反応不可能な戦局の応酬の中で斎藤一は閃光に対し、空を翔るように跳躍。
類い希なる脚力により宙を蹴る事が可能だと錯覚してしまう。滞空時間は元が人間とは思えない程に長い。
突き刺した刀を握り天へ駆け上がろうとするグリムジョーだが、影が二つ存在する事に気付き、舌打ちを行い距離を取る。
そもそもおかしな話だ。近接特化である斎藤一が何故、王虚の閃光を回避することが出来たのか。
特別な回避術を持つ訳でも無ければ、人智を超えた神類に到達する身体能力を持ち合わせている訳でも無い。
「ヒーローは遅れて登場するってよく言うよな」
「それが貴様の遅刻を肯定する材料にはならん、阿呆め」
「そんなこと言うなよ斎藤さんよ……はぁ。
ヒーローは平和の象徴を皮切りに神隠しのせいで数が少ないのは知ってるだろ? 現に警察サイドのあんただって現場に駆り出されている」
大地に降り立った斎藤一と肩を並べるは白を基調にアクセントとして光を反射する鮮やかな緑が光沢を潤すフォルム。
パワードスーツや強化外骨格。幼き夢を見続ける少年が憧れる鋭利なボディは正にヒーロー。
誰が呼んだか世界は彼をワイルドタイガーと呼ぶ。
所用により遅れた我らがヒーローは駆け付けると同時に斎藤一を抱え跳躍し、グリムジョーに奇襲を仕掛ける。
最も大地にクレーターを生成するに終わり、ヒーローらしい活躍はまだしていない。
「宝具で呼び出せば最大で何人召喚可能か言ってみろ」
「馬鹿、お前あんなの連発したら俺の霊基が保てなくって消えちまうだろ!
俺が消えりゃあヒーローは全滅に近いんだから簡単に言うなよ……俺だって出来るなら常に全員呼んでるわ」
「……使い勝手の悪い宝具だな」
「仲間の絆が生んだ奇跡の宝具と呼んでくれ……って来るぞ!」
「お前にな」
「勘弁してく――れッ!?」
会話を切り裂くように振るわれた刃の持ち主はグリムジョーだ。空間を飛躍するかの如く最小数の歩幅で接近しワイルドタイガーを獲物に定める。
両腕を交差させ装甲と自身の力で防御を試み、身体が震えるものの刃による損傷は発生していない。
ヒーローの素顔は機械のマスクに覆われているが、素顔には汗が浮かんでおり笑みは消えている。
「痛ッ」
刃を防がれた仮面の豹は追撃を緩める事は無く左膝で正義の虎の腹に衝撃を与え、更にもう一撃を加える。
身体が折れ曲がったワイルドタイガーは反撃に転じ、左腕による裏拳をグリムジョーへ放つも空を切り裂くのみ。
屈むことにより回避したグリムジョーは左掌に霊圧を収束させワイルドタイガーの眼前へ脅すように閃光を走らせる。
「消し飛べ」
「――ッ、斎藤ォ!」
虎徹必死の叫びが届いたのか斎藤一はグリムジョーの側面から刀を薙ぎ彼の首を撥ねようとしたが、刃に防がれてしまう。
その状態から左足を蹴り上げ霊圧を纏う滅殺の左腕を上空へ。
放たれた閃光はワイルドタイガーを焼却すること無く、灰に包まれる箱庭に一筋の光を刻む。
生命が助かった事に本気で溜息を漏らしたヒーローはお返しだと咆哮しグリムジョーの右脇腹に蹴りを叩き込んだ。
骨に衝撃が響く。その音は戦闘を行う三人の耳に届いており、手応えはアリだ。
しかしこの程度でグリムジョーが倒れるならば元々ヴィランなどとは呼ばれていない。
振り上げた足により硬直状態に陥いるワイルドタイガーの顔面を破面の拳が捉え、大きく吹き飛ばした。
間髪入れずに齊藤一が刀による連撃を仕掛け、グリムジョーの選択手段を抑制。
時に打撃も混入させ出来る限り相手に太刀筋を、意図を読まれぬために幾多の技を要り乱させる。
刃が、柄が、持ち手が、拳が、足が。接近戦に於ける全ての可能性を活用した技術の応酬が繰り広げられる。
立ち上がったワイルドタイガーも後方から駆け寄っており、第三者が見ればグリムジョーが劣勢だろう。
単純に数の差で一対二。サーヴァントの枠に嵌められていようと覆せない現実が存在する。
しかし、彼らは誰一人として宝具を展開しておらず、言ってしまえば切り札を見せていない。
「舐めんじゃねえぞ、テメェら二人揃って殺してやる――最期に俺の力を見れる事に感謝しやがれ」
■――
TIPS【警察】
トウキョウの秩序と法を守る組織。ヒーローと結託しており組織的には同じ所属となる。
主にヒーローの活動を必要としない場合に出番が多く、常に市民のために働いている。
中には執行官と呼ばれるドミネーターを扱える権限を持つ者もいるが、神隠しによって数が激減している。
本来ならばヴィランとの戦闘はヒーローが担当するのだが、度重なる消失により斎藤やセラス、沖田のように前線へ出る者もいる。
――■
「あの柄悪そうで怖い目つきの人が私の上司で斎藤一さん」
彼らの戦闘は圧巻だ。宝具を使わずに繰り広げられる闘争は観戦者であろうと一切の油断が出来ない。
何が起こるかが全く以て予想不可能であり、咄嗟の事態に対応しようにも全ての現象がイレギュラーだ。
僕とマシュは出来る限り彼らの情報を集めようと観察していたが、戦闘から得られる目視の断片では真名に辿り着けない。
これ以上被害が広がらないためにもマシュが戦線へ参加することを決意した直後に、婦警さんが声を掛けてきた。
彼女は肩に担いでいた狙撃銃を大地に下ろし、体重を寄せながら笑顔で接してくれている。潰れた形になる胸はちょっと刺激が強くて顔が熱くなるのが触らなくても解る。
斎藤一。
聞き間違いで無ければ、僕でも知っている名前が飛び出した。
牛若丸や弁慶……弁慶。清姫などと同じ日本の英霊だ。新撰組の名前は知っているし、沖田さんと同じ所属だろう。
――斎藤一って新撰組の?
――おろ?←
「あ、その反応ちょっと面白い」
「新撰組の斎藤一……やはり沖田さんと同じく……沖田さんと同じというと失礼な感じもありますが……はい。
機敏な動きと確実に生命を狙う太刀筋、悪・即・斬と謳われたあの斎藤一……確かに婦警さんが仰るとおり怖い目つきですが」
「だよねー。口数少ないしなんか喋ったと思ったら大体悪いことでさー、なんとかハラスメント? に引っかかりますってね。
人遣いも荒くてね、私の前のマスターとは方向性が違うんだけどろーどーきじゅんほー?に裁かれてくれないかなあって毎日思ってる訳ですよ」
「前のマスター……!?
婦警さんはもしかして何処か遠い別世界からやって来たのですか!?」
「ん……ああ、ごめんごめん違うよ。それと私のことはセラスでお願いね。
マスターっていうのは私の師匠みたいな人のことだよ。私にとって一生忘れることの出来ない、ね」
「そうでしたか……変なことを聞いてしまったようで申し訳ありません。セラスさん」
「いいよいいよ!
それよりも――潜在犯の貴方達をこれから私は収容施設へ送らないといけないの。
ちなみにグリムジョーは斎藤さん達に任せます。会話の流れを無視してごめんね。実はそんなに時間が、ね」
「どうしてもですか。正直、突然リモコンで犯罪者予備軍扱いには納得がいきません。
それに私達は聖杯を集めてこの特異点を修復――やらなければならないことがあります」
「……ごめんね。それは知ってる、沖田さんから聞いたんだ。カルデアの話も私達は知っている。
全て貴方達の使命を知った上で――私達には私達のやることがあるの。ごめんねマスターさん、それにマシュさん」
「沖田さん……!?
あの病弱のセイバーで新選組の沖田さんがこの時代にいるのですか!?」
「ま、斎藤さんが居るんだから驚かないよね。でも、もうあの人は神隠しで消えちゃった」
――神隠し?←
――消えた?
「神隠しってのはね……いや、いっか。
施設でゆっくり学べるから頑張ってねマスターさん。彼処から更正扱いで抜け出した潜在犯は0人だけど」
「0人……!?
それでは私達は一生その施設に缶詰で時を過ごすことになってしまいます!」
「それがシビュラの判決で、神の選定なの。
馬鹿みたいな話だよね、私がマシュさんの立場ならキレてる自信がある。でもね、今の私はこの世界の秩序を守るサーヴァントなの」
人が変わったように婦警――セラスの表情は笑顔から真剣な眼差しとなり、瞬時に空気が張り詰めた。
本気だ。彼女の瞳を見て僕とマシュは冗談じゃなく、本当に僕達を隔離施設へ連行するつもりだと悟ってしまった。
勝手に潜在犯扱いされ弁解の余地も無いままじゃ納得何て出来ない。それはマシュも一緒だと思う。
このままじゃ、今までの旅が無駄になってしまう。
皆の力が、思い出が、全てが台無しとなってしまい、世界に明日は訪れない。
そんなのは嫌だ。まだ、僕達にはやるべきことが山程残っている。時間には限りがあるんだ。
セラスさんの放った拳がマシュの眼前で止まる。
それが僅か数秒の、それなのに長く感じる戦いの始まりだった。
■――
TIPS【神隠し】
トウキョウに突如発生した失踪事件を表す用語として使われている。刑事事件では無く、一切の前振りや証拠を残さない。
神隠しの対象となっているのはこれまでヒーロー(警察含む)ヴィラン、潜在犯限定となっており一般市民は被害に遭っていない。
平和の象徴を皮切りに良くも悪くも多くの著名人がこの世界から姿を消している。
誰も真相と掴めておらず、まるで神の仕業だと噂されているが、シビュラが関わっているかどうかは警察から公式に発表されていない。
――■
拳圧によりふわりと浮かんだ前髪が降り切る前にマシュは距離を取り弧を描くようにセラスへ接近を試みる。
盾を具現化し、殴るかと思えば距離を詰める前に投擲を始めた。
予想の範囲を超えた奇襲にセラスは面を喰らい驚くものの、対処不可能な話では無い。
回避するどころか一歩踏み込み大地を力強く蹴り上げ加速。身体を低く保ったまま盾の下を掻い潜る。
大地に身体が擦り付く寸前まで体勢を落とすものの回避に成功し、マシュとの距離を詰めるために走り続けた。
正面に対象を捉えたセラスは拳を力強く握り込み、相手が防御態勢に移っていようが関係無しに一発をぶち込む。
「重い――でもッ!」
左掌で拳を包み込み、右腕を添え、大地に付く両足に全体重を負荷させ吹き飛ばされないように防ぎ切るマシュ。
彼女の身体を突き抜けるように衝撃と風が走り、後方の砂塵が舞い上がっていた。
「フルパワーじゃないけど、よく抑えこんだね」
「これで……も、私は多くの戦いを経験していますから」
「よく言った! 流石マスターさんと一緒に何度も世界を救っただけのことはあるね!
でもごめんね、悪いけど後ろから帰ってくる盾に当たる訳にはいかないから、よろしく!」
セラスが抱いたマシュへの第一印象は線が細い子だった。
元々沖田総司から話は聞いていたため、見た目で決め付けるつもりは無かった。
しかし実際に相対してみると盾に振り回される姿が簡単に思い浮かんでしまう程に細い女の子だった。
けれど戦闘が始まるとグリムジョーの霊圧を防ぎ、自らが放った拳にも対処を施した。
盾をただの守り切る置物とは考えずに投擲を行い、戦術的な倫理観も携わっている。彼女は本物だ。
デミ・サーヴァントとは聞いていたがその力、意思、精神は英霊のソレと変わらない。
少しの会話を交わしただけで彼女の明るさや優しさ、気遣いも感じられた。それ故に辛い物があるとセラスの表情は曇り掛かる。
シビュラの判決は絶対だ。
マシュから大きく距離を取るように後方へ跳ぶと、盾が彼女の手元へ収まった事を確認し再度、大地を駆ける。
宝具は展開しない。出来るだけ穏便に。使い時を誤る事は無い。
盾を右腕で持ち上げたマシュは迫るセラスに対し自ら距離を詰める。
リーチは己が有利でありレンジにさえ捉えてしまえば先手を撃てる。後手に回れば厳しくなるのは自分である。
マシュはセラスの情報を一切知らない。唯一知っていることと云えば狙撃銃を使っていたことだけだ。
現在は背中に背負っており尚且つ接近戦のため、出番は無いように感じられるが油断は禁物である。
視線は彼女を捉えているが背中の獲物にも最大限の警戒を行う。逆にセラスは沖田総司から自分の聞いている可能性がある。
宝具の事も話されていれば手の内は全て明かされている状態であり、先程のように投擲などの奇策を用いなければ負ける。
マスターである先輩の持ち味であり武器である戦況判断からの指令は、一対一よりも多数の軍略寄りだ。
此処は己の力で乗り切らなければ。
両者が肉薄するまで残り十メートル。
先手はマシュが盾を振るいセラスへ仕掛けるも、彼女は避けるどころか足をその場で止めた。
迫る盾を両腕で抑える。筋力はどうやら彼女の方がマシュよりも上らしい。
武器を止められたことにより焦るマシュだが、幾ら力を込めて状況を脱しようにも全く動かない。
隙間に接着剤を注ぎ込まれたかのように、どれだけ動かそうがセラスの腕力から逃げられる可能性が感じられなかった。
「ごめんねマシュさん。
貴方にはちょっと――気を失ってもらう」
「……ッ!?
き、牙……まさかセラスさん、貴女は……!」
両腕を空へ吹き飛ばすように振るったセラス。
その勢いに負けてしまいマシュの盾は大きな回転と共に放物線を描きながら遥か彼方へ飛ばされてしまう。
もう一度具現化すれば問題無いのだが、変化するセラスの身体に意識が奪われる。
口元から覗く鋭利な牙から連想するは――吸血鬼。
数多くの逸話と歴史を創り上げた夜の主役がマシュの目の前に立つ。
マシュの両肩を豪快に掴むと無理矢理己側に引き寄せ、顔を振り上げた。
瞳が餌を見下すように動く。交差するマシュが抱く感情は恐怖だ。自分はこれから、血を吸われる。
その先に待つ未来は死だ。皮になるまで身体中の血液を吸い上げられ、最期には自分の力で己を支えることすら不可能になる。
嫌だ、そんな結末は認めるものかと身体を動かそうにも吸血鬼の筋力に正面から負けてしまい、一切の身動きが封じられている。
見開いた吸血鬼の蒼眼が宴への案内状だと気付くのに時間は必要無かった。
館の主は自分を客だと選定し招待した。断れば主催主の顔に泥を塗ることになる。
最初から不参加など許されることは無く、選択肢の中にも存在していない。
宴は時を忘れ、太陽が沈んだ中で、夜を彩るように月と共に世界を盛り上げるだろう。
主役は吸血鬼。演出するはマシュだ。
セラスの牙が彼女の首筋へ到達する。それが本来の筋書きである。
言ってしまえば元々、偽りの聖杯など彼女達にとって起こり得る事の無い宴だ。
誰にも招待状など届いておらず、参加条件は巻き込まれること。
故にありきたりの台本だろうが、役者が一級品だろうが。
この物語にプロットなど存在しない。それは神も同じだ。
世界を管理している存在にすら認知されない者もいる。
例外はあるのだ。数を減らそうと新たに補填され、世界はそうやって、回っている。
「噛まれて――い、いない?」
諦め瞳を閉ざしていたマシュは己の身体に一切の異変が起きていないことに違和感を抱いた。
そもそも、違和感を抱くこと自体がおかしい話ではある。普通の生活ならば吸血鬼と拳を交える機会など到底訪れないだろう。
幾ら彼女の出生が特殊であるとは云え、常識は人と同じだ。感情も同じであり、人間として生きている。
瞳の先に広がる世界は変わらず地平線まで灰色に覆われた曇り空と緑が感じられない大地だ。
手前に居るのは吸血鬼――その更に手前に一人の女性が立っていた。
髪はそこまで長く無く、ジーパンにスカジャンを纏い、よく見ると髪にはアクセントとして若干の赤が目立つ。
左腕にはギターケースらしき長方形型で銀の箱を担いでいた。空いている右腕は――なんとセラスの顔面へ伸びている。
まさか自分達の間に割って入り拳を叩き込んだのだろうか。表情は伺えないかかなりの度胸の持ち主だろう。
助けてもらった手前、礼を述べるのが筋であるが、状況が状況であり迂闊に動けない。
「ッ~~~~~~~~~~、酸っぱい……………………」
ぼとりとセラスの口から落ちた黄色い物体はレモンだ。レモン、そう、レモンである。
呆気に取られるマシュだがそもそも何故レモンが落ちるのか。理解しようと努力するが無駄だろうと思考の中から切り捨てた。
セラスが戦場には似合わない割りとコミカル寄りな表情を浮かべている。よっぽと酸っぱいレモンだったのか。
いや、レモンはレモンだ。酸っぱいだろうとそれはレモンである限り当然だ。何を考えているのかとマシュは己に悩む。
「そんなにがっついてどうした? 初恋の味が恋しくなったか、婦警殿」
やはりと言うべきか、状況から察するに助けてくれた女性がセラスの口へレモンを放り込んだのだろう。
視界から得た映像を脳へ送り込み処理すれば自然と答えに辿り着くのだが、意味が解らない。
何故、レモンなのだろうか。きっとそれはどうしてそんなに大量のお米が出る宝具があるのだろう。それと同義の問題だ。
ワケが解らないことに無理矢理に答えを導き出したところで、その労力が報われるかどうかは結末による。
今すべきことはお礼を述べることであり、この場から脱することだ。
「助けてくれてありがとうございます……貴女は?」
「あ? 一緒だよあんたもあたしも」
「……?」
「っと悪い悪い。これじゃあワケ解かんねえよな!」
ギターケースを降ろし中から紅い――剣だろうか。
刃も柄も見当たらない一刀の紅片刃を取り出した女性は獲物をセラスへ向けた。
ニィと口角を釣り上げ、失礼に表現するならば悪巧みを浮かべる女子高生の表情だ。
これから起こることは碌でもない騒ぎだ。だが、青春の一ページに刻まれる大切な思い出を作るような。
「潜在犯の纏流子、無理を通して道理を蹴っ飛ばす女だ! 覚えときな!!」
■――
第一の偽聖杯 ―セーラー服と紅片刃―
CODE: Proof of justice
永劫無明都市 トウキョウシュバルツ
――■
これは駆け付けて正解だった。
トウキョウ内で発生したドミネーター舞台と反政府組織の争いを捨て、わざわざ壁に登ったかいがあると言うものだ。
久方の来訪者に下されたくだらん神の判定は潜在犯。此処までは特段、記事にする価値も感じられん。
だがヴィランであるグリムジョーの襲来と斎藤一、ワイルドタイガーの小競り合い。
正門付近では新入り潜在犯と婦警であるセラス、それに反政府組織のシンボル的ポジションである纏流子が揃い踏みだ。
神隠しが始まってからこれ程の面子が揃った日は久方ぶりだ。
まるで真実を闇へ隠すように消された役者達、残された人間が紡ぐ物語には興味を抱く。
当然だ。この世界は狂っている。シビュラと呼ばれる存在も明かされていない機械に支配されているなど、面白みの欠片も無い。
民衆は愚かだ。何故、この世界に疑問を抱かない!
明らかに隠蔽された真実に! 手を伸ばそうとしない!
人間としての本質を失った彼らに価値などあるのか。
私は違う。私は、真実を、知りたい。灰掛かった筋書きの先にある結末を、この目で確かめたい。
それを罪だとシビュラは言うのか。
神は私を裁くのか。その権利を神は持っているのか。
時が来れば、答えは出るだろう――マイケル・ゼーバッハ。
■――
第二弾です。テキストは30kbらしいですが、そんな長く感じないと想います。
ちなみに前回は20kbらしいです。目安ね目安。kbの長さ自慢する人、でではそんな好きじゃないから。
んでんで、個人的にはやっぱそんな長くねえと思うんですy。
それは味が薄いのか、内容がペラッペラなのか、テンポが良いのか、短くまとめられているのか。
どう捉えるかはお任せします。僕は前向きに捉えますよ、そうやって生きて来た!
ちょっと会話がチグハグなのは反省点です。どうせ中盤から後半にかけてはやりたいことのオンパレードなのは目に見えてる。
だからと言ってそれに通じる布石(序盤)がねえ……組み立てる(ストーリーを)ってのは難しいと実感痛感ででんどどん。
それと主人公の一人称もどきってどうなんだろう。とりま名前公式発表して。
今回はマスターで通したけどこのまま進むならノブナガ・シマザキになりそう💢
一人称は勉強というか、書くことすら避けていたので頑張らなければ。
いつぞやのチャットでおねーさまにも勉強しろ的なことを言われた記憶があるけどやってねえよなあ!?
さて。
出演は前回のゴッサム聖杯からグリムジョーに続いて5人ですね。
PSYREN聖杯
纏流子@セイバー
夢幻聖杯
斎藤一@セイバー
虎徹おじさん@ヒーロー
虚無聖杯
セラス@アーチャー
???
マイケル・ゼーバッハ(隠す必要は無いです)
続きを書くかはわかりません。ゆったりまったりででんどどんです。
エタっても怒る権利を持つ人はいないのです……いや、違うよなあw
鎌倉から一体かなあ。次に出るのは。
次の次に二次聖杯から一人かなあ……うーむ、バットマン知らねえのはちょっともったいないなあ。
(ヴィラン募集(亜種聖杯から)。一体は新規に書くしかねえなあってなるぐらいには)
次?アニロワIFとサイレンですね……w
※各当選作品の作者様から許可は得ていません。
えんちゃんとふぁいあさんを始めとする作者さんに怒られたらやめます。
ででどんは馬鹿なのか?
12月の定期的に行われているオフに行こうかなあと思ってカレンダーを見たらクリスマスですよ。
これはいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーかないッ!!
そんじゃ今回はこのへんで……ノシ
笛ソシャゲことFGO6章……面白かったなあ!
流石奈須きのこの野郎と言いましょう(謎の上から目線)
いや、ね。
円卓の騎士にヘイトを集めれるのはきのこだけですよ。
文章の上手さやキャラの引き立て、話の展開じゃなくてきのこだから許されるんですよ。
だってこれが別のライターならみんなボコボコに叩いてるでしょって感じですわ。
ローテ的に6章を書くのはけっこう叩かれていた方なんだから、そら可哀想な結末になってしまう。
もちろんその人が書けばどうなるかなんて解らないし、スチパンの人なんだから色々と相性はあるのでしょう。
最近は何かが叩かれていると無性に庇いたくなるんですよ、ででアンのせい。
今更ながら6章の感想を書こうと想いましたが、うむ。
ちょっと遅かったね。文章にする前に「面倒くさい」って感情が先に来てしまう。
面白かったのは間違いないんですよ。今までの中で一番好き。
いやー、ブログを動かしたのも最近だしもうちっと早く書くべきだった。
今は夏イベントでもどれっどちゃんあぁ^~だもんw
6章のラスボスは獅子王ことアルトリアちゃんのランサー。
それを取り巻くのがご存知円卓の騎士であるガウェイン、アグラヴェイン、ランスロット(謀反)、ぽろろんアーチャー。
そら円卓なんだから他にもパーシヴァル(見たかった)とかもいるんですけど、これは過去篇で明らかになるんですよ。
彼らを相手にするんですけども、僕のスタメン面子には槍オルタとエミヤくんがいまして。
槍オルタってのはランサーのアルトリアがオルった姿です。謂わばアルトリア対決ですよ。
民の気持ちが解らない。心じゃなくて気持ちね。でも、獅子王はそんな訳じゃないんですよ。
誰が悪いのかってなればダビデの息子なんだけど、獅子王の選択は万人にこそ受け入れられる訳じゃない。
でも彼女を責める権利を誰が持っているのかってなると誰も持っていない。けど戦って止めなきゃ多くの人が死ぬ。
これはオジマン子安も一緒で、王なんだから民の生命を背負うのが義務であり当たり前であり使命であり……。
なんでしょうね。型月信者さんには怒られるかもしれませんが獅子王ってこう、切嗣を思い出すというか。
100を救うために1を切り捨てる。状況も条件も違うけど、太極的に見てそれはハッピーエンドじゃないんです。
だって死人が出るから。それでも救える生命は救う……難しい話ですよね。救われたサイドからするとハッピーエンドな訳で。
そんな獅子王を見てオルタはどう思うのか。
まあ獅子王のオルタが槍オルタって訳じゃないと思うんですけどね。それでも同じ括り(アルトリア)
オルタ=悪っていう小学生みたいな基準で書いているんですけど、自分を止めるために力を振るうってのはなんか悲しい。
どっちが勝ってもアルトリアで、それは自分なんですよ。
止める方も止められる方も間違っていない。正解なんてないんですよ。ハッピーエンドに繋がる解決方法は。
これは奇跡だったんだけどなんと最期は獅子王とオルタのタイマンになったんですよ。
前半戦はエミヤで殺した訳ですが、二戦目はマシュが頑張った。彼女が死ぬ気でみんなを守ってくれた結果がアルトリア対決ですよ。
もう獅子王はボロボロでトドメを刺すだけなんだけど、瀕死の鏡を見てオルタはなあ……。
最期は安らかに、静かに眠ってもらいたい。そんなことを考えてくれれば嬉しい。
だって辛いのはオルタ自身が一番解ってると思うから。
はい、終わり!
いやあ、お祝いリプライあざました!
ふぁぼとか空中(ぜとたそ)含めれば43人もの方に言われて嬉しい限りです。
そら社交辞令みたいなんだけど、それでも嬉しいです。
とりま今年はメロン完結で!
……書けるように頑張りますです。
ふぁぼとか空中(ぜとたそ)含めれば43人もの方に言われて嬉しい限りです。
そら社交辞令みたいなんだけど、それでも嬉しいです。
とりま今年はメロン完結で!
……書けるように頑張りますです。