昨季のＪ１王者ながら今季はなかなか存在感を示せなかった柏が意地をみせた。
横浜Ｍとの激戦を制してタイトルへの可能性を残し、増嶋は「このメンバーで戦う最後の試合という思いも込め、勝って終わりたい」と必勝を誓った。
準々決勝に続いて工藤が躍動した。
前半２３分、左サイドからジョルジワグネルが上げたクロスを沢が頭で合わせる。
ＤＦにクリアされたボールに反応して押し込む２試合連続の決勝弾に「いい位置にいた。
狙っていた通り」と満面の笑みだ。
クラブにとって天皇杯のタイトルとともに与えられる来季のＡＣＬ出場権が、大きなモチベーションになっている。
昨年はＪ１王者としてクラブＷ杯を戦って今季はＡＣＬにも出場。
工藤は「すばらしい経験だった」と振り返る。
決勝進出の立役者は累積警告によって決勝は出場停止となるが、「精いっぱいサポートして試合の後は一緒に喜びたい」と共闘を宣言。
エース不在にもネルシーニョ監督は「誰かがいないときはチームのレベルの高さを証明するチャンス」と言い切った。
昨季のＪ１王者の誇りにかけて無冠で今季を終えるつもりはなく、チームを成長させてくれる国際舞台を逃すつもりもない。
「ここまできたら優勝しかない」と工藤。
日本のサッカーシーズンを締めくくる大一番で柏が本領を発揮する。
（奥山次郎）
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