【ワシントン=柿内公輔】パソコン世界最大手、米ヒューレット・パッカード(HP)の経営が深刻な混乱に陥っている。
矢継ぎ早の企業買収は業績向上につながらず、英子会社の会計操作まで発覚した。
業績悪化でトップも猫の目のように変わり、迷走に歯止めがかからない。
■落とし穴
「バレー(崖)に沈むHP」(英紙フィナンシャル・タイムズ)。
IT企業が集積する米シリコンバレーで70年余りの社史を誇る超名門企業が、創業以来の試練に直面している。
HPの8~10月期売上高は前年同期比7%減で、5四半期連続の減収。
この異常事態に加え、市場を驚かせたのが、昨年買収した英ソフト会社オートノミーの不正会計の発覚だった。
HPのホイットマン最高経営責任者(CEO)は「当局に調査を委ねる」とし、子会社の旧経営陣を告訴する意向も示したが、市場では、なぜHPが見落としたか疑問が集まる。
「オートノミーの会計処理はアナリストが長年問題視」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)し、米ソフトウエア大手オラクルが、一度検討したオートノミーの買収を見送った経緯もあるからだ。
HPはパソコンが売上高の3割を占めるが、市場シェアは中国のレノボにほぼ並ばれるなど、競争力は衰えている。
そこで活路を求めたのが多角化と、買収による規模拡大だが、08年に買収したITサービスのEDS社をはじめ、買収企業の業績はふるわない。
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