douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

住むということ

2005-03-21 | 
ル・コルビュジエの勇気ある住宅  安藤忠雄 新潮社

20世紀建築の巨匠ル・コルビュジエのどこが、なにが凄いかを
「住宅」を中心に安藤忠雄が語った本。

ル・コルビュジエ。名前は知っているのだけれど、
どんな人で、どのような建築を作った人なのかは知らなかった。

建築材料にコンクリートを使ったり、
壁に頼らない構造にして窓を大きくとったり、
とかいう手法は現在からしてみれば、見慣れてしまっていて、驚きは感じない。
それは当たり前で仕方の無い事なのだけど、
それでも、住んでみたいなあ、と思わせる魅力的な住宅だ。
とくに集合住宅であるユニテ・ダビタシオンは良いなあ。

安藤忠雄の仕事がル・コルビュジエにかなり影響を受けている、
という事が、よくわかって、そこもおもしろい。

建築というと公共施設などの大きな建築物を指す事が多いのだろうけど、
私にとっては個人住宅のイメージの方が強い。
初めに都市計画のようなものがあって、
整然と住宅が並べられたような新興住宅地にはちょっと息苦しさを感じる。
住宅が集まって、そこに自然発生的に出来ていく街の方が良い。
それはやっぱり人間の数だけ「住む」形があるからで、
一人の建築家が、その全てを網羅する事は出来ない。
じゃあ、建築家って何?
とか、そんなことをつらつらと考えた。

ル・コルビュジエは「住宅は住むための機械である」という言葉を残している。
安藤忠雄はこの「機械」という言葉を
「あくまで人間らしく”住まう”ための機能、もっともすぐれたムダのない空間」
を意味しているのではないか、と書いてある。
私はこの「機械」という言葉は「人間の機能を補うもの」という気がした。

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