douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

ムンク展

2008-02-12 | 美術
ムンク展 @兵庫県立美術館

混んでる…
こんなに混んでいる美術館って久しぶりだったので新鮮かも。

ノルウェーを代表する「叫び」で知られる作家ムンクの展覧会。
「叫び」が有名すぎて、孤独や不安に満ちた絵ばかりかと思ったけど、そうでもない。
やはり世紀末には共通する時代の雰囲気があったのか、
全体的に退廃的で不安感に満ちた絵が多いのだけれども、
後期になると明るい色彩のものや、力強い労働者の絵などもあった。
こうして生涯を通して見てみると、やはり時代的なものが多いに関係するのかな、と思うことしきり。

この展覧会では特に、ムンクの装飾性といった部分にスポットをあてているらしい。
いくつかの作品を組み合わせて展示することで、「生命のフリーズ」という連作を再現していた。
ただなんとなくピンとこなくて、あんまり成功しているようにも思えなかったんだけれど…
北欧は寒いから室内装飾に凝ると聞くが、あんまりこれらの絵と一日中向き合っていたい気はしないな。
まあ、それは個人的趣味ですが。

カリスマ

2008-02-12 | 映画
カリスマ 黒沢清監督 2000年 日本

「両方生き延びることは出来ないのでしょうか」
自らが生き延びるために毒を吐き出し続けるカリスマと呼ばれる一本の木。
カリスマを守れば森はやがては死んでしまう。
一本の木を守るのか、森全体を守るのか。あるがままとは何なのか。

一本の木を巡る人々の対立は、戦争のメタファーにも思える。
生きる力と殺す力は同じ。何かが生きようとすれば、何かが死ぬ。
そこに答えがあるのかどうか。
映画のポスターになっている会田誠の「紐育空爆之図(にゅうようくくうばくのず)」で
戦闘機は無限の形に隊列を組んでいる。争いに終わりがないとでも言うように。