goo blog サービス終了のお知らせ 

CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

マイヨ・ロホの行方(8)

2024-09-05 11:57:14 | ブエルタ・ア・エスパーニャ
 ブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージは、予想通り山岳賞を狙うUAEがジェイ・ヴァインがマルク・ソレル、イサーク・デルトロと共に逃げに乗ります。ただ、この逃げ集団にはワウト・ファンアールトも乗り、一つ目の1級山岳ミラドール・デル・フィト(距離7.1km/平均7.9%)をジェイ・ヴァインを抑えてトップ通過。あれっという感じでした。

 クライマーのジェイ・ヴァインを山岳の山頂で負かしてしまうワウトの強さは分かりましたが、ポイント賞ジャージを着ているワウトが山岳賞も狙う意味が分かりません。確かに今年のブエルタは平坦にカテゴライズされたステージがひとつだけでしたから、ある程度登れるスプリンターでなければ勝てないことは分かっていましたし、ここ迄、ステージ3勝を挙げているワウトがステージ優勝を狙う過程で山岳ポイントも積み重なっていたのだと思っていたら、本気で山岳賞も取りに来ているように見えたからでした。
 ポイント賞ではカーデン・グローブスとは大きな差があり、クイーンステージは終わり超級山岳が残っていないのなら、上手く逃げに乗れれば山岳ポイントと中間スプリントポイントを積み上げられると考えたのかもしれません。「二兎を追うものは一兎も得ず」という諺はベルギーにはないのでしょうか?
 普通に考えたら、山岳ポイントはジェイ・ヴァインに譲って、UAEの3人と一緒に逃げて最後の1級の手前にある中間スプリントを取ることを目的にしそうなものですが、ワウトは本気で山岳ポイントも取りに来たということは、自分がこのチームのエースだという自負だったのかもしれません。
 本来ならジロ・デ・イタリアへの出場を予定していたので、ログリッジが抜けたチームでエースとしての役割が与えられていても不思議ではないのですが、ジロも3月の落車で出場出来ず、その結果、ツールを走ることになったのですが、自分のスプリントのアシストをヴィンゲゴーがしなかったことに激怒したとも伝えられ、チーム不和を不安視する報道もあったのです。結果、ツールでは未勝利に終わってしまいます。
 ブエルタはディフェンディングチャンピオンのセップ・クスがエースでしたが、クスが早々に遅れてしまい、クスがアシストに徹することでステージ3勝にポイント賞と山岳賞まで手にしてしまったワウト。春先の落車以降、良いところが無かったのが嘘のような活躍でした。
 そんなワウトは2つ目の1級山岳コリャダ・リョメーナ(距離7.6km/平均9.3%)も先頭で通過し、ジェイ・ヴァインとの差を広げて行きました。途中から降り始めた雨が路面を濡らす中の下りで、左にオーバーランした3人が落車。その中にワウトとデルトロの姿がありうました。デルトロは走り出したものの、岩肌に右膝を強く打ち付けたワウトは一度は乗車したものの、ペダリングが出来ずにリタイヤになってしまいました。

 ポイント賞と山岳賞を手にしていた選手がリタイヤしてしまうのですから、今年のヴィスマは本当に厄年のようです。骨折は無かったようですが、裂傷が深く、今季はこのまま休養になってしまう可能性が高いようです。結果論になってしまうのですが、山岳賞迄狙いに行かなければ、ステージ勝利を重ねポイント賞を手に出来ていたはずです。落車は貰事故でしたが、そもそも山岳賞まで狙わなければあの位置で下るリスクは無かったはずと思ってしまいます。

 レースは超級山岳ラゴス・デ・コバドンガ(距離12.5km/平均6.9%)で一番キツそうだったソレルが残り4.5kmで飛びし、UAEの意地を見せるステージ優勝を飾りました。ツールではポガチャルのアシストとして働いたご褒美なのかもしれません。UAEはワウトのリタイヤで山岳賞ジャージもジェイ・ヴァインが手にすることになりました。
 後方では総合争いもあり、オコーナーが遅れ、ログリッジに対するリードは5秒になってしまいました。3位のエンリク・マスは1分25秒、4位のリチャル・カラパスは1分46秒と差を詰めています。オコーナーのマイヨ・ロホは風前の灯になってしまいました。この差なら最終日の個人TTで確実にログリッジが確実にマイヨ・ロホを手にすることになるでしょう。

 ログリッジはオコーナーではなくマスとカラパスを徹底マークするはずです。特にマスはアシストも残しているので要注意です。カラパスはアシストの力が劣るので、どこかで自ら動くはずです。ログリッジはその動きをしっかりと見定めながら動けば良いのです。ただ、ツールでも最後に落車でリタイヤしている選手なので、マスとカラパスはアタックし続けることが重要になるでしょう。
 第17ステージは総合上位勢には休養日になりました。雨の中で神経を削るレースでしたが、総合上位勢には脚を休めることのできた1日でした。ただ、気温が急激に下がった雨の中のレースで山岳賞ジャージのジェイ・ヴァインが大きく遅れていたのが気がかりです。UAEはアルメイダが大きく遅れた翌日にコロナでリタイヤになっているからです。
 




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヴィスマ・リースアバイク低... | トップ | ロードバイクの空気抵抗を考... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブエルタ・ア・エスパーニャ」カテゴリの最新記事