□作品オフィシャルサイト 「サクラサク」
□監督 田中光敏
□脚本 小松江里子
□原作 さだまさし
□キャスト 緒形直人、南 果歩、矢野聖人、美山加恋、藤 竜也、
NAOTO、津田寛治、嶋田久作、佐々木すみ江、大杉 漣
■鑑賞日 4月24日(木)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
正直に言おう。
これは身内に認知症患者が居ようが居まいが、全くもって感動も涙もない映画だ。
仕事人間で家庭を顧みない会社員の父親・俊介(緒形直人)、そんな夫に愛想を
尽かした母親(南 果歩)、フリーターの息子(矢野聖人)、そして勝手気ままな娘
(美山加恋)。 どこにでもありそうな絡み合わないギクシャク家族が、たまたま
同居する祖父(藤 竜也)の痴呆症をきっかけに、家族再生の旅を始める。
監督は『利休にたずねよ』の田中光敏。
まず祖父に痴呆の疑いが発覚した段階で、どうして病院に連れて行かないのか。
経験を持つ友人の話に何故耳を貸さなかったのか。 会社ではデキる人間で
あっても、家庭の中では柱になれない主人公。 同居しながら、義父が廊下で
ウ○コを垂れ流しても、何も処理しようとしない主人公の妻。 唯一、フリーターの
息子だけがオヤジの知らないところで一番祖父の世話をしていたのだ。 その
息子ですら、最初に祖父がオシッコをもらしたとき、リハパンを穿かせるまでの
機転が利くのであれば、いくら仲の悪いオヤジにだって、話ができるだろうに・・・。
ましてや母親がそのことに気付かないわけがない。
原作は未読でわからないが、家族再生の感動作に仕上げたかったのだろうが、
あまりにも甘い設定に辟易とした。 脚本が小松江里子だったが、この原作に
まず疑問を感じなかったのだろうか・・・。
随所に素人っぽい、浅いところで泳いでいるスタッフが作った駄作感は否めない。
チネのポイントでタダで観たからいいけれど、金返せ映画だった。
場内は高齢の方が多かったが、誰一人として泣いていなかった。
緒形直人、主役には向いていない。 藤 竜也がいたから映画として
成立していたようなものだったが・・・。
苦言ついでに言うと、老齢化が進み、どこのどんな家族にも、もしかしたら
同じようなことが振りかかるかもしれない。 実際に認知症患者を持つ家族が
この映画を観たら、腹の立つことばかりで、これからそういう体験をする人が
観たときに、もう少し実社会、実生活に近いところで描くべき(勉強すべき)で、
認知症・痴呆症をだしに使って感動させようなんて浅知恵を働かさないように、
作り手がもっと真摯に勉強すべきだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます