『あん』
□作品オフィシャルサイト 「あん」
□監督・脚本 河瀬直美
□原作 ドリアン助川
□キャスト 樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅、市原悦子、水野美紀、浅田美代子
■鑑賞日 6月20日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
あることがキッカケで刑務所暮しを経験し、どら焼き屋の雇われ店長として日々を
過ごしていた千太郎(永瀬正敏)。 ある日、店で働くことを懇願する老女、
徳江(樹木希林)が現れ、彼女が作る粒あんの美味しさが評判を呼んで店は繁盛していく。
しかし、徳江がかつてハンセン病を患っていたという噂が流れたことで客足が
遠のいてしまい、千太郎は徳江を辞めさせなければならなくなる。 おとなしく店を
去った徳江だったが、彼女のことが気にかかる千太郎は、徳江と心を通わせていた
近所の中学生・ワカナ(内田伽羅)とともに、徳江の足跡をたどる。
淡々として描かれるこの映画の背景に、痛烈な社会風刺が描かれる。
それはもしかしたら、戦争体験者の話にも近いぐらいのものなのかも。
時代背景が現代なら、ネットで拡散・炎上という事態を引き起こすことは間違いない。
病気(病気だけではないが)のことも良く理解しないで、まるで自分が見た来たように
言葉が独り歩きしてしまう現代に、このハンセン病のことを知る人がそのくらい
存在するのだろう。
“生きる”「ということに前向きな老人はたくさんいるのだから、今後老人ばかりになる
その社会生活の背景には、きっとこの映画のような、理解しないで物を言う人が、
生きる気力を削いでしまうような言動で、孤独な死を遂げてしまうことも出てくるだろう。
何かそういう社会に対して、問題提起をしているような映画だったと思う。
他人の生きる道を誰が塞いでしまっていいのだ・・・と。
当然のように樹木希林、ここのところの『駆込み女と駆出し男』といい、
『海街diary』といい、その力量を発揮し続けている。
孫の内田伽羅はご愛嬌だったのか、素人っぽい素人狙いだったのか(笑)
>ただ周囲の噂を鵜呑みにして遠ざかってしまう世間の風評の怖さ。
ですよねぇ・・・。
>情報の真偽を良く知らず取り敢えずツイートって感じで取り上げる情報が無きにしも非ずなので、どこか身につまされるとこもありました。
僕はツイッターはやってないですが、
それでもリアルタイムの情報に踊らされることがありますよ(汗)
>でも樹木希林さんは本当に素晴らしかったですね。久しぶりに主演作を見ましたから、その自然体な演技などに改めて凄いとも思ってしまいました。
最近の彼女は“攻め”に入っていますね^^
ハンセン病について良く知らず、ただ周囲の噂を鵜呑みにして遠ざかってしまう世間の風評の怖さ。ツイッターをやっていますが、自分もその情報の真偽を良く知らず取り敢えずツイートって感じで取り上げる情報が無きにしも非ずなので、どこか身につまされるとこもありました。
でも樹木希林さんは本当に素晴らしかったですね。久しぶりに主演作を見ましたから、その自然体な演技などに改めて凄いとも思ってしまいました。