『駆込み女と駆出し男』

□作品オフィシャルサイト　「駆込み女と駆出し男」
□監督・脚本　原田眞人
□原案　井上ひさし（「東慶寺花だより」）
□キャスト　大泉 洋、戸田恵梨香、満島ひかり、内山理名、陽月 華、樹木希林、
　　　　　　　堤 真一、山崎 努、キムラ緑子、武田真治、麿 赤兒、中村嘉葎雄

■鑑賞日　５月１６日（土）
■劇場　チネチッタ
■cyazの満足度　★★★★（５★満点、☆は０．５）

＜感想＞

　江戸時代の鎌倉。　幕府公認の駆込み寺・東慶寺には離縁を求める女たちが
　やってくるが、寺に駆け込む前に、御用宿・柏屋で聞き取り調査が行われる。
　柏屋の居候で戯作者に憧れる駆出しの医者でもある信次郎（大泉 洋）は、
　柏屋の主・源兵衛（樹木希林）とともに、ワケあり女たちの人生の新たな
　出発を手助けすることに。

　予告編を見ている限り、また大泉 洋のドタバタかと思いきや、
　史実の真意は別にして、非常に上手く、コンパクトに仕上げた
　“人情映画”だった
　妻が夫に三行半を突き付ける現代（笑）、唯一、当時に別れたい女性が
　出来得る究極の離縁手段だったのだろう。
　その情景を、静かである意味ストーリーテラー的位置付けの樹木希林、
　そして、戸田恵梨香、満島ひかり、内山理名が演じる駆込み成就人を
　中心に、当時の置かれた状況や裏の事情を掘り起こしていく。
　そこに大泉 洋演じる信次郎が適度に事態を撹拌する（笑）
　こういうことを言っては何なのですが、原田監督にしては珍しく
　ストレートでわかり易い内容になっていてビックリ。

　特筆すべきは、線の細い戸田恵梨香（じょご役）の好演。
　もちろん、満島ひかりも上手かったがこのお吟役はテッパン。
　そして、あまり知らなかった法秀尼役を演じた陽月 華。　恐らくヅカ出身
　だろうなと思い、後で調べて見るとやっぱりそう。
　この役、重要な役回りだと感じていたが、よく演じていたと思う
　そうそう、武田真治はこういう役、ピッタシカンカンになって来たなぁ（笑）
　残念なことに、東慶寺自体での撮影シーンは少なかったように感じたことと、
　中村嘉葎雄を使うなら、もっと登場シーンを多くしてほしかったなぁ・・・。

　　ま、この当時から協議離婚の調停役みたいなことが行われていた
　　ことは、ある意味現代に通じる部分もあるのかな（笑）