goo blog サービス終了のお知らせ 

京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『天国は待ってくれる』

2007-02-23 | 邦画

“聖なる三角形”は“永遠の三角形”
あの頃、僕らは永遠だと思ってた。

 



■監督 土岐善將
■原作・脚本 岡田惠和
■キャスト 井ノ原快彦、岡本綾、清木場俊介、蟹江敬三、いしだあゆみ、戸田恵梨香、石黒賢

□オフィシャルサイト  『
天国は待ってくれる

 築地に住む宏樹、武志、薫の3人は、幼い頃からまるで兄弟のように育った。3人は、「聖なる三角形」を描いて、一生の友情を誓った。誓いの通り3人の友情は大人になっても変わらなかった。ある日、武志は宏樹の前で薫にプロポーズをした。 薫は戸惑うが、武志と結婚する事を決める。しかし、婚約パーティーの日、武志は交通事故に遭い、そのまま意識不明となる。 6年後、宏樹は、初めて薫に思いを告げ、結婚の約束をするが…。


 おススメ度 ⇒★★☆ (5★満点、☆は0.5)
 cyazの満足度⇒★★★


 幼い頃からの仲の良い3人。 女一人、男二人のトライアングルは男二人が大人になって抑えきれない気持ちを告白したとき、冒頭のコピーは、“聖なる三角形”は“永遠の三角形”、内角の和は永遠に代わらないだろうが、幼い頃の正三角形は不等辺三角形に変わってしまう。

 “友情”という名でそれぞれの心に“恋”への移行を封印してしまう。 自分たち自身が長年にわたって一線を引き、それを互いが越えないように生きて来た。 しかしそれぞれの想いは成長するにつれて反比例していく。
 
 こういうシチュエーションのドラマは過去にもいくつかあったように思う。 オーバーな話でなくTVサイズの作りのほうが、より決め細やかに微妙な3人3様の微妙な心の揺れと葛藤を描いて見せられたのではないだろうか。 無理して映画にするよりは。

 TV業界では知らない人はいない脚本家の岡田惠和が、初めて書き下ろした同名の小説を自らの手で脚本を書き、映画化したのがこの作品だが、何故自身がメガホンを撮らなかったのだろうか。 そのほうがよりこの物語を繊細に描けたのではないかと思う。

 監督の土岐善將は映画初監督だという。 キャリアを見ると助監督として野村芳太郎、すずきじゅんいち、馬場康夫、大林宣彦、新藤兼人等力量ある監督について映画を作り上げてきたように思う。 そのキャリアが活かせたかどうかはやや疑問である。

 原作が、せっかく舞台を築地に設定してあるのにも拘わらず、実際なかなか許されない築地市場の中の撮影や、銀座の鳩居堂(日本一の地価)など銀座周辺の面白いロケ・スポットがあるにも拘わらず、もっとボリュームにある映像が撮れたのではないか。

 それにしても、大人に成った3人の顔が、子供の頃から想像できない顔になっていて、決してこうはならないだろうと子役選択も問題がある。 唯一、薫役の笑顔には共通点はあったような気がするが・・・。 少なくても優しさという面では合ってたと思うが、いのっちや清木場はあれら少年が成長しても全く違うだろう(笑)

 原作は未読なのでわからないが、せっかく武志役に元EXILEの清木場俊介を使うのなら、主題歌だけでなく役回りに築地で働くものの、プロのシンガーへの夢が忘れられないというような設定を書き加えたも良かったのではないだろうか。 そのほうが厚みがでたのではないかと思うのだが・・・。

 ちなみに薫の岡本綾は自然な演技でいい。 個人的好みも入っているかもしれないが、まだ若いのに(悪く言うとやや老けている) 落ち着いたその演技が嫌味でない。 二人の幼馴染の間を揺れ動く様を上手に演じていた。

 3人は幼なじみの感じを出そうと、撮影前に何度か3人で食事をし、互いに言いたいことを言える雰囲気を作ったそうだ。

 武志の意識が戻らぬまま3年が過ぎる場面で、井ノ原の歌う「春を待とう」が流れる。 この歌は自身が作詞作曲をしたそうだ。 本人曰く、「武志が目覚めることを信じて歌詞を作った。 映画の流れを邪魔しないように、でも単なるBGMでなく、観客の心に残る曲をと考えた」ということだ。 V6としてのグループでなく一人で歌うのは初めてなのかなぁ(笑)

 物語は決してハッピーエンドではないものの、結局トライアングルは武志の死で、薫が本当は好きだった宏樹と結ばれる。 少しの年月が経って後、隅田川沿いを二人が子供と一緒に散歩するシーンで僕は自分で勝手にオチをつけた。 薫と宏樹の間に出来た男の子の名前が「武志」だと。

 

     優しくて 切なくて はかなくて・・・
       晴れた空に 星を降らす
         想い出は まだ僕等から消えはしない
                   (「天国は待ってくれる」 作詞:清木場俊介)

 

 


コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『どろろ』 | トップ | 『ドリームガールズ』 »
最新の画像もっと見る

10 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
三角形 (chikat)
2007-02-23 23:25:07
こんばんは
3人は3角形で職場も三角形って言ってましたよね。
築地の市場と新聞社と鳩居堂って三角形よりほぼ直線じゃない?
って突っ込みたくなりました。
みんな晴海通りで,新聞社が頂点?
土地勘がある人しかわからないから?
なんてね!
返信する
ほぼ~ (cyaz)
2007-02-24 00:55:19
chikatさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>3人は3角形で職場も三角形って言ってましたよね。築地の市場と新聞社と鳩居堂って三角形よりほぼ直線じゃない? って突っ込みたくなりました。
えっと築地のどこなのかが明確ではありませんでしたが、地図上では意外と三角形になります。無理矢理正三角形にしようと思えばできなくはないですね(笑)

>みんな晴海通りで,新聞社が頂点?土地勘がある人しかわからないから?
朝日新聞社と鳩居堂は位置が明確ですから、あとは築地のどこかですが、直線ではないですよ^^
返信する
こんにちわ。 (michi)
2007-02-24 09:40:42
TBありがとうございます。

この映画を完成披露試写で観たんですが、映画がどうのというよりも、
清木場ファンの熱気に圧倒されました。
薫の子供時代を演じた子役も登壇したんですが、清木場が壇上で手を繋いだんですよ。
「やめてー、手繋がないでーー」と騒いでいて熱烈なファンがいたりして。

上映中、亡くなるシーンでは「やだーーー!」と号泣、
他の試写にはない臨場感?が、ちょっと面白かったです。
まさにライブ状態でした 笑!
返信する
なるほど~ (cyaz)
2007-02-24 10:59:40
michiさん、コメントありがとうございますm(__)m

>この映画を完成披露試写で観たんですが、映画がどうのというよりも、清木場ファンの熱気に圧倒されました。
なるほど^^

>上映中、亡くなるシーンでは「やだーーー!」と号泣、他の試写にはない臨場感?が、ちょっと面白かったです。まさにライブ状態でした 笑!
それは凄いですね^^
僕は『ドリームガールズ』で立ち上がりそうになりました(汗)
返信する
こんにちは! (猫姫少佐現品限り)
2007-02-26 17:15:25
子供の名前、良いですねぇ。
返信する
でしょ~ (cyaz)
2007-02-26 17:40:54
猫姫さん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>子供の名前、良いですねぇ。
賛同、ありがとうございます^^
返信する
オリラジのあっちゃん・・(笑) (Ageha)
2007-03-01 10:46:34
に、微妙に似てませんでした?
清木場くんのヒゲヅラ。(ノ*゜▽゜)ノ(ノ*゜▽゜)ノ(ノ*゜▽゜)ノ

コホン。

そっかそういうオチもありか・・・。

こういうのって「タッチ」もそうだけど
好きだけどどっちかいうとこっち・・・はつらく、
またそれがそういう形で欠けるのってな~・・。

立場上イノッチはかなり抑えた演技を要求されたのか
かわいそうなくらい地味でした。
ジャニーズとは思えないくらい(アハハ)

逆に清木場くんは築地のあんちゃんが似合いすぎ。(笑)
返信する
カッコイイ?~ (cyaz)
2007-03-01 12:30:23
Agehaさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>そっかそういうオチもありか・・・。
ありあり(笑)

>立場上イノッチはかなり抑えた演技を要求されたのかかわいそうなくらい地味でした。ジャニーズとは思えないくらい(アハハ)
もともとジャニーズとは思えないって(笑)

>逆に清木場くんは築地のあんちゃんが似合いすぎ。
って、歌わせてやれって(おいおいっ)
返信する
こちらにも♪ (miyukichi)
2007-08-17 00:10:34
 TBどうもありがとうございました。

 子役の顔との違いすぎぶり、
 やっぱりつっこみたくなりますよねぇー。
 いくらなんでもあれは・・・^^;;

 私もTVのほうがよかった気がしました。
 なんだか薄っぺらくて残念でした。。
返信する
違い~ (cyaz)
2007-08-17 08:37:37
miyukichiさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>子役の顔との違いすぎぶり、 やっぱりつっこみたくなりますよねぇー。 いくらなんでもあれは・・・^^;;
ですよね(笑)? 子役は今いっぱいいると思うのですが^^
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

邦画」カテゴリの最新記事