京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『ただ、君を愛してる』

2006-11-11 | 邦画

生涯ただ一度のキス ただ一度の恋
恋をすると、死んでしまう・・・。

 



■監督 新城毅彦
■脚本 坂東賢治
■原作 市川拓司(「恋愛寫眞 もうひとつの物語」小学館刊)
■キャスト 玉木宏、宮崎あおい、黒木メイサ、小出恵介

□オフィシャルサイト  『ただ、君を愛してる

 クリスマスで賑わうニューヨーク。 1通の手紙を手にニューヨークにたたずむ誠人(玉木宏)。 ニューヨークから来た静流(宮崎あおい)の手紙。 何も言わずに自分の前から姿を消してしまった静流に会う為、誠人はニューヨークへとやってきたのだった。 6年前…大学の入学式の日、誠人は幼い容姿の個性的な女の子、静流と出会う。 写真が趣味の誠人は不思議な行動の彼女に思わずシャッターを切る。 実はこの瞬間、静流が誠人に恋をしてしまった。 大学入学から時が経つも、カメラを通じて自然と二人は打ち解けていく。 しかし、誠人はクラスの人気者で、誰からも好かれる女性、みゆき(黒木メイサ)へ片思いしていた。 

 
 おススメ度 ⇒★★★☆ (5★満点、☆は0.5)
 cyazの満足度⇒★★★★


 今まで観た宮崎あおいちゃんの映画の中では最も好きな作品です。
実はこの映画、『手紙』を観たすぐあとに続けて観た作品です。 『手紙』で涙も枯れたかなぁと思ったけど、最後はそれでも涙が出ました。 同じ日に『手紙』を観ていなければ、かなり高得点の作品でした。

 原作は市川拓司。 もちろん、現在お騒がせの悪ガキ中村獅童と竹内結子がこの作品をキッカケに結ばれた『
いま、会いにゆきます』の原作者である。
 そして本作も2003年公開された、『恋愛寫眞 Collage of Our life』のアナザーストーリーだ。 松田龍平&広末涼子で撮られた、『恋愛寫眞』は僕の“
2003年ベストシネマ15”で15位にランクした映画でもあった。

 こんな素朴な初恋の形は劇的な静流の死とともに実らぬ恋でピリオドを打つ。 それは成長してはならない少女の域を抜けない一人の女性が初めて“恋”に落ちた瞬間であり、命と引き換えに選んだ人生を賭けた“恋”でもあった。

 誠人がみゆきに心を奪われていることを知りつつも、誠人に付かず離れずで微妙な距離を保ちつつも、「好きな人の好きな人を好きになる」と。 誠人の好きな写真を取り始めることもその一片からかも。

 淡い想いが静かに灰汁の無い三角関係の中で、自立できない理由を抱えつつ、少しずつ自分の人生のベクトルを誠人に向けるを静流のピュアな気持ちが心に痛い。 何もこだわりを持たないようで人一倍のナイーヴでピュアな心で、そして快い距離感で誠人とへの想いを育ててゆく。

 『いま、会いにゆきます』でも美しい自然の中の描写があったが、この映画でも二人しか知らない秘密の場所があった。 その場所で写真展に出す写真を撮るために、二人はその写真のモデル(被写体)となり、初めてキスを交わす。
 その瞬間の直前に静流はそれまでかけていた眼鏡をはずす。 振り返った瞬間の静流の表情は映画の中だとは言え、宮崎あおいの最高に可愛い瞬間だった。

 成就できない恋も、自分が女性として自立し、NYで個展を開くことで、その写真群を誠人に見せることで、おそらく裸の自分と、誠人への恋から命がけ愛の表現だったかもしれない。 それは不器用な静流の成長した愛の証であったに違いない。

 監督の新城毅彦さんについてはあんまり印象が無かったのだが、調べてみると、結構TVの演出・監督等で活躍している方だったんですね。 古くは「あすなろ白書」、最近では「天使の梯子」など。

    「
新城毅彦のプロフィール

 脚本家の坂東賢治さんは、あの『タイヨウのうた』の原作者(+脚本)だったんですねぇ。 二人が組んだからこんなピュアな作品ができたんですね。

 観終わったあとの余韻は、上手く表現できないが、久しぶりに感じた優しい温かいものだった。

 宮崎あおいは自然体の演技がいい。 玉木宏も俳優としては確実に上手くなっている。 誠人の映画の中でのあの痒さは何なのか、気になっていたのだが、『手紙』の原作を買いに書店に寄ったときにそれとなく原作を読んでみたが、単に父親譲りの遺伝的皮膚炎としか書かれてなかった。


 余談だが、今まで映画はシネチッタで観ることが多かった。 しかしラゾーナ川崎がオープンして以来、
109CINEMASで観ることが多くなった。 ここは5日前から予約が出来ること、ポイントカードをもっていればエグゼクティブ・シートで観れることがあげられる。

 この日もこの作品と『手紙』を共にエグゼクティブシートで観た。 片や旬の若手女優沢尻エリカ・宮崎あおい、片や山田孝之と玉山鉄二、玉木宏。 思えば両玉に泣かされた一日でした。

 この日の2本の映画はその背景からなのか、ストーリーの中で殆ど携帯電話やメールというシーンがなかった。 ある意味どちらもアナログ的要素が、より安心してみていられる、そして心を伝える愛情の深さを感じずにはいられなかった。 そういえば最近手紙を書いていないなぁ・・・。


 宮崎あおいちゃん、来年は大河ドラマに主演も決まったようで、これから益々の女優としての活躍の場を広げるようだ 

 2008年1月スタートのNHK大河ドラマ「篤姫(あつひめ)」の主演を務めることになり、これは2005年の「義経」の主演・滝沢秀明より8ヵ月若い大河史上最年少だそうです。 さらに単独でNHKで朝ドラと大河の主役を務めるのも史上初ということ。
 主人公の篤姫は、幕末のファーストレディー。 薩摩・島津家の分家に生まれながら、江戸幕府第13代将軍・徳川家定(いえさだ)の正室となった。 わずか23歳で未亡人となったが、その後の将軍の後継問題、故郷・薩摩を中心とした倒幕の動きといった幕末の動乱の中で、大奥を預かる総帥として、江戸城の無血開城に大きな役割を果たした人物。 幕末期を舞台とした大河で女性が主人公となるのも初めてだ。
 宮崎あおいは篤姫の10代前半から30代中盤までを演じる。




 映画のラストシーンで登場した、NYで行われた里中静流の個展を再現した写真展がいま池袋パルコで開催されているようです。 時間があれば行きたいなぁ

   「
里中静流写真展
   ・池袋パルコ 7F・スペース7
   ・期間: 11月2日(木)~11月19日(日) 




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42 コメント

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映画ならではの・・・。 (Ageha)
2006-11-11 18:18:04
静流が本から抜け出してきたと思うくらい
宮崎あおいちゃんはイメージ通りでした。
あと二人だけの秘密の場所がやたらイイ感じだったし。
ああいう森に行ってみたいです。
(パンフレットには奥日光って書いてましたけど
今行ってもグリーンじゃなくって真っ赤かな。
それもまたよろし?)

ありえない設定でもって、
涙よりも「ファンタジーにどっぷりつかれる映画」でした。
原作でもったイメージをさらに美化したような
映像ははにゃ~ん♪

・・でもありえない設定の分
Rainbow Songに軍配あがっちゃったかな・・・。
(わわわ)
返信する
へそ曲がりか^^; (にゃんこ)
2006-11-12 00:26:16
とっても素直にストレートに、直球で入ってくるんだろうなぁ~と思いつつ
”今あい”が重なってしまってことと、『虹の女神』のほうが
好みに合ってるとこがあって、猫の中ではちょっと評価低めになって
しまっています。。。
あくまで、好みなのよーー(笑)
はじめてメガネをはずした、あおいちゃんの表情は
確かに最高!だったんですけどねーー
返信する
恋愛モノは、やっぱり苦手 (あかん隊)
2006-11-12 01:04:57
こんばんは。TBありがとうございます。
綺麗なシーンとすてきな写真をみることができて、よかったと思います。死んじゃうのには、困ったけど、ほんわかしたものを受け取れたかもしれません。こういう映画を観るたびに、ますます「もう、若くないんだなぁ」と実感してしまいます。(^^;) 写真展、やっているんですね。そうか…。
返信する
TBありがとうございました! (こーいち)
2006-11-12 01:35:36
こんばんは。
アンディの日記シネマ版のこーいちです。
TBができない&URL付のコメントはできないので
URLなしでコメントさせて頂きましたm(_ _)m

僕は「虹の女神」と同時に観て、おしくも満点を逃しました(笑)
でもほんとに素敵な作品でしたよね。
切ないんだけど優しい気持ちになれましたw
脚本は「タイヨウのうた」の原作の方だったんですね!!
「タイヨウのうた」も大好きだったので納得です。
写真展羨ましい~。こういう時地方だと悲しくなります(涙)。
返信する
ファンタジー~ (cyaz)
2006-11-12 10:43:54
Agehaさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>宮崎あおいちゃんはイメージ通りでした。
原作は読んでないけど、この主人公静流にはピッタシでしたね!

>奥日光って書いてましたけど 今行ってもグリーンじゃなくって真っ赤かな。それもまたよろし?
そうなんですか~ 行ってみたいですね^^
紅葉もいいでしょうね~♪

>涙よりも「ファンタジーにどっぷりつかれる映画」でした。
まさにファンタジーですね!

>Rainbow Songに軍配あがっちゃったかな・・・。
・・・。
返信する
フォーリン・ラブ~ (cyaz)
2006-11-12 10:46:58
にゃんこさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>”今あい”が重なってしまってことと、『虹の女神』のほうが好みに合ってるとこがあって、猫の中ではちょっと評価低めになってしまっています。。。
なるほど^^
『虹の女神』は観ましたがまだアップしてません><
二つで比較すると僕の好みはこの映画ですね^^
ま、十人十色なので(笑)

>はじめてメガネをはずした、あおいちゃんの表情は
確かに最高!だったんですけどねーー
そうですよね^^ あの瞬間、“恋”に落ちちゃいました(笑)
返信する
これから~ (cyaz)
2006-11-12 10:48:45
あかん隊さん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>綺麗なシーンとすてきな写真をみることができて、よかったと思います。死んじゃうのには、困ったけど、ほんわかしたものを受け取れたかもしれません。
そうでしたね^^ 写真展、行かれますか(笑)?

>こういう映画を観るたびに、ますます「もう、若くないんだなぁ」と実感してしまいます。(^^;)
いやいやこれからですよ、花咲かせるのは^^
返信する
ですね~ (cyaz)
2006-11-12 10:51:24
こーいちさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>TBができない&URL付のコメントはできないので
URLなしでコメントさせて頂きましたm(_ _)m
すみませんm(__)m お手数おかけします。

>僕は「虹の女神」と同時に観て、おしくも満点を逃しました(笑) でもほんとに素敵な作品でしたよね。
そうでしたね^^ 僕も『虹の女神』は観ました!ヒロインは旬なあおいちゃんと樹里ちゃんでしたね^^

>脚本は「タイヨウのうた」の原作の方だったんですね!!「タイヨウのうた」も大好きだったので納得です。
そうですね^^ 原作プラスやはり脚本ですよね!
返信する
今年イチオシです^^ (サトウノリコ)
2006-11-13 01:35:14
TBありがとうございました^^
この作品は本当に素敵でした。私の今年のベスト1です^^
写真にはすごい力があるなと思いました。この作品の中で使われている写真は宮崎さんや玉木さんがご自身で撮っている写真も数多くあるみたいで、”あったかいなあ”って思える写真も多かったですよね。
内容もスゴク悲しい物語なんだけど、終わり方として、見せ方として、何だか優しい気持ちになれるというのがまた好きな所です。
そこはさすが新城監督なんだろうなあと思いました。
とにかく”恋をした静流”の写真を観た時、鳥肌が立ちました^^;見事でしたね!
というわけで、こちらもTBさせて頂きます!
返信する
感受性~ (cyaz)
2006-11-13 12:30:21
サトウノリコさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>私の今年のベスト1です^^
ほう、それはすごいですね^^

>この作品の中で使われている写真は宮崎さんや玉木さんがご自身で撮っている写真も数多くあるみたいで、”あったかいなあ”って思える写真も多かったですよね。
実際に写真展に行ってきましたが、映画と同様感動しました。二人の衣装などもあって^^

>そこはさすが新城監督なんだろうなあと思いました。とにかく”恋をした静流”の写真を観た時、鳥肌が立ちました^^;見事でしたね!
自分自身を被写体にしてシャッターを自ら押すタイミングは難しいと考えます。 あおいちゃんは感受性が鋭いと思いました。
返信する

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