京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『村の写真集』

2005-05-04 | 邦画

 父が世界で一番愛したもの。

■監督・脚本 三原光尋
■写真監修 立木義浩(写真集「里山の肖像」刊行)
■音楽 小椋 佳
■キャスト 藤 竜也、海東 健、宮地真緒、甲本雅裕、
      大杉 漣、桜むつ子、ペース・ウー、原田知世
 
おススメ度 ⇒★★★★(5★満点、☆は0.5)
cyazの満足度⇒★★★★☆

素晴らしい映画です。 何か自分の心が洗われていくような、そんな涙を流しました。
こんな素朴でかつ懐かしさと愛おしさを感じる映画は最近なかったと思います。
失われていく風景、そこに住む人々、父と息子、父と娘。 当たり前の現実を受け入れられず、
現実を受け入れられたときにわかる真のふるさと。 
目先のCGにおぼれている映画とは一線を画し、古きよき時代の映画を自然なままに、
役者の力量を信じて作り上げられたまさに秀作だと思います。

寡黙で不器用な父親役の藤竜也。 個性派俳優である彼の独特の個性が、この頑固な父親役には
ピッタリはまっています。 田舎で写真館を営む彼が、何故村の写真集を撮ることを決め、
また助手に彼の息子を選んだのか。 それは静かに謎を解かれていきます。
余談になりますが、彼の昔の映画作品であのセンセイショナルな話題を巻き起こした
阿部定事件をテーマに描いた大島渚監督の『愛のコリーダ』(1976年)。 
これは数え切れない検閲を受けた当時としてはかなりきわどいしかも社会問題を呼び起こした
映画でもあった。 数年前に日本で再上映されたが、その際幸運にもノーカットの映像を
マスコミ試写会で観たことがある。 そしてその後公開版を観たが、今でこそ言えるのかも
しれないが、ボカシがかけてあるほど不自然でいやらしい印象を受けた。
史実に忠実に描いたとすれば男と女の伊営みにノカシをかけるほどナンセンスなことはないと思いました。 まR―18は仕方が無いとして。 この映画を未修正で観れた数少ない人間としては幸せだったと思います。

人生の終焉を、この写真集にかけた父と、その背中を見ながら父との距離を締めていく息子との
親子愛を、見事に描いてみせています。 何も変わらない自然と、村人たちの温かさに触れ、
忘れかけていた郷愁を思い出す。 それは消し去れない子供の頃の思い出であり、自分が
遊びまわった山や川であり、でも気付いた時にはそれらが消え去ってしまう。
そんな現実と向き合いながら、確執ある父との関係を修復しつつ、家族とは何かを的確に捉えていく。

映画で重要な脇役にも宮地真緒、甲本雅裕、大杉 漣、桜むつ子、ペース・ウー、原田知世という
ところが固めています。
特にこの映画で重要なのは大杉 漣と桜むつ子ですね。 桜むつ子さんは本当に古き良き時代の
田舎のおばあちゃんという感じで、実際僕のおばあちゃん(もう90歳を越えていますが)を
思い出しました。
それと、原田知世さんは結婚されましたね! 実は5・6年前に彼女を目の前で見る機会がありました。
幸い多くの役者さんを見る機会があったのですが、彼女はどの女優さんのなかでも透明感のある
本当の意味で女優というオーラを感じる人でした。 おめでとうございました。 
 
最後にパンフレットの正面に書かれていた文言を書いておきます。 
全てを要約した言葉だと思いましたので。 

 『村の写真集』
 
 山間に消えゆく村を 写真に残すために、人々を訪ね歩く寡黙な父と、反発する息子。
 2人きりで山を分け入り、 父の仕事する姿を見つめ直した息子の心に、
 水がしみ込むように 次第に変化が生じる。
 日本の自然と、村の人々の温かさを背景に、父と子そして家族の絆を
 改めて感じさせる、映像抒情詩―。


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31 コメント

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HPのありか (あかん隊)
2005-05-04 03:19:40
どうもです。えーと、この映画、観ることに決めました。上映期間も27日までらしいので、なんとか行けると思います。気になって、気になって…、どうしようもなくなってしまいました。(笑)GW中は、実は仕事が忙しくて(締切6日とか)、それをぬうようにして近隣のシネコンで頑張っているところです。なので、恵比寿攻略は、連休明け、納品が済んだら行きます!(情報を、本当にありがとうございます。とても嬉しい!)

で、公式HPのリンクがちょっと変だったので、探しておきました。よかったら、使ってください。

http://www.murasha.com/
返信する
ありがとうございます~ (cyaz)
2005-05-04 08:55:38
あかん隊さん、コメントありがとうございますm(_ _)m



とにかく感動をした作品への思い入れは強いものですから

読み返してみると、伝えたいことが半分も伝えられていないことに

まだまだ未熟だなぁと感じます。



ただこんなヘタなレビューでも、騙されて観てみようかなって

思って戴ければ嬉しく思います。

仕事はお忙しいでしょうが、たまには恵比寿界隈の空気も吸ってみて下さい(笑)



公式HPのご指摘、ありがとうございましたm(_ _)m

早速、修正しておきました^^
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観に行くぞ~!!!! (fire1000)
2005-05-04 20:48:13
cyazさんのレビューでこの作品を知りました。

写真好きな私としては何が何でも

観ておきたい作品だと確信しました!

旅費を懸けても観たいです。

それにこの作品の監修が私の好きな写真家

立木義浩さんです!

秀作なのでDVD発売されるかも知れませんが

待てません!

知ってしまったからには....。

恵比寿ガーデンプレイスは昨年行った事があります

場所の知識はOK!今月27まで上映ですね。

観に行けるのは10日以上先になりそうです..

cyazさん情報ありがとう(@^^@)
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Unknown (詩夜)
2005-05-05 06:14:29
トラバありがとうございます。

桜さん良かったですよねー。

てっきり地元のおばあちゃんかと思いました(笑)。
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私も見ました! (キラキラ)
2005-05-05 10:54:03
TB、ありがとうございました。

私も先日見て、すご~く良かったと思います。

cyazさんの熱いレビューを読んで、これだけでも感激できます。

派手さがない分、目立たない作品ですが、多くの方に見てもらいたいなと思える映画です。

返信する
私も見ました (snow)
2005-05-05 11:48:05
TBありがとうございます。

恵比寿をぷらついてい偶然映画を見たのですけど、

すごい感動しました。

多く人に観てもらいたいですね。

返信する
今日も映画ネタです。 (sdsd1212)
2005-05-05 16:22:26
TBありがとうございました。5日僕のブログは高岡早紀さん映画ですまたよろしお願いします
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是非に~ (cyaz)
2005-05-05 17:12:08
fire1000さん、コメントありがとうございますm(_ _)m



恵比寿の東京都写真美術館へ行かれるのでしたら、別に現在コレクション展として、

「写真はものの見方をどのように変えてきたか」の1.誕生を催うしています。

合わせて御覧になると良いと思います。

御覧になられたら、感想を聞かせて下さいね^^
返信する
おはつです~ (cyaz)
2005-05-05 17:47:11
詩夜さん、TB&コメントありがとうございますm(_ _)m



桜さん、本当にいい味だったですねぇ^^

ナチュラルな演技に感心しました!
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良かった~ (cyaz)
2005-05-05 17:57:08
キラキラさん、TB&コメントありがとうございますm(_ _)m





素晴らしい映画だと思います。

忘れかけていたものを、主人公の孝だけでなく、

観ている僕にも気付かされたようなそんな気がしました^^
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