先日、マッスル北村さんが亡くなったと報道されていた。
マッスル北村を初めて知ったのは、確か少年漫画雑誌ボンボンかコロコロコミックのどちらかのドッチボール企画でドッチボールマンという凄くドッチボールが強いヒーロー役で活躍していたので、そこで知ったのが初めてだったと思う。
僕は当時ドッチボールが大嫌いだったので「こんな人もいるのか。」と思っていた。
あの当時からマッスル北村は筋肉が溢れるような肉体をしていたと記憶している。
時は過ぎ僕は高校3年の後半から、海外のステロイドを使ったボディビル世界一の大会に出ているような選手を雑誌上で追いかけていた。
日本人はほとんど世界一の大会に出られないか、出ても順位は下位だった。
世界一の大会に出るにはその下のいくつかの世界大会でいい順位を取らないと切符はつかめなかった。
マッスル北村は筋肉量で外国勢に引けを取らなかった。
この時点で日本人DNAを持っているであろう日本系日本人のマッスル北村は凄過ぎるのだ。
ただ、骨のバランス的に欧米人よりも不利なのだ。
数年前の話だが、ボディビル世界一の大会で何連覇もした白人系イギリス人のドリアン・イエーツ。
そして万年2位の黒人系アメリカ人のショーン・レイ。
この2人の順位はなぜ付くかといえば、ボディビル世界一の大会に出場した数多くの選手たちの中でナンバー1に良かったのとナンバー2に良かったからだ。
そして、ドリアン・イエーツがショーン・レイよりもボディビルにおいて優れているからである。
が、僕はそうとも言えないと思っている。
僕はドリアン・イエーツ信者だけれど、ボディビルを正確に見つめてきて感じることがある。
それは、万年2位の選手が1位なのでは?と思うのだ。
ボディビルの大会では『筋肉の量』『筋肉のバランス』『脂肪の少なさ』で大まかに順位が決められる。
他には、ポージングの上手さや血管の浮き出ている感じや手足や胴の骨の長さのバランスでも評価が加味される。
それらを全部当てはめて評価すれば、ショーン・レイがドリアン・イエーツに勝ってしまうと感じている。
でも、100%ショーン・レイはドリアン・イエーツに勝てていない。
それは、ショーン・レイの身長が170センチ弱位でドリアン・イエーツの身長が180センチ位で身長的にドリアン・イエーツの方が大きく見栄えがいいという理由もあるかもしれないが、僕は、ドリアン・イエーツの“1部位だけ物凄く強い”というのがあるからだと思う。
さっき、“バランスが取れているのが評価される”と言ったが、例えば全身を10か所の筋肉だけで構成されているとして、9か所強い部位がある選手と、全身を10として1か所強い部位がある選手を比較すると、前者は「弱点が1か所ある」と評価され、後者は「ストロングポイントが1か所ある」と評価される。
弱点がある選手はトップ争いはできない。
「ストロングポイントが1か所ある」選手は「全身満遍なく弱点が無い」選手よりも評価される傾向にあるのだ。
ドリアン・イエーツのストロングポイントは背中である。そして背中でも僧帽筋がどの選手よりも凄まじい。
だから、弱点が無く僧帽筋が凄まじいドリアン・イエーツが世界一の大会を連覇するのだ。
ただ、僕が個人的なミスターボディビルを決めるとするならば、ショーン・レイになってしまうだろう。
ここからマッスル北村の体を読み解くと、胴体と足のバランスが欧米人と違う。
日本人の体というのは手と足の長さが欧米人よりもというか白人よりも短い、そして白人よりも胴が長い。
更に白人よりも黒人は手足が長く、胴が短い。
黒人は胴が短すぎて手足が長すぎてふくらはぎが細い傾向にあるのでボディビルで不利になることもある。
そのような体系の違いがあるので、日本人はそもそも海外でのモデル業やボディビル対決では不利になりやすいのだ。
マッスル北村は典型的な日本人体型なので、海外でのボディビル対決では不利になりやすいのだ。
ただ、マッスル北村の凄いところは精神力にあるようだ。
その精神力や考えられないパワーから頑丈なトレーニング器具を壊してしまった逸話も残されている。
食べる量も考えられない量を食べるそうだ。
アルコールも桁外れで飲むそうだ。
大会前のダイエット期では並みのプロボディビルダーでさえ真似できないような制限された食事を摂るらしい。
体の脂肪が無くなれば体脂肪からのエネルギーを使えない。
その状態で炭水化物というエネルギーを体に入れない。
タンパク質と脂質だけ体内に送り込む。
タンパク質や脂質をエネルギー変換するのが間に合わずに、体内では深刻なエネルギー不足が起きて生命の営みが途絶えてしまったのかもしれない。
その精神力ゆえに。
そんなボディビルダーがこの世を去ったのだ。
一つの時代が切り替わったのかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます