1月に鉄の扉制作会社に入ってから這いつくばりながらも辛うじて会社を辞めずにゴールデンウイークまで持ちこたえた。
鉄の扉制作会社、大嫌いだ!!
‥会社が嫌いなわけではないが、会社の中にいる人たちとの関わりが一番苦手だ。
勤めてもいいけど、人がいない会社に勤めたい!
そんな会社、現実的に滅多にないからそもそも会社に行きたくない!となる。
プルルル‥
携帯の着信が鳴った。
坂本 「もしもし‥」
岡ちゃん 「どもっ、電話してみました。」
坂本 「何かあったようだね?」
岡ちゃん 「んー、今、車高調を取り付けようとしてるんだけど、手伝いに来るかい?」
あ、面倒くさそう‥。
坂本 「‥、え?車高調買ったの?」
岡ちゃん 「緑色の車高調を買ったんだけど、わかるかな?」
坂本 「‥わかんないよ。有名なヤツかな?」
岡ちゃん 「テインだよ。知ってる?」
坂本 「あぁ、知ってるよ。テインは有名だよね。あれ買ったんだ。」
これって、岡ちゃんの家に作業しているのを見に行く流れになっていないか‥?
岡ちゃん 「ウチに来るかい?」
坂本 「行くよ。」
あ、行くことになってしまった‥。
・・・
僕の家から車で10分の場所に岡ちゃんの家がある。
既に180SXはジャッキアップされていた。
岡ちゃん 「これだよ。」
坂本 「ああ、緑だね。」
岡ちゃん 「減衰力調整もこのツマミで調整できるの買っちゃったよ。」
坂本 「減衰力?」
岡ちゃん 「そうだよ。この筒の伸びたり縮んだりするスピードが速くしたり遅くしたりできるんだよ。」
坂本 「バネの硬さは決まってるから、微調整は減衰力でするってことね。」
岡ちゃん 「そうだよ。坂本くんもシートなんかじゃなく車高調買えば良かったんに。」
坂本 「いや、僕はシートを買って満足だよ。」
そもそも自分が必要だと思って買えそうな物しか調べていない。
岡ちゃん 「嶋田君のR34は直ったの?」
坂本 「そろそろじゃないかな。」
岡ちゃん 「この機会にみんなで赤城の走り屋になろうよ。」
坂本 「僕はいいよ。」
岡ちゃん 「なんでー?」
坂本 「赤城は遠いじゃん。平日は通うのキツイよ。」
岡ちゃん 「通えばいんに。」
坂本 「毎日通ってるなんて岡ちゃんは凄いよ。」
岡ちゃんはニンマリした。
話ながら作業をしていた。
2人とも初めての作業なので夕方薄暗くなるまでにフロントだけ車高調を装着できた。
・・・
次の日
嶋田君に連絡したら車高調の装着している所を見たいと言うので、今日は3人だ。
坂本 「黒光りしたR34が戻って来たね。」
嶋田 「あったりめーよ。全開だぜっ!」
岡ちゃん 「全くどこぶつけられたか分からないくらい綺麗になってるね。」
嶋田 「相手の保険で全部やってもらったんだよね。」
ご満悦だ。
嶋田君はいつまでもサイノスにぶつけられたことを気にしている風ではなかった。
岡ちゃん 「足を固めて、赤城をメインに走ろうと思ってるんだ。」
坂本 「てゆうか既に走ってるじゃん。」
岡ちゃん 「やっぱりノーマルの車で走ってる人は少ないんだよね。」
そういえば、金山でノーマル車両であそこまで速く走っていた走り屋もなかなかいなかったんじゃないか、と思った。
岡ちゃんがノーマルでとことん走っていたことに今、気が付いた。
嶋田 「シャコチョーは走り屋の必須項目だからね。」
坂本 「嶋田君だって付けてないじゃん。」
岡ちゃん 「これで車高調をつけて走りがどう変わるか、だね。」
岡ちゃんはワクワクしている。
そういえば、180SXより嶋田君のR34の方が足がしっかりしている印象があった。
ノーマル状態で少し硬いのだろうか。
岡ちゃん 「これでやっと車高落とせるよ。」
坂本 「車高落としたいの?」
岡ちゃん 「車高低い方がカッコいいじゃん。」
坂本 「そうかな‥多少はね。嶋田君は?」
嶋田 「おお!そうだな。車高低い方がカッコいいなっ。」
僕は良く分からない。
〝RVはダサい〟という方程式にならないか?
街中を運転していても、他のシャコタンの走り屋でもVIPでも、道路ではマンホールを避けたり工事中の路面を上手く斜めに通ったり、道路からお店への段差の気遣い、お店に入ったら入ったで車輪止めにフロントエアロをぶつけないように、など想像するだけで嫌気がさす。
だから僕はシャコタンやエアロで車高を低く見せるのは嫌いだ。
運転しやすくて気を使わない車がいい。
夕方になって、バリッと低くなった180SXが出来上がった。
岡ちゃんはニヤニヤしていた。
「坂本君はまだ金山を走るの?」と岡ちゃんからの話の流れから、その晩に金山のドライブに2人を乗せていくことになった。
事故らないことには自信がある。
何しろ、金山攻略のポイントは車幅感覚だと思っていたので、いつでも隙さえあれば車幅の感覚を確認する練習をしていたからだ。
ハチロクということもあるが、金山の道は狭くない。
岡ちゃんは62キロ、嶋田君は65キロ、僕は72キロだ。
コーナーを軽く攻めるだけで、いつもより余計にロールしているのが分かる。
コーナリングし始めてから後からグワーンと振り子のように慣性がかかる感じだ。
気分がハイになっていたのと、予想以上のコーナリング時の慣性力によって左側をガードレールに擦ってしまった。
頂上の駐車場で降りて確認したが、微かな線が左ドアモールに着いていただけだった。
肝を冷やした。
2人共もう金山を攻めるような雰囲気はしていなかった。
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