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金山のまぼろし

全力で生きる!!

110 広告代理店へ入社

2021-06-19 18:49:29 | 幻の走り屋奮闘記エピソード2

 

 

先日、広告代理店に入って今は研修中だ。

 

僕を入れて新人計5人で茨木近くの埼玉に研修に来ている。

 

僕たちは広告代理店に入ったからといってパソコンで広告を作るわけではなく、広告代理店がそのまま自社印刷をするために印刷機のオペレーターが必要ということで新人5人力を合わせて工場を立ち上げて回すそうだ。

 

他の印刷会社に見学と体験をしに来ている。

 

既に僕は1人だけ浮き気味になっている。

 

 

〈新人のデータ〉

ブロッケン 24歳 顔がブロッケンジュニアに似ている。

ハンド 21歳 体格がいい。元ハンドボール部。

モノマネ 21歳 物まねが上手い。細身。

コヨーテ 20歳 顔がコヨーテに似ている。

僕 22歳 走り屋。

 

 

初日は面接官だったパンチパーマの部長も研修に参加して僕たちを見ていた。

まだ5人が知り合って1週間経たない。

 

皆、探りながら皆にウケることを話そうとしているのがわかった。

 

皆、ウケを狙うことが多く、その時は僕以外の皆がワッと笑う。

 

なかなか難しいな、と思った。

 

皆がウケを狙って放つ言葉がことごとく面白くないのだ。

 

引きつっても笑った方が良かっただろうか‥。

 

この流れはマズイと思った。

潮流が離れていく感じがする‥。

 

朝、群馬から1時間半かけて研修先に車で移動する時も部長が「乗り物酔いする坂本君が運転手でいいな。」と言っていたのに、年長者のブロッケンさんが部長がいない時に「俺が運転する」と言って毎朝揺り戻しの多い酷い運転を僕は食らっていた。

ブロッケンさんは運転が好きみたいだ。

車もFDに乗っている。

FD乗りらしからぬ、街中の運転が荒い。

 

これは酷い運転だ、と感じてしまう。

緩やかなコーナーでもじんわりとステアリングを動すのではなくて、クッと瞬間的に動かす。

思いつきですぐにステアリングを動かす僕の母親より運転が荒いと思った。

 

なんとか研修先に向かう1時間半と帰りの1時間半の計3時間を耐えていた。

 

そもそも、走り屋なのに乗り物酔いする僕って‥。

 

研修を何日かこなした時点で部長が「坂本君は印刷の版を1人で担当してもらう。」と言った。

 

版とは印刷物を刷るハンコのような物だ。

版は4つあり、それぞれマゼンタ(赤)・シアン(青)・イエロー(黄)・ブラック(黒)の4色のインクに対応している。それらの色を4つ版をかけ合わせてカラフルな印刷が可能になる。

 

僕以外の4人は印刷機のオペレーターで実際に印刷物を量産する仕事をすることになりそうだ。

僕はその印刷機にセットして使う版を制作することになるそうだ。

 

内心、「良かった」と思った。

 

気の合わない人たちといるのは辛い。

 

そもそも笑うツボが違うのだ。

 

どんなに努力しても笑いのツボを合わせることは不可能ではないか。

 

ノリが違うし、雰囲気が違う。

 

あの4人は殺伐とした雰囲気がある。

 

馴染めない。

 

 

研修中のお昼休みが一番大変だった。

 

食事中も皆で話さなければならない。

話すことなんてないし‥。

 

食べ終われば、皆でくつろがなければならない。

 

めっちゃ、しんどい‥。

 

しかも、僕は版の制作に回されそうだから、今研修していることは向こうに戻ったら役に立たないようだ。

 

覚えなきゃいけないのに集中力が切れそうだ。

 

というか初めから集中なんてしていなかった。

 

早く家に帰りたいよー。

 

研修なんかしたくない。

 

それもあるが、合わない4人と仕事はしたくない。

 

入社して1週間経ってないぞ。

 

頑張れ僕!

辞めるわけにはいかないのだ!

 

 

この頃には頭文字Dセカンドステージが放映されていた。