悩みながらも次期ハチロクを探していた。
埼玉の日高市のイナイマオートにお目当てのAE101エンジン搭載のパンダトレノがあることが判明した。
よしっ!
これで大きく飛躍できる。
165馬力だ!
しかも100万円だ!文句無い!
車体価格80万円を超えるハチロクは感覚的に高価な印象があったがエンジン改装車となれば話は別だ。
アニメのイニシャルDもちょうど拓海がレース用のAE101エンジンを改装したばかりだし、リンクしてるぜ!
お目当てのAE101のエンジンを載せたハチロクを手に入れたとしたら、AE101型のFF駆動のスプリンタートレノとカローラレビンとタメで走れるはずだ。
ハチロクの方が軽いわけだから、それよりも速いはずだ。
方向が決まり、母親とおばあちゃんを説得した。
「お願いします。」「お願いします。」「仕事頑張りますから。」「お願いします。」
をひたすら繰り返した。
僕の熱意が伝わり、なんとかエンジン載せ替えハチロク購入資金を貸してもらえることになった。
母親とおばあちゃんには「事故ったハチロクよりも程度のいい高級なグレードのハチロクが見つかった。」と説明してある。
・・・
僕は喜び勇んで、イナイマオートへ駆けつけた。
建物は古めだが大きく歴史がありそうな中古車店だった。
ラグビー選手みたいな営業マンが店舗から出て来た。
営業マン 「売れちゃったんですよね~。」
坂本 「売れちゃったんですか‥。」
なんだ‥売れちゃったのか‥‥。
営業マン 「他にも、綺麗に赤黒にオールペンされたハイコンプ仕様145馬力のGTVもありますよ。ピッカピカですよぉ~。どうですかぁ~。」
145馬力かぁ‥。
しかも、GTVだから重ステ(パワステ無し)じゃん。
暴君社長がいる中古車販売店でアルバイトした時に乗った古いフェアレディZの重いステアリングを思い出した。
ステアリング重くて走りに集中できないんじゃないの?
ハチロクにはGT・GTV・GT-APEXの3グレードがあって、GTが廉価版。
GTVはスパルタンタイプでパワーステアリング無しなのでステアリングが重い。豪華装備のGT-APEXよりスタビライザーが若干太いので、コーナーでの安定性がいい。
僕のクラッシュしたハチロクはGT-APEXだった。
坂本 「外装がピカピカのGTVはカッコいいですね‥。」
営業マン 「あちらにはシルビアとかマーク2とかパワーのある車がありますよ。」
今日はハチロクを見に来たの!
坂本 「あ、はい。‥ハチロクがいいですねぇ~。」
お目当てのハチロクが無く、しばらくハチロクたちを眺めていた。
営業マン 「実は、今日入ってきたばかりのまだ整備していないハチロクが1台あるんですよ。‥見ますか?すごいですよ‥。」