世界のどこかで起きていること。

日本人の日常生活からは想像できない世界を垣間見たときに記しています(本棚11)。

「死の海からの脱出」(NHK-BS)

2018-08-09 12:19:39 | 日記
死の海からの脱出」(NHK-BS)
2017.9.26放送
原題:Aquarius Rescue in Dead Waters
制作:Point du Jour(フランス 2016年)



<番組紹介>
北アフリカ沖の荒波のなか、衰弱しきった老若男女を満載した沈没寸前のボートを発見したアクエリアス号は、すぐさまレスキュー活動に着手。ボランティアからなるクルーが、100人にのぼる人々を全員救助した。数多くの難民が命を落とす死の海で、人々が「希望の船」と呼ぶ救助船の活動日誌を、現場感あふれる映像でつづる。


 「死の海」とは中東の死海のことではなく、難民船が沈没してたくさん死ぬ地中海を指しています。
 「SOS地中海」(ドイツの船舶会社社長とフランスのNPOが協同して作った組織)の難民救助船「アクエリアス号」の活動を記録したドキュメンタリーです。

 以前から「なぜ命を失うかもしれない小さなボートで地中海を渡ろうとするんだろう?」という疑問に答えてくれる内容でした。
 救出された難民のインタビュー;

「リビアでは黒人は差別される。白人(?)は武器の使い方や拷問の仕方を黒人を使って覚えるのが習慣となっている。人間扱いされないのだ。」
「自分の数m先で、妻がたくさんの男達にレイプされた。私に見えるように近くでレイプするのだ。首にナイフを当てられた私はこの世のことではないと自分に言い聞かせるしかなかった。」
「彼らは女性だけでなく男性もレイプする。」
「そんな生き地獄よりも、海でおぼれて死んだ方がましだ。そうだろう?」

 韓国では従軍慰安婦問題が取りざたされています。
 戦争状態では人間は倫理観を失い、本能がむき出しになります。
 それは歴史上のことではなく、現在進行形で起きていること。

 そして“戦争”は人殺しが正当化される異常事態です。
 敵を殺さなければ罰せられるのです。
 その中で人権擁護が成り立つと考えるには無理があります。

 なくすにはどうしたらいいのでしょう。

 罰するだけでは後手に回り、解決には至りません。
 そのような状況を作らないことが重要です。
 戦争を回避し、ルールを守る平和な社会を維持することです。

 しかし人類は、数が増えて生活が立ちゆかなくなると、戦争で人数を減らすことを繰り返す、という説もあるそうです。
 そうやって他人を蹴落として子孫を繋いできたのが、現在生きている我々だとすると、この循環から抜け出すことはできないのかもしれません。

<参考>
□ 「地中海:移民・難民が直面している10の危機——2016年」(国境なき医師団)

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