世界のどこかで起きていること。

日本人の日常生活からは想像できない世界を垣間見たときに記しています(本棚11)。

白人至上主義「オルト・ライト」とトランプ政権

2021-01-14 07:49:32 | 日記
人種差別団体がトランプ政権になってから活気を帯びてきたそうです。
自分たちの主張は、平和主義の政権では抑圧・否定されがちだけど、
トランプは否定しない、むしろ認めるような雰囲気が発言の端々に感じられる、と。
従来は地下活動的でしたが、トランプ政権になってから表立って活動する機会が増えてきました。

白人至上主義には古くは「KKK」(クー・クラックス・クラン)が有名ですが、近年は「オルト・ライト」という団体を耳にします。

数年前のTV番組で、この組織を扱ったものが録画されているのを思い出し、
視聴してみました。


■ 「白人至上主義の裏側 ~オルト・ライト潜入記~」



隠しカメラを手に、アメリカで台頭する新右翼「オルト・ライト」の内側に潜入。統率された組織力と豊かな資金力・・・トランプ政権を支える過激団体の戦慄の内幕をルポ。
シャーローツビルで白人至上主義のネオナチ集団と市民団体が衝突し、女性1人が死亡・・・スウェーデン人のパトリック・ヘルマンソンは、その現場にいた。人権団体の要請でオルト・ライトのメンバーとなり、幹部候補生としてロンドンからアメリカへ・・・生命の危険をおして1年ちかく、過激思想とフェイクニュースを拡散させる団体の活動実態を記録した。世界各国で注目を集めるスクープ・ドキュメント。

原題Undercover in the Alt-Right制作国際共同制(NHK/DR/NRK/RTS/SRF/ZDF ARTE)
Silverfish Film & SVT(2018年 スウェーデン)

番組を見て感じたのは、その核となる思想が「人種差別」よりも「白人が如何に生き残るべきか」という意外な事実でした。
自分の民族が少数派になりいずれ消滅してしまうのではないか、という危惧を抱き、それを過激な手法で表現している印象を持ちました。

であれば、程度の差はあれ、自分の民族を維持するため、世界各国は小競り合いをしているのと、ベクトルは異なりますが、所詮は同類なのかもしれません。

「トランプ政権は白人社会の断末魔の叫びである」という表現を耳にしたことがあります。
アメリカ社会では白人の人口比が近い未来に5割以下になり、マイノリティと呼ばれた白人以外の民族が5割を越えてマイノリティを脱却することが予想されています。
すると、白人が団結しても政権が取れないことが現実化します。
それに危機感を抱いている白人達が、トランプを熱狂的に支持せざるを得ないという事情もあるようです。

彼らは移民排除の思想を持っています。
よく指摘されることですが、彼ら自身の祖先はヨーロッパからの移民であり、
先に来ただけなんですけどね。


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