世界のどこかで起きていること。

日本人の日常生活からは想像できない世界を垣間見たときに記しています(本棚11)。

「“脱一人っ子”揺れる中国」

2017-07-06 17:22:38 | 日記
NHKクローズアップ現代  2016年1月28日(木)
“脱一人っ子”はしたけれど ~中国のジレンマ~

引き続き、中国人の講堂の裏を知るために、中国の事情を説明する番組を視聴しました。

中国の一人っ子政策は、鄧小平が1979年に始めた。
一人っ子政策の結果、2015年の中国に人口は13億7000万人に抑えられているが、もし行われなかったら18億1000万人と試算される。

しかしそのひずみが無視できなくなってきた。
15〜59歳の労働者人口はすでに減少に転じ、60歳以上が人口の1/4を占めるようになった。
30年後には現在の日本と同じ超高齢者社会になる。

中国は経済への悪影響を重視し、2016年に一人っ子政策を廃止することを選択した。

愛情を一身に受けて育てられた子ども時代。
しかし結婚後は、双方の両親の老後の面倒を見ることになり、大きな負担に。

一人っ子を亡くした“失独者”問題も浮上してきた。

隠れて二人目を産むと、法律上存在しない「ヘイハイズ」になる。
年収の2倍の罰金を波羅割らなければ戸籍がもらえない、IDカードも取得できない。
中国ではIDカードがなければ交通機関も病院も利用できない、進学も就職もできない。

“一人っ子政策”は必要だったのか?
今、その検証が始まる。



内容紹介
 今月1日から、中国政府は30年以上続けてきた「一人っ子政策」を廃止し、2人の子どもを産むことを認めた。大きな政策転換の背景には、急速に進む少子高齢化や労働力人口の減少がある。一人っ子政策の「模範県」では、子どもが減少し、この10年で小学校が半減。製造現場などでは労働力不足が深刻になるなど、経済への影響が懸念されている。
 そうした中での政策転換に、期待が集まる一方で、その効果を疑問視する見方も出ている。中国では都市部を中心に、教育費の高騰などで子育ての負担は大きく、2人目を望まない夫婦も多いのだ。
 さらに、一人っ子政策が産んだ“負の遺産”にも、改めて注目が集まっている。“2人目”として生まれたものの戸籍がない、いわゆる「ヘイハイズ(無戸籍児)」の問題だ。中国全土で少なくとも1300万人にのぼると見られ、その存在を認めてほしいと、いま各地で声を上げ始めている。
 様々な矛盾を抱えながらも、歴史的な政策転換に踏み切った中国。今後少子高齢化を緩和させ、安定した経済成長を続けていけるのか。「一人っ子政策」廃止後の大国の行方を展望する。



「岐路に立つ中国の漁村」

2017-07-06 17:08:44 | 日記
「岐路に立つ中国の漁村〜乱獲の果てに」
NHKドキュメンタリーWAVE 2016.3.17放送

日本の漁場荒らしや赤サンゴの略奪、領海内侵入・・・
中国人ってなんて非常識・横暴なんだろう・・・日本人はみんなこう思っています。
中国側から見た事情も知っておくべきかと思い、録画したTV番組を見てみました。


豊かな漁場であった東シナ海では魚が捕れなくなってしまった。
これは近隣諸国による乱獲の結果である。

1990年代までは日本と韓国が漁をしていた東シナ海に中国が参入した。
今や世界の漁獲量の1/3が中国人の胃袋に収まっている。
その需要を満たすために、中国漁船が魚を取り尽くす。
目の細かい底引き網を使って、稚魚さえも一網打尽。

稚魚を捕ってしまうと、大きな魚がいなくなる。
大きな魚が捕れないと、もうけがなくなる。
こうして自分の首を絞める結果となり、漁に出るたびに赤字になり、漁業から離れざるを得ない漁村の悲哀。

そして現在、中国人の食べる魚の7割が養殖魚だ。
海で捕れた稚魚は、養殖魚のエサになる。

出口の見えない、長いトンネルの中にいる中国の漁村のお話。



内容紹介
去年、三陸沖の公海上に出現した中国漁船がサンマを捕獲し、
その影響で日本でサンマが捕れなくなっている、という報道が大きく出た。
なぜ、中国漁船は、こんなに遠くまで出て来るのか。
その真相を探るべく中国で最も漁業が盛んな地域のひとつ、浙江省のある漁村にカメラが入る。
浙江省の漁師たちが主な漁場としているのが、東シナ海。
「魚のゆりかご」とまで言われる豊かな海が、今、危機的な状況に陥っている。
豊かだったゆえに、この海には乱獲の歴史が繰り返されてきた。
かつて60~70年代は、日本と韓国がそこで乱獲をした。
その後、その状況をさらに悪化させたのは、中国の漁船。
経済発展と共に庶民への魚食が広がり始め、中国は東シナ海の魚を求め大挙して押し寄せたのだ。
そのため、今ではほとんど大きな魚は捕れず、小魚ばかりが目立つ。
そんな状況の中、少しでも漁獲を上げようとものすごく小さい網目の漁網を使い、小魚まで根こそぎ捕っている。幼魚の魚も多く、将来の資源枯渇に拍車をかけている。
そんな中、生活が成り立たなくなった漁師が続出。
廃業に追い込まれたり、漁業を諦めようとする人々が多くでているのだ。
廃墟になった漁村もちらほらでており、漁村の存続さえ危ぶまれる事態に追い込まれている。
どうやったら漁村の崩壊を食い止められるのか。
村や漁師の現状を追いかけながら、
今、岐路に立たされている中国漁業の実態をドキュメントしていく。


撮影後記
「岐路に立つ中国の漁村」撮影後記
(2016/3/17 staffblog)
 私は中国沿海部の小さな村で15歳まで過ごしました。子供のときによく海で泳いでいたことは今でも鮮明に覚えています。今でも帰郷するたびに私はいつも海を見にいきます。故郷を離れて遠い日本で友達もあまりいない孤独な私にとって、海は心を癒してくれる友達でした。
 しかし、いつからだろうか、はっきり説明できませんが、あるときから、海はどんどん遠い存在だと感じるようになりました。近海の深刻な汚染問題で子供たちが海を離れるようになり、海で泳ぐ風景は二度と見ることができません。近場で魚を採れないから、漁師たちがどんどん遠くへ行き、木製船を操縦して沿岸で魚を取っている様子はもう夢の中で見ることしかできません。
 海はこんなに遠い!と私は感じました。目の前に広がる海は時代の波と共に変化してしまいました。これで私は故郷の海に起きた変化を見つめるドキュメンタリーを作りたかったです。
 今回私は漁師の仕事をそばで見るチャンスを得ました。
 中国は人口が多い。漁獲量は世界一ですが、中国人が漁場とする海の資源は世界一ではありません。少しでも多く獲ろうとする漁師と限られている資源の間では、調和することが難しくなっています。漁をやめればいいだろうと簡単にいう方もいると思いますが、先祖代々から漁師としてやってきた人にとって、岸での仕事は簡単ではありません。「魚が減っていることは分かっていますが、生きるために仕方がありません」という漁師の言葉。私はその葛藤を描きたかったです。
 決して乱獲は中国人漁師だけではなりません。番組の中で取り上げた東シナ海でも、かつて60年~70年代は日本と韓国がそこで乱獲しました。1980年代から改革開放で漁船の私有化が認められた中国漁師たちが日本の中古船を買って、東シナ海に進出したといわれています。
 時代の流れで漁師は遠い海へ出て行きます。しかし、魚がとれなくなり、今は転職をせざるを得ない状況に追い詰められています。政府は漁師の転職を支援するため、漁村を観光地にして収入を得ようとするプロジェクトも行われています。番組の主人公である若い漁師は、またその改革の波にのって、人生をかけようとしています。大好きな海を離れて、旅館で客を待ち続ける。そんな皮肉な風景を見た私は笑えませんでした。
 多くの時は、人間が波に乗るしかありません。しかし、時には、人間は波と戦います。人間は無力でありながら、どんな時でも必死に生きていくしかありません。
 私が作りたいのは責任を追及する番組ではありません。生き方をもう一度考えてみようという自ら人間に問いかける映像です。

文:何祖杰(ディレクター)

マラウイにおける「性的浄化」と「ハイエナ」

2017-07-05 12:41:10 | 日記
 日本では少年が初めて女性と性行為を経験することを非公式に「筆おろし」などと呼ぶ風習がありました。
 世界を見渡すと、とんでもない風習・因習が残されている土地があるようです。


<strong>■ 子供とセックスするため雇われ……HIV陽性のマラウイ男性逮捕
2016.7.27:BBC News
 アフリカ南東部のマラウイで、成人のための通過儀礼として子供とセックスするのが仕事というHIV陽性の男性が、大統領の命令で逮捕された。エリック・アニバ容疑者は、マラウイで「ハイエナ」と呼ばれるセックス・ワーカーで、今月半ばのBBC番組に登場した。
 アニバ容疑者はBBCの取材に対して、自分を雇う家族に自分がHIV陽性だと明かしていないと話していた。
 ムタリカ大統領は、容疑者が番組で自白したように見える行為について、捜査機関が逮捕・起訴すべきだと述べた。
 マラウイ南部など一部地域で行われている性的「浄化」の風習について取材した、BBCのエド・バトラー記者は、初潮を迎えた女の子に性交を経験をさせるのが伝統という地域があると話す。少女が12歳という場合もあるという。
 このために家族が雇う男性は「ハイエナ」と呼ばれ、ふだんは夫に先立たれた女性や不妊の女性との性交を仕事としている。
 カリラニ大統領報道官は、「この国の優れた文化的価値観や社会風習を子供たちのために推進する必要はあるものの、人を傷つける文化的・伝統的な風習はこの国では受け入れられない」と大統領の考えを述べた。
 アニバ容疑者は「HIV感染の危険に若い少女たちをさらした疑いで捜査され、しかるべく起訴される」見通しで、大統領は容疑者を雇った両親や関与した男たちの捜査も命じたという。
 「子供や女性たちをこのおぞましい悪行にさらした罪で、関与した全員が責任を問われるべき」と広報官は述べ、「ごく少数によるこの恐ろしい慣習は、マラウイ全体の国際的なイメージを傷つけ、われわれ全員を辱めるものだ」と批判した。
 マラウイは昨年、結婚できる年齢を15歳から18歳に引き上げた。子供の結婚を禁止することで、初体験の儀式を子供に強制する慣習を阻止できるのではないかと、活動家たちは期待していた。
 アニバ容疑者はBBCに対して、「性的浄化」に参加するのは止めるつもりだと話していた。


(英語記事 Malawian 'hyena man' arrested for having sex with children