世界のどこかで起きていること。

日本人の日常生活からは想像できない世界を垣間見たときに記しています(本棚11)。

HAPPINESS ~ブータン・幸せの国の少年~

2015-09-28 20:43:19 | 日記
 「幸せの国」で有名になったブータン。
 「幸せの基準って何?」と考えさせられたドキュメンタリーでした。

■ HAPPINESS ~ブータン・幸せの国の少年~
ef="http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=141023">2014年10月24日:NHK-BS
 ブータンの北部でヤクを放牧して生活する少数民族ラヤッパの少年、ペヤンキの成長記録。
 山間の村ラヤに母親と暮らす8歳のペヤンキは、父親が亡くなってから家が貧しく学校に通えないため、村の僧院で修行することになった。しかし、責任者のラマ僧は厳しく、ペヤンキは僧院での生活になかなか馴染めない。
 この頃、ラヤ村にも電柱が運び込まれ、電気を通すための工事が始まった。
 厳しい冬が始まる頃、ペヤンキはテレビを買いに行く伯父に連れられて初めて都会を訪れる。自動車が行き交う道路や店頭のマネキン、テレビ―ペヤンキにとっては初めて見るものばかりで、驚きの連続だ。町で働いている姉チョキに会うのも旅の目的の一つだが、母親から聞いた役所にチョキという人物はいないという・・・。ようやく探し当てた姉は意外な場所で働いていた。
 その後間もなくついにラヤ村にも電気が引かれ、ほとんど村人たちは初めてテレビを体験する。自然に恵まれ、お金で買えるものとは別の幸福を求めてきたブータンの少年を通して、変わりゆく暮らしを垣間見る。

 原題:Happiness
 制作:国際共同制作 TBC Productions Quark Productions/Making Movies
 NHK/ARTE/ITVS/WDR (フランス・フィンランド 2013年)


 この映像はブータン国王が「この国にテレビ放送とインターネットを導入する」と宣い、国民は歓声を上げて答えるという場面から始まります。
 電気が通っていなかった主人公ペヤンキが住む鄙びた山村。
 牧畜を生業とする人々ですが、ペヤンキは父を亡くし、口減らし目的で僧院に預けられました。

 なんだか、日本の作家、水上勉を彷彿とさせるエピソードです。
 昔は宗教施設が貧民救済の役割を担っていたのは世界のどの国でも同じだったのですね。

 ペヤンキは文明に触れ、こころ穏やか出ない日々を過ごします。
 これはブータンの人々すべてが経験したこと。
 日本では昭和初期というところでしょうか。

 近年、インターネットなどで世界を知ったネパール人民はお金に振り回され、お金で買える幸せを求めるようになり困っているというニュースを耳に挟みました。
■ 幸福の国ブータン 揺れる幸せの定義 2015/5/24:日本経済新聞
 しかし電気が通るのとインターネットが繋がるのが同時なんて、社会が混乱しそうですね。
 

「アンゴラからの手紙」

2015-09-01 22:03:55 | 日記
 昔録画したドキュメンタリーを秋の夜長に見はじめました。
 
 500年間に及ぶポルトガルの植民地支配から脱したアンゴラ。
 平和が訪れると思いきや、すぐに内戦状態に陥ってしまいました。
 
 人間の欲望が渦巻き、政府要人は私腹を肥やすのみで、国民は豊かにはなれません。
 支配者がポルトガル人から同じ民族のずる賢い人々に変わっただけに見えました。

 近年のアラブの春も、民主政府が造られて平和が訪れるとは幻想。
 現実には、これまで抑制されていた欲望が爆発し混乱状態から脱することが未だにできずにいます。
 みな辛抱・妥協してまとまる気配が感じられません。

 すると、混乱に乗じてつけ込む勢力が幅をきかせてくることは明らかです。
 ISなのか、中国なのか・・・注視すべし。

■ アンゴラからの手紙 
2006年11月29日:NHK-BS
 2006年W杯サッカーへの初出場も果たしたアンゴラは、昨年、ポルトガルからの独立30周年を迎えた、アフリカの中でも比較的若い国である。この国では2003年まで、27年間にわたり内戦が続いていたことは記憶に新しい。内戦終結から約3年、アンゴラはどう変わったか。
 今も極めて治安が悪いとされる国の現状を伝えるべく、アンゴラに取材に入った南アの取材班が目にしたものは、残飯をあさるストリートチルドレンと金持ち向けの豪華絢爛なマンション群。富めるものが富む一方で、最底辺の生活を続ける多くの人々だった。しかし、誰もがようやく訪れた平和に希望を託し、自立への道を模索している。

 原題:Angola: Saudades from the one who loves you
 制作:Luna Films/On Land Productions (南アフリカ 2005年)


 番組中に使用された印象深い音楽はどこのものでしょう。
 アンゴラのラップ・アーティストによるもの?
 盟主国ポルトガルのファドに似たサウダージが感じられました。