世界のどこかで起きていること。

日本人の日常生活からは想像できない世界を垣間見たときに記しています(本棚11)。

北朝鮮情勢 揺れる朝鮮学校と在日コリアン

2017-11-15 09:32:06 | 日記
 朝鮮半島から文化を伝えた人たちを、歴史の教科書では「帰化人」と表現しました。現在は「渡来人」でしょうか。
 日本文化に深く根付き、例えば外国人に人気の観光地「伏見稲荷大社」は渡来人の秦氏の鎮守様です。
 
 時代により、国と国との関係により、渡来人の子孫の生活は揺れ動きます。
 現在は最悪の時代かもしれません。

■ 北朝鮮情勢 揺れる朝鮮学校と在日コリアン
2017年11月14日:AFP BB NEWS
【11月14日 AFP】北朝鮮歴代指導者の肖像画が掲げられた教室。北朝鮮の核兵器開発計画をめぐり緊張が高まる中、この学校には生徒に対する殺害予告が届くことすらある。
 東京朝鮮中高級学校は、日本のコリアン・コミュニティが運営する約60校ある朝鮮学校の一つだ。在日コリアンたちはかの地に住んだことはなくとも、北朝鮮を含む半島とのつながりを何十年にもわたり維持し、発展させてきた。
 日本のコリアン人口は約50万人。その多くは1910年の日韓併合から日本の第2次世界大戦敗戦まで続いた植民地時代に移住または移住させられた朝鮮人の子孫だ。
 朝鮮戦争(1950-53)と半島の南北分断の固定化は在日コリアンたちをも分断したが、戦後その子息に民族の言語や歴史を教えることができるのは朝鮮系の団体や北朝鮮政府から支援を受け設立された朝鮮学校のみだった。
 朝鮮学校では今でも、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連、General Association of Korean Residents in Japan)の指導の下で朝鮮語や歴史の授業が行われている。朝鮮総連は日本と国交がない北朝鮮の事実上の大使館だ。
 雇用や社会福祉といった面で在日コリアンたちは長きにわたり苦い思いをしてきた。東京朝鮮中高級学校の慎吉雄(シン・ギルン、Shin Gil-Ung)校長によれば、北朝鮮による核開発計画で事態は悪くなるばかりだという。

■「爆弾を仕掛けた」
「何かあるたびに学校に『爆弾を仕掛けた』、『朝鮮高校生を何人か殺す』、このような電話、脅迫」などがあると慎校長は言う。「何か」というのは、北朝鮮に関する出来事がニュースで報じられるたびに、という意味だ。女子生徒は朝鮮学校の制服を着て登下校することができなくなった。
 北朝鮮はこの数か月だけでも2回日本上空を通過するミサイルを発射させ、その地域に住む住人を震撼させた。日本が北朝鮮の挑発行動の矢面に立たされている格好だ。
 日本を海へ「沈める」など、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)政権が挑発的な言動を繰り返す中で漂う緊張と不安は、多くの在日コリアン、特に生まれてから日本でしか生活したことのない若い世代にとって葛藤を抱かせるものとなっている。
 朝鮮学校の生徒のひとり、ファン・ソンウィさん(17)は「複雑な気持ち」でニュースを見ているという。双方からの報道について「どっちも信じてどっちも疑う」みたいな感じだと述べた。
 北朝鮮情勢によって在日コリアン社会に怒りが向けられるのは新しいことではない。拉致問題が決定的に世論を変えたと、東京を拠点に活動する弁護士の李春煕(リ・チュニ、Ri Chun-Hui)氏は言う。1970年代から80年代にかけて北朝鮮の工作員が日本から多くの民間人を拉致していたことが明らかになっている。
かつて朝鮮民族は日本の植民地支配の被害者という存在だった。それが拉致問題によって、朝鮮が加害者で日本国が被害者であるというようなイメージばかりが増幅されるようになってしまった」と李弁護士は言う。「北朝鮮と名のつくものにはどんな攻撃をしてもいいという世論が広がっていった」

■「同じ民族」
 子どもに朝鮮半島の言語や歴史を学ばせたいと思う在日コリアンの親にとって、自分たちの政治的信条はどうあれ、朝鮮学校はほぼ唯一の選択肢だ。
「日本人ではないから、朝鮮学校に行って言葉であったり民族心であったり、そういうものを身につけてもらいたい」と言うのはファンさんの母親のオウ・ジョンエさんだ。
「根本的に朝鮮も韓国もない、元々一つの民族なので同じと思っているんですよ」と言うオウさんは、共通の祖先をもつコミュニティにとって朝鮮半島の分断はあまり関係がないと感じている。
 朝鮮総連のある幹部によると、北朝鮮政府は1957年以降、日本の朝鮮学校を支援するため計480億円もの資金を注いできたという。だが、困窮している北朝鮮が現在も出資しているかどうかは不明だ。
 朝鮮学校の教室で生徒たちは金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席や金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の肖像画に見下ろされている。しかし歳月とともにイデオロギー教育は影をひそめ、言語や歴史についても比較的中立的な授業が行われている。
 朝鮮学校に通うファンさんはいまサッカーに夢中だ。サッカー部に所属し、ポジションはゴールキーパー。夢はJリーグのプロ選手になることだという。
 そしていつの日か、北朝鮮のユニフォームを着てプレーしたいと思っている。「朝鮮の代表、いずれは国を背負ってやっていけたら」と語った。

「安全な“食”を求めて」

2017-11-02 16:05:46 | 日記
 中国で有機農業に挑む人々とそれに共感する人々の物語。

 現在中国で生産される農作物は化学肥料と農薬まみれ。
 そこに自らの体調不良をきっかけに、今から20年前に有機農業に挑んだ女性がいました。
 しかし人件費を乗せると、市場価格の3倍になってしまう。
 でもそのおいしさと価値が評判になり、宅配契約も増えてなんとか採算が取れて安定してきたそうです。
 高級デパートの食品フェアの声がかかると、その宅配契約先のお客さんがボランティアで手伝ってくれます。

 有機農園で働く、近隣の農家の叔母さんの言葉が印象に残りました。
 彼女は自分のはたけでは化学肥料を使い、農薬を使って作物を作っています。
 そして彼女が食べるのは農薬まみれの自分が作った作物。
 有機農園の作物は高くて買えないのです。
 では、自分も有機農園を始めるか、と問われると答えは「否」。
 手間と費用がかかりすぎて手が出せない、というのが現状のようです。

 その有機農園も開発に飲み込まれそうな雰囲気があります。
 一方で中国政府は農薬の使用制限へと舵を切りました。

 中国の農業はどんな方向へ向かうのでしょう。



■ BS世界のドキュメンタリー「安全な“食”を求めて」
NHK-BS1:2016年5月19日
<番組内容>
 自分が健康を害した原因は肥料や農薬にあると考えた元外交官の女性が、一念発起して北京郊外で有機農園を始めた。中国で“食の安全”を求める彼女の試みは成功するのか。
<詳細>
 海外生活を終えて帰国した元外交官の張志敏は、アレルギーで体調を崩してしまう。中国で使われている肥料や農薬に原因があると考えた彼女は、私財をなげうって北京郊外で有機農場「天福園」を始めた。裕福な市民を中心に好評を博するようになるが、天福園で働く一般の農家には手間とコストのかかる有機農業を導入する余裕はなく、自分の畑では大量の農薬と化学肥料を使い続けている。中国における“食の安全”の理想と現実とは。