世界のどこかで起きていること。

日本人の日常生活からは想像できない世界を垣間見たときに記しています(本棚11)。

機内食ワインはどう選ばれているのか?

2024-08-05 20:43:41 | グルメ
私は飛行機が苦手なため滅多に乗らないのですが、
それでも30年前の新婚旅行の時は10時間以上の長期フライトを経験しました。

機内食を複数回いただき、
たぶんワインも嗜んだとおぼろげに記憶しています。

さてそのワイン、どのように選ばれているのでしょうか?
私は考えたこともありません。

あらためて考えてみると、
レストランのグラスワインのように、
お店(この場合は航空会社)のカラーで決めるのかな?
いやいや、飛ぶ地域により嗜好が異なるから変えているんだろうか?
などと妄想が広がります。

以下の記事が目に留まりましたので紹介します。
なんと、飛行中(高い高度と低い気圧)は白ワインやシャンパンは酸味を、赤ワインはタンニンをより強く感じるようになる、とのこと。
…知りませんでした。

<ポイント>
・航空会社がまず考えなければならないのは、選んだそのワインを、必要と思われるだけ調達できるかどうかということ。必要量が多いということは、小規模の生産者が手掛けるワインの大半を、候補から外さなくてはいけない。
・当然ながら購入の決断には、価格も影響を及ぼす。
・機内で飲んだとき、そのワインの味がどのように感じられるかということも、重要なポイント。高い高度と低くなる気圧の影響により、白ワインやシャンパンは酸味を、赤ワインはタンニンをより強く感じるようになる。
・空気が乾燥している機内では、私たちの味覚そのものにも変化が生じ、フレーバーを感じにくくなる。エアバス350など最新型の旅客機は機内の湿度をより高く保てるように改良されている。

■ 機内提供のワイン、航空会社はどう選んでいる? 
 Michele Robson | Contributor 
2024.7.24:Forbes Japan)より一部抜粋(下線は私が引きました);
 高度およそ1万1000メートルを飛行する旅客機でワインやシャンパンを注文する乗客たちは、それらを提供するために航空会社が費やした労力を知ることもなく、その1杯を楽しんでいることだろう。航空会社はさまざまなことを考慮して、それらのワインを選び、購入している。
 航空会社がまず考えなければならないのは、選んだそのワインを、必要と思われるだけ調達できるかどうかということだ。だが、長距離路線で乗客が消費するワインの量を、予測するのは難しい。
 1回のフライトで、アッパークラスで飲み干されるワインは、平均9~12本だという。また大手航空会社では、特にエコノミークラスに大量のワインを用意しておく必要がある。長距離便ではビジネスクラスだけでも、少なくとも4種類のワインと2種類のシャンパンまたはスパークリングワインをそろえている。
 必要量が多いということは、小規模の生産者が手掛けるワインの大半を、候補から外さなくてはいけないということだ。十分な量を入手できない可能性があるほか、生産者側が供給を望まない場合もある。
 また、品質と価格、その他の要素のバランスを取る必要があることから、当然ながら購入の決断には、価格も影響を及ぼす。大量購入する航空会社は通常、良い条件での取引を期待できるが、なかには一般市場で、少しずつ販売することを好むワイナリーもある。
 一方、機内で飲んだとき、そのワインの味がどのように感じられるかということも、重要なポイントだ。高い高度と低くなる気圧の影響により、白ワインやシャンパンは酸味を、赤ワインはタンニンをより強く感じるようになる
 また、空気が乾燥している機内では、私たちの味覚そのものにも変化が生じ、フレーバーを感じにくくなる。そうした影響は、十分な水分をとり、鼻用の生理食塩水スプレーを使用することなどで、和らげることができる。
 ただ、エアバス350など最新型の旅客機は機内の湿度をより高く保てるように改良されている。今後も航空機の進化に伴い、さらに改善されていくことになるだろう。

▶ 英仏3社のワイン選び
 英ヴァージン・アトランティック航空は提携するワイン商のJeroboams Trade(ジェロボームズ・トレード)と「マスター・オブ・ワイン(MW)」のピーター・ミッチェルに、機内で提供するワインの候補リストの作成を依頼している。
 その候補から、ワインとスピリッツに関する世界基準の教育機関、Wine & Spirit Education Trust(WSET)の認定資格を取得している社内の専門家チームが、購入するワインを決定する。
 同社は4月と10月の料理のメニューの変更に合わせて、提供するワインも入れ替える。最近では、変わらぬ人気を維持するLaurent Perrier(ローラン・ペリエ)のシャンパンと、イギリスのスパークリングワイン、Hambledon(ハンブルドン)を採用した。
 ブリティッシュ・エアウェイズは航空会社で唯一、フルタイムで働く従業員としてMWを雇用している。現在そのポジションに就くティム・ジャクソンは、3カ月ごとにワインの取りそろえを変更している。
 エールフランスは5月、パリの高級ホテル、オテル・ド・クリヨンの主任ソムリエであり、受賞歴もあるザビエ・テュイザに、自社のワインリストの作成を依頼することを明らかにした。すべてのクラスの旅客とパリのラウンジの利用者に提供するワインとシャンパン、スピリッツ、フランス産ビールの選出を、テュイザが担当する。
 最上位クラスの客室「ラ・プルミエール」には現在、ローラン・ペリエのプレステージ・キュヴェ、Grand Siècle(グラン シエクル)を用意。ファーストクラスではルイ・ラトゥールのMeursault 1er cru Château de Blagny(ムルソー プルミエ・クリュ シャトー・ド・ブラニー)、ビジネスクラスではアルベール・ビショーのPouilly-Fuissé(プイィ・フュイッセ)2022などを提供している。