ヒロタの疑惑 １

さて、そんなヒロタ。　←どんなヒロタじゃ本当に根はいいやつで、バイトの若い子とは気が合った。
大将と次郎のことが嫌いで、彼らに不満のある私を含むバイトたちといつもグチっていた。
大将は理不尽なことを言ったり、次郎はすぐ怒るし。まぁ、雇い主だから当たり前ですが。

確かにヒロタに迷惑をかけられることもあるが、それはお互い様。（少なくとも新入りの私は）
バイトが終わると他の居酒屋に行って一緒に飲んだりしていた。

その日、バイト３人とヒロタで居酒屋でしゃべっていた。
この居酒屋はテーブルの下が掘りごたつ風になっており入り口で靴を脱いでいた。

　　　

グチや世間話など、バイト仲間は気が合っていたので楽しくしゃべっていた。

しばらくするとふと納豆のような匂いが漂ってきた。

　　　

あまり気にも止めず、会話と食事を楽しんでいた。
そろそろ帰ろうか、という雰囲気になった頃ヒロタは近くに停めている車をとりに行った。
彼はいつも私たちを送ってくれるいいヤツなのである。なので彼は酒を飲まない。

　　　
もう一度言いますが彼は酒を飲んでませんでしたよー。

女３人でまたしゃべっていると、さきほどより納豆の匂いは少なくなった気がした。
最年長のさとみさん（仮名）が口火を切った。

　　　

匂いを感知していたのは私だけではなかった。

「私も思ってたんですけど納豆みたいな匂いですよね？」

もう一人の子も「匂いする！」と言い出した。

しばらく考えた。
前にこの席に座った人たちが食べていた納豆がテーブルの下にでも落ちているのか？
とも思ったがメニューに納豆のものは確かなかったはずだ。（けっこう常連な私）


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　　　　　　ハッ！！！

我々は気づいてしまった。
またもやさとみさん（仮名）が言った。

　　　

ヒロタちゃう？　ヒロタちゃう？　ヒロタちゃう？　？　？　？　？？？

そうだ。ヒロタの足だ。ヤツの足から強烈な納豆の香りをかもし出しているのだ。
その結論にしてしまえばつじつまが合う。

彼は仕事中ずっとゴム製の長ぐつを履いていることを考えても・・・。
彼がいなくなってから匂いが薄くなったことを考えても・・・。
なんとなくヒロタの足は臭そうなことを考えても・・・。←ただの偏見

その翌日、私はこの疑惑を確信することになる。
なぜか続く・・・。