心 届け

ハルさんは毎日、ボーっと寝ています。

大きな窓から空を見て　ボーっとしています。

食事も殆ど進みません。申し送りではいつも　水分の摂取ばかりが告げられます。

今日は私がハルさんの昼食を担当します。

前回はすぐに 『　もういい。 』と振られてしまいました。

さて。どうしたら食べてくれるでしょう。


　　　　　　　　　　　　　　　　　


以前、婦長からハルさんが　昔お弁当屋さんだったと聞きました。

それで私はお弁当の話をしてみました。　Hello～

「　毎日、お弁当を３つ作るんだけど　何にしようかと頭が痛いのよね。

　今日はね、ご飯と梅干し、卵焼きと・・・」


こんな風に、食べろと一言も言わないで話しながら食事を口に運びます。

ハルさんはじっと聞いています。聞きながら定期的に口を開けて食べています。

わかっているのかいないのか・・・・私にはわかりません。


「　明日は主人だけだから、お弁当はひとつなの。

　主人の好きなサバの味噌煮を入れようかしら。前にも入れてあげたんだけど・・

　あら？灰汁抜きってどうやるんだったかしら？？？」


　本日ハルさんは　昼食をなんと、全量摂取してくれました　

　ハルさん、早く元気になって私のお弁当の相談に乗って頂戴ね。。

　実は レパートリーがとっても乏しいの・・・