玻璃の天
2009-10-12 | 本
面白くて、あっという間に読み終わってしまいました。
「ベッキーさんと私」シリーズ第二弾
今回はさらに戦争の暗い影が主人公たちに迫ってきています。
たとえば、英子と若い将校さんとの会話が印象的です。
全体主義の世の中になりつつある中で、自由を強く素朴に訴える英子と
現実の苦境を救うためには全体主義も辞さないという将校とが会話をするシーン。
二人は似た感性をもっていて、惹かれあうものがあるのに、
時代によって引かれた越えられない一線が、二人を画してしまっている。
それから、ベッキーさんの素性が明らかになる表題作「玻璃の天」のラストシーンでは、
英子の「こうなる前に止めたかったのよね」という台詞があるのですが、
軍国主義が来るところまで来てしまっている物語世界の中では、この言葉がすごく哀しく響きます。
そんなこんなで、この作品が現代に問うていることの意味なども考えさせられつつ、
でもミステリの楽しみも十分にあって、読む甲斐のある本でした
そして、第三弾にして完結編の「鷺と雪」、
文庫になるのを待つなんて、とてもできそうにないので買ってきてしまいました
1400円
まあ、普段必要に迫られて購入している本に比べたら、ずいぶん安いので、時々は単行本もいいですよね
「ベッキーさんと私」シリーズ第二弾
今回はさらに戦争の暗い影が主人公たちに迫ってきています。
たとえば、英子と若い将校さんとの会話が印象的です。
全体主義の世の中になりつつある中で、自由を強く素朴に訴える英子と
現実の苦境を救うためには全体主義も辞さないという将校とが会話をするシーン。
二人は似た感性をもっていて、惹かれあうものがあるのに、
時代によって引かれた越えられない一線が、二人を画してしまっている。
それから、ベッキーさんの素性が明らかになる表題作「玻璃の天」のラストシーンでは、
英子の「こうなる前に止めたかったのよね」という台詞があるのですが、
軍国主義が来るところまで来てしまっている物語世界の中では、この言葉がすごく哀しく響きます。
そんなこんなで、この作品が現代に問うていることの意味なども考えさせられつつ、
でもミステリの楽しみも十分にあって、読む甲斐のある本でした
そして、第三弾にして完結編の「鷺と雪」、
文庫になるのを待つなんて、とてもできそうにないので買ってきてしまいました
1400円
まあ、普段必要に迫られて購入している本に比べたら、ずいぶん安いので、時々は単行本もいいですよね