ミュージカルな日々

ミュージカル好きの私が、観劇・映画・ドラマ・音楽・本の感想を書きつづるブログ、になる予定。

街の灯

2009-10-05 | 
久しぶりに北村薫さんの作品を読みました

北村さんといえば、
大学に入ってすぐのころに、友人から「空飛ぶ馬」を薦められました。
その後「円紫さんと私」シリーズは一気に読破。

高校生の頃に「覆面作家」シリーズや「スキップ」「ターン」「リセット」の「時と人」三部作は読んでいましたが、「円紫さんと私」シリーズが一番好きです

大学生、それも真面目な女子大学生が主人公で、ちょっとしたミステリー仕立てなのが、洒落ていてすごく面白い。時々スリリングですらあります。
加えて、主人公の心情がきめ細やかに描写されていて、すごく自分に近いものを感じながら読んだだけに、私にとって本当に特別な作品です

一方、最近直木賞をとった彼の最新シリーズが「ベッキーさんと私」シリーズ。
その第一作が、「街の灯」です。
今まで、手を着けていなかったのですが、今回直木賞で話題にもなったので、久しぶりに北村作品を手にとりました。

とっても面白かったです。ミステリーとしても、そうですし、彼女を取り巻く女の子たちの描写が細やかで、時々どきっとさせられました。

時代設定が昭和初期であること、主人公が中学生か高校生くらいの年頃であること、が「円紫さんと私」シリーズとは全然違いますが、一人称形式ということで、雰囲気はちょっと似ています。
でも、内省的な傾向のある「私」と違って、ティーンの「英子」は無邪気な面もあって、はつらつとした感じなので、やっぱり共感するとしたら「私」の方ですね。

もう一人の主人公ともいうべき、ベッキーさんのことがまだまったく明らかになっていないので、同シリーズの「玻璃の天」「鷺と蛍」も読んでみたいと思います。

昔別のブログでも書いたことがあるのですが、もし自分に娘がいたら、

小学校高学年か中学生になったら「覆面作家」シリーズ
高校生になったらこの「ベッキーさんと私」シリーズと「時と人」三部作
大学に入ったら「円紫さんと私」シリーズ

を順々に薦めて読んでほしいなぁと思うのです。

うむむ、こう書いているうちに「円紫さんと私」シリーズをまた読みたくなってきました(笑)