新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

大場 松魚 蒔絵・人間国宝

2011-10-11 21:35:36 | 旧仏像ワンダフル
漆塗りの人間国宝、大場松魚さんの仕事に対する心構えを
インタビュー形式で語った言葉を読む機会がありました。

 技は仲間と競い合うのか・・

  「人間なんてもの、相手にしていたってしょうがない。
   皆、疲れてくると決まって能率が下がる。
   それですぐ、負ぁけた、やめたと言って投げ出しちゃう。
   人間のように頼りないものはないですよ。
   だから私は時計と競争する。
   夜も夜中も、あったものじゃない。」

 時計に勝つこともあることについて・・

  「なぜ負けないか。人間には「頭」があるからです。
   時計はチッ、チッ、チッ、チッ、と一定のリズムで時を刻む。
   しかし人間は、この仕事をこの時間までに仕上げるんだと
   腹を決めれば、グッと時間を短縮することができる。

   だから仕事を速くしようと思えば、目標時間を決め、
   それに対して集中攻撃を掛けることです。

   そうすれば1分速くなるか、5分速くなるか、
   いくらかでも速くなるんです。敵に勝つんですよ。

   そうやって時計に逆ねじを食らわせるような意気込みで
   仕事に向かうことが大切です。」
                   月刊『致知』より
                  
中尊寺金色堂の修繕なども手掛けた大家が、
よもや納期に追われる仕事をしているとは思えませんが
90歳を過ぎてなお、この気概で仕事に挑んでいるとは
ハハーッ!(敬礼)恐れ入りました。