DREAM

幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

突発SS  大事なことです。

2016-07-03 07:57:17 | 妄想黄泉×蔵馬SS
他人には下らないことでも。
その人にとってだけは重要な事はある。

のは、解っているが。
それの答えを自分が言っていい物か。
寧ろ。
何で自分なんだ。他にいるだろう。
蔵馬とか蔵馬とか蔵馬とか。

目の前に立った強大な力を持つ長身の鬼を
見上げながら鈴木は心の中で助けを求めた。
が。
都合よく助けなんて来るはずもなく、無言の鈴木に
焦れたのかその鬼はもう一度彼に問いかけた。
『自分は幾つくらいに見えるか?』と。

鈴木は自分の研究室から気分転換にと人間界にふらりと
遊びに来ただけだった。財布の中の人間界通貨が
淋しかったので知り合いの多くが住む都市まで足を
伸ばしたのだ。久し振りに会えたら楽しいだろうとも
思ったので。
きっとそれがいけなかった。
財布の中が二千円だったら二千円で満足出来る場所に
行けば良かったのだ。分不相応な真似をするからこうなった
んだぞ、と一時間前の自分に説教したい。

皿屋敷の駅に着いてそのまま駅ビルの中を散策した。
怪しげなラスタ系のショップは鈴木の好みの品揃えだったりする。
ちらりと覗けば欲しい物が幾らかあった。
財布の中身では勿論足りない。
浦飯の屋台の仕込みを陣が手伝ってバイト代を貰ったと聞いた。
ならば自分もそうするかと考えたところ良く知る気が階下から
感じられた。
これは幸運と鈴木はエスカレーターで階下に降りる。
気を辿り見つけたのは。
元直属の上司と上司の上司。
と言うか蔵馬と黄泉だった。あと何故か修羅でなく氷女雪菜。
女子向けのセレクトショップで何やら蔵馬に相談しながら
雪菜は小さく『違う』やら『これじゃない』やら呟いている。
手持ちぶさたな黄泉が何故かチンアナゴの縫いぐるみを手にとって
いじくりまわしていた。
幾ばくか金銭を借りようと近づこうとした時。
悪魔達の声がしたのだ。
「ちょっと見て。あのオッサンヤバイ」
「マジうける~!」
「縫いぐるみ(笑)しかもチンアナゴ?!」
現場の空気が一瞬凍った。
でもほら相手は女子高生。傍若無人が服を着ている年齢だ。
自分より一歳歳上なら全部爺婆になるお年頃。
黄泉もそれに気付いたのかチンアナゴを棚に戻す。
女子達の興味は疾うに黄泉から近くの店のイケメン店員に移っている。

ほっと息を吐いて鈴木はあと5分したら三人に声を掛けようと決めた。
着かず離れずの距離で跡を着ける(まあ、気づかれてはいるだろうが。)
呉服屋の店頭に飾られた和小物の巾着を手に取り暫く考え込んでいた雪菜が 
蔵馬に頷く、小さく微笑んで蔵馬は店員に声をかけた。
二人と店員がレジに向かう。
今がチャンスと鈴木は黄泉と呼び掛けようとした。
時。
もう一人の堕天使が現れ囁いた。
「お綺麗な御嬢様達ですこと。
御父様もご自慢でしょう?」

それはーいっちゃあいけないことなんじゃないすかねー。

確かに蔵馬さんと雪菜ちゃんは綺麗な美人姉妹だ。(一人男だと言う
ツッコミは飽きた)ついでに二人は十代半ばと十代後半くらいの
外見年齢で、黄泉は三十代くらいに見える。

見ようによっては雪菜の父親に見えなくもない。
蔵馬の父親に見えても仕方なくない、が。

御父様はないんじゃないか。
一応1児の父親であるが千年生きているが。

他人事ではあるが鈴木は青い顔で冷や汗を流した。
ホラー映画並の動きで黄泉は鈴木を見つけると
肩を掴んで人通りの少ない通路に連行すると問い掛けて来たのだ。
『オレは幾つに見えるか?』と。


と言われても。
正直に三十代と伝えていい物か。 
途方に暮れる鈴木は黄泉の肩越しに
蔵馬さんと雪菜ちゃんがこちらを見ているのに気付いた。
雪菜は両手を握りしめて音に出さずファイトです❗と言い
蔵馬さんはスマホを此方に向けた。
液晶には。
『修羅と母さんと合流するから黄泉は任せた。』
任されても困るんだが~!?と念を送ると
もう一度スマホを操作して蔵馬さんは鈴木にみせた。
そこには。
(;´_ゝ`)
とだけ出ていた。
(めっちゃ意味わからんぞオイ?!)
じゃーねーと手を振る二人を不本意ながら見送りながら
分を弁えるって大事な事なんだなと、鈴木は
強大なプレッシャーを感じながら悟った。



~パッと見です。
めっちゃ歳の差カップルですなあ。
鈴木と入力するたび何故か鈴木杏樹が
一番始めに出て来るのは何故だらう・・・


最新の画像もっと見る

コメントを投稿