「パパ!すっごいおいしそう!」
興奮気味にスプーンを持った手を振り回す息子を
どこかぼんやりと見ながら黄泉は考えた。
果たしてこれは職業倫理に反しないか?と。
一応上司である学年主任の雷禅の許可は得てはいるが、
教え子の自宅で息子と三人で食卓を囲むのは如何なものか。
ー同僚の躯などは気にもしないだろうが。
高い位置で一つに纏めた髪をふわりと揺らしながら
黄泉の教え子ー蔵馬は微笑んだ。
「出来ました!」
味噌汁と玉葱が多めのしょうが焼きにほうれん草入りの
卵焼き小鉢にもられた肉味噌。それに炊きたての土鍋ごはん。
料理に疎い黄泉でも解る。
たった30分やそこらでこれだけ用意出来るのは
かなりの技術が必要なのだと。
「食べていい?食べていいの?」
「いいよ、いただきますしてからね。」
「い~っただきます!」
「ちゃんと良く噛んでね。」
肉を口に放り込んだ修羅は幸せそうに笑った。
「パパ!これおいしい!
お姉ちゃんすごい天才!」
「・・・・ありがとう。でもおにいちゃんだから。」
そうだ。
花見客で浮かれる公園で一人静かに座る蔵馬は
マニッシュな美少女だった。学校で再会した時は
美少年だったが。
「黄泉先生も食べませんか?
あ、もしかして肉、駄目ですか?」
「いや、そんなことは。」
「パパ!おいしいから!たまねぎ!とろとろ!」
箸で肉と玉葱を摘まみ口にいれる。
仄かなしょうがのかおりと玉葱のあまさが広がる。
肉は筋がきちんと切ってあるのか噛みきるのに
余計な力がいらない。
要するに。
「うまい、な。」
「ね、おいしーでしょ!こっちのポロポロのお肉ご飯にのせると
さいこうだよ!」
「ポロポロ?」
「あ、肉味噌です。母さんが作り置いてくれてるんで。」
かたんと椅子から立ち上がる音がする。
「野沢菜とか塩辛とかもありますよ。持ってきましょうか?」
「いや、大丈夫だ。君も食べたらどうだ?」
「お姉ちゃんもいっしょにたべよ😃」
「あ、はい・・・・すみません何かあがってしまって。」
「いや、いい。」
「ごちそうさまでした!」
ぱん。と両手をあわせて修羅が挨拶した。
「はい、お粗末様でした。」
「すっごいおいしかったよ~。たまねぎとろとろで。
お弁当とかお店のとかよりおいしかったよ!」
「そっか、ありがとう。嬉しいです。」
カチャカチャと音がしふわりと緑茶の香りが漂う。
「先生どうぞ。あの。」
「ボクもお茶?」
「修羅くんは麦茶でいいかな?」
「うん。」
湯飲みを両手で包む。
食事の後に温かい茶なんていつぶりだろう。
自分と修羅の世話をしていた老爺が故郷に
帰って以来だ。
「で、あの先生、駄目、ですか?
兄なら心配しないで下さい。海外に行ってて
連絡も殆どありませんし。」
「あ、いや蔵馬のことは別にもう。」
「蔵馬?お姉ちゃんのこと?」
「違うよ先生が今言った蔵馬はオレの兄さんのこと。」
「?じゃお姉ちゃんだれ?」
「えーとね、オレは蔵馬秀一。オレの兄さんが蔵馬妖一。
妖一は黄泉先生の学生時代のお友達なんだよ。」
凄く仲の良い。
そう、仲が良すぎるくらい良かった。
何度かそっちの意味で『寝た』くらい。
「あの、やっぱり無理、ですか?
毎日とか毎週とかじゃなくて良いんです。
月一くらいで・・・母も入院してるし
友達誘うのも何か悪くて。
先生なら。先生と修羅くんなら
あの、オレのご飯おいしかったんですよね?」
「うん!」
秀一の勢いに押され思わず
「あ、ああ。」
「だったらあのうちでご飯食べませんか?」
「は?」
「オレのっ、ご飯うちで食べませんか?!」
~やったけど後悔してない。
設定説明😆
黄泉様 秀一の通う高校の教師 担当科目は知らん。目は見えてない?
秀一の兄妖一と昔デキてた(笑)
修羅 幼稚園児。
蔵馬さん 黄泉様の勤める高校の生徒。料理上手。母親と二人暮らしだか
母親が体調崩して入院。 年の離れた兄(妖狐)が小さな頃何も言わず
家を出たのがちょっとだけトラウマ。
みたいな。
なんかボーイズラブっぽいなあ。
じゃ、今までのはなんだったんだと・・・?
興奮気味にスプーンを持った手を振り回す息子を
どこかぼんやりと見ながら黄泉は考えた。
果たしてこれは職業倫理に反しないか?と。
一応上司である学年主任の雷禅の許可は得てはいるが、
教え子の自宅で息子と三人で食卓を囲むのは如何なものか。
ー同僚の躯などは気にもしないだろうが。
高い位置で一つに纏めた髪をふわりと揺らしながら
黄泉の教え子ー蔵馬は微笑んだ。
「出来ました!」
味噌汁と玉葱が多めのしょうが焼きにほうれん草入りの
卵焼き小鉢にもられた肉味噌。それに炊きたての土鍋ごはん。
料理に疎い黄泉でも解る。
たった30分やそこらでこれだけ用意出来るのは
かなりの技術が必要なのだと。
「食べていい?食べていいの?」
「いいよ、いただきますしてからね。」
「い~っただきます!」
「ちゃんと良く噛んでね。」
肉を口に放り込んだ修羅は幸せそうに笑った。
「パパ!これおいしい!
お姉ちゃんすごい天才!」
「・・・・ありがとう。でもおにいちゃんだから。」
そうだ。
花見客で浮かれる公園で一人静かに座る蔵馬は
マニッシュな美少女だった。学校で再会した時は
美少年だったが。
「黄泉先生も食べませんか?
あ、もしかして肉、駄目ですか?」
「いや、そんなことは。」
「パパ!おいしいから!たまねぎ!とろとろ!」
箸で肉と玉葱を摘まみ口にいれる。
仄かなしょうがのかおりと玉葱のあまさが広がる。
肉は筋がきちんと切ってあるのか噛みきるのに
余計な力がいらない。
要するに。
「うまい、な。」
「ね、おいしーでしょ!こっちのポロポロのお肉ご飯にのせると
さいこうだよ!」
「ポロポロ?」
「あ、肉味噌です。母さんが作り置いてくれてるんで。」
かたんと椅子から立ち上がる音がする。
「野沢菜とか塩辛とかもありますよ。持ってきましょうか?」
「いや、大丈夫だ。君も食べたらどうだ?」
「お姉ちゃんもいっしょにたべよ😃」
「あ、はい・・・・すみません何かあがってしまって。」
「いや、いい。」
「ごちそうさまでした!」
ぱん。と両手をあわせて修羅が挨拶した。
「はい、お粗末様でした。」
「すっごいおいしかったよ~。たまねぎとろとろで。
お弁当とかお店のとかよりおいしかったよ!」
「そっか、ありがとう。嬉しいです。」
カチャカチャと音がしふわりと緑茶の香りが漂う。
「先生どうぞ。あの。」
「ボクもお茶?」
「修羅くんは麦茶でいいかな?」
「うん。」
湯飲みを両手で包む。
食事の後に温かい茶なんていつぶりだろう。
自分と修羅の世話をしていた老爺が故郷に
帰って以来だ。
「で、あの先生、駄目、ですか?
兄なら心配しないで下さい。海外に行ってて
連絡も殆どありませんし。」
「あ、いや蔵馬のことは別にもう。」
「蔵馬?お姉ちゃんのこと?」
「違うよ先生が今言った蔵馬はオレの兄さんのこと。」
「?じゃお姉ちゃんだれ?」
「えーとね、オレは蔵馬秀一。オレの兄さんが蔵馬妖一。
妖一は黄泉先生の学生時代のお友達なんだよ。」
凄く仲の良い。
そう、仲が良すぎるくらい良かった。
何度かそっちの意味で『寝た』くらい。
「あの、やっぱり無理、ですか?
毎日とか毎週とかじゃなくて良いんです。
月一くらいで・・・母も入院してるし
友達誘うのも何か悪くて。
先生なら。先生と修羅くんなら
あの、オレのご飯おいしかったんですよね?」
「うん!」
秀一の勢いに押され思わず
「あ、ああ。」
「だったらあのうちでご飯食べませんか?」
「は?」
「オレのっ、ご飯うちで食べませんか?!」
~やったけど後悔してない。
設定説明😆
黄泉様 秀一の通う高校の教師 担当科目は知らん。目は見えてない?
秀一の兄妖一と昔デキてた(笑)
修羅 幼稚園児。
蔵馬さん 黄泉様の勤める高校の生徒。料理上手。母親と二人暮らしだか
母親が体調崩して入院。 年の離れた兄(妖狐)が小さな頃何も言わず
家を出たのがちょっとだけトラウマ。
みたいな。
なんかボーイズラブっぽいなあ。
じゃ、今までのはなんだったんだと・・・?