バリアフリー

明日、２年２ヶ月の仮住まいを終えて、両親が引っ越しをする。
以前住んでいたところに建った高層マンションである。
金曜日、仕事を終えてから、引っ越し準備の手伝いに、午後から実家に行った。
鍵の引き渡しがその日にあり、早い人は、その日に引っ越しをしていたので、大混乱であった。
敷地は限られているので、引っ越し業者も３社の中から選ばなければならず、自分でいろんなところに声をかけて見積もってもらったりはできなかったそうである。
しかも、行きよりも荷物も減っているのに、行き（前の家から仮住まいまでの引っ越し）よりも倍の金額がかかるそうである。
これって、ぼったくりじゃないか？と思った。
まあ、そんな不満も持ったまま、新しい家の鍵をもらって中に入った。
オートロックの、それはそれは素晴らしいマンションであった。
中も、バリアフリー仕様になっており、家の中の段差がほとんどない。
中の設備も、今時のマンションでは当たり前なのかもしれないけど、すべて、キッチンのコントロールパネルで操作でき、風呂も、押すだけで、自動でお湯張りをして、保温もしてくれる。
スイッチのたぐいも、平面に近い作りで、ほとんど、力を入れずに操作できる。
リビングには、ビルトインの空気清浄機もあり、天井も高い。
と、ここまで書くと、ものすごい高級マンションのようだけど、実際は、？？？って感じが多かった。
仕様は豪華なのだが、各々の作りがちゃちなのである。
廊下を歩くと床鳴りがするし、壁もものすごく薄そうである。
実際に住んでみないと、近隣の騒音もわからないが、あれでは結構、音がするのではないかと危惧している。
何よりも、以前の物件は相当に老朽化していたので、バブルの頃ならいざ知らず、等価交換ともいかず、かなりの（中古マンション１軒買えそうなくらい）の追い銭をしているにもかかわらず、６０平米もない広さなのである。
年寄り二人には十分かもしれないけど、ちょっと悲しい気持ちがした。
それに、ものすごい「高性能」なので、うちの両親は全く使い方が理解できないようで、玄関のドア一つ取ってみても、開け方がわからず、四苦八苦していた。
ダブルロックになっており、オートロックも兼ね備えているので、セキュリティーは万全なのかもしれないけど、うちの親のことだから、チャイムが鳴ったらすぐに玄関を開けてしまうのだろうと思う。
オートロックなんちゅ～ものは、入り口を突破してしまえば、あとは逆密室みたいになってしまい、使い方を誤ると、返ってコワイ気がするのである。
こういったことは、バリアフリーになってることが、返って「障害」を生んでるように思えるのだが、一日も早く新しい家になじんで欲しいと思う。

父親なんぞも、もう、７０代の後半に突入しているので、この２年以上の仮住まいは、本当に可哀想に思った。
あとは、一日でも長く、新しい家で快適に楽しく暮らして欲しいと思っているcoconutなのであった。