オ リ メ ガ。

萌え専用ブログ。ほぼBASARA3の石田三成に陣地占領されてます(笑)。

コペルニクスの呼吸(中村明日美子)

2008-03-14 | BL漫画感想
「ダブルミンツ」を読んでイッパツ惚れした私は、中村明日美子さんの作品をすべて購入。
「コペルニクスの呼吸」、「Jの総て」、「ばら色の頬の頃」、「鶏肉倶楽部」、と古い
作品へ逆行する形で読んだワケですが、ちょっとオドロキでした。
「コペルニクスの呼吸」は、ヨーロッパのサーカスが舞台で、男と男もありますが
男と女、姉と弟、SM、と退廃的で耽美な世界が独特の絵柄で展開されています。
サーカスで生きる一人の青年の自分探しの物語・・・でしょうか。
「Jの総て」などもそうですが、ちょっとクセがあってマニアックで退廃の香水がキツイ
というか、かなり息苦しいかもしれません(笑)。
「Jの総て」は主人公J(オカマの女装好きな美少年)の人生の物語。
やっぱり男と男、男と女、SM、と退廃的です。が、構成が面白く出来ていて、プロローグ
とエピローグが現在。その中で過去を回想するという形で話が進みます。時間的にも
少し逆行する部分とかもあって、なかなか凝った展開の仕方が好きです。
ただ、惜しむらくは"ギムナジウム編"がとても中途半端に終わってしまっていること。
Jの人生でその後も再会する人たちとの出会いと別れ、なのですがJが初めて愛した
ポールとの別れがあまりにもブツっと切れちゃってる感が否めなくて、どうにも物足り
ない感じなんです。
ポール側の本当の気持ち、みたいなものが一切書かれていないのであのままだと
ただ弱くてズルイ人に見えてしまう。
その後に再会しますが、4年間の彼が一体どんな風に過ごしたのかもよくわからない
し、あれでどうして再燃するのかピンとこない感じ。
もう少し長く描いてほしかった"ギムナジウム編"ですが、ポールとモーガンの出会いを
描いた過去編は「ばら色の頬の頃」で読むことができます。
むしろこっちの方が好きだったりします(笑)。どうしても思い出してしまうんですが、
ポール、モーガン、Jの三人を見てると「トーマの心臓」(萩尾望都)のユーリ、オスカー、
エーリクを彷彿とさせられてしまいます。位置的なものが重なるからですね。
ポールとモーガンだけだと、グレアムとアンジー(「はみだしっ子」三原順)も思い出され
ます。「同級生」の佐条くんと草壁くんも似てる気が・・・。

「コペルニクスの呼吸」はヨーロッパ映画のような読後感で、「Jの総て」はアメリカ映画
といった感じでしょうか。

「鶏肉倶楽部」は、短編集ですが、さらにマニアック度が増します(笑)。かなりスゴイので
読む人を選ぶかもしれないですね。
「片恋の日記少女」という、少女漫画の短編集も出ていますので、抵抗を感じる人は
ここから読む方がイイかもしれません。

※「鶏肉倶楽部」の中に、「コペルニクスの呼吸」に出てくるレオの過去のお話が描き
おろしで載っています。初恋バナシですが、このお話がとても好きです。女の子が
クリスティーナ・リッチがちょっと太ってた頃の感じ(笑)みたいで可愛くてイイです。


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