chuo1976

心のたねを言の葉として

「二十億光年の孤独」   谷川俊太郎

2012-04-13 06:01:18 | 文学
「二十億光年の孤独」   谷川俊太郎




人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする

火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或はネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったく確かなことだ

万有引力とは
引き合う孤独の力である

宇宙は歪んでいる
それ故みんなは求め合う

宇宙はどんどん膨んでゆく
それ故みんなは不安である

二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした
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