chuo1976

心のたねを言の葉として

「草原の夜」 金子みすず

2012-12-15 05:06:23 | 文学
   「草原の夜」 金子みすず



 ひるまは牛がそこにゐて、
 青草食べてゐたところ。

 夜ふけて、
 月のひかりがあるいてる。

 月のひかりのさはるとき、
 草はすつすとまた伸びる。
 あしたも御馳走してやろと。
 ひるま子供がそこにゐて、
 お花をつんでゐたところ。

 夜ふけて、
 天使がひとりあるいてる。

 天使の足のふむところ、
 かはりの花がまたひらく、
 あしたも子供に見せようと。
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