ドン・ペリニョンのバブルがはじけた時

2008-12-03 10:51:38 | チーズと酒類
新宿伊勢丹で開催されていた「ノエル・ア・ラ・モード
~シャンパーニュの祭典~」に行って来ました。
フランスから大手メゾンだけでなく、小さなメゾンも
来日し、会場はかなりの賑わいです、祭典の名に
ふさわしい華やかさもありました。
ところが、あきらかに人気のないブースが2つあることにコロ子は
気づきました。
小さな声で言いますが、ドン・ペリニョンとモエ・エ・シャン
ドンです。

もう随分前の話になりますが、某国賓が来日されて、宮中晩餐会が
開かれ、メニューが新聞に掲載されたことがあります。
その中でいつまでも忘れずに記憶にこびりついていたのが、ドン・
ペリニョン××××年という飲み物でした。

コロ子の家は労働者階級で、クリスマスにシャンメリーを
買うのが関の山でした。シャンパーニュなど見たことも
ありません。
だから「大人になったら自分で働いて、ドン・ペリニョンを飲む
んだ~」と心に強く誓ったのです。

十数年後夢は叶いました。
畏まってコルクを開けた時、どんなに嬉しかったことでしょう。
ボトルから丁寧にラベルを剥がして取っておいたほどです。



時は流れて、2000年頃ユーロは最安値をつけ、近くのスーパーでも
ドン・ペリニョンを9,800で買うことができるようになりました。
しかも売れ残った2本は「半額」のシールが貼られて4,900円になり、
ひっそりと見切りワゴンの仲間入りを果たしたのです。

もちろん買いました。正直うれしかったです(^-^)。しかし同時に
コロ子の中で長年かかって醸成されたドン・ペリニョンバブルが
一気にはじけてしまったのでした。

宮中晩餐会の飲み物、御簾(みす)ごしにしか見られそうにない
高貴なお酒が、スーパーの見切り品になるなんて!

今やモエ・エ・シャンドン社のシャンパーニュはどこへ行っても販売
されています。最大手のメーカーですから当然でしょう。
だからノエル・ア・ラ・モードわざわざ買うことはない.....。人々は
そう考えたのだと思います。特別な催しの時にこそ「小規模生産者が
作っためずらしいシャンパーニュを買いたい」と思うのは人情ですから。

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