グー版・迷子の古事記

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シナツヒコ

2013年10月01日 | 古事記
風の神様と言うと、私は真っ先にスサノヲを思い浮かべます

タケハヤスサノヲ(建速須佐之男)

はやい(速)、風がすさぶ(須佐)、名前から見るとどうみても風の神様にしか見えません。
またイザナギの禊払いで、スサノヲは鼻から産まれる事からも風の神様に間違いないのですが、神話では荒々しさ以外にあまり風の神様らしさを感じません。

そこでまずは、別の風の神様・シナツヒコについて考えてみました。

  《シナツヒコ》

シナツヒコ(志那都比古・級長津彦)
「志那都比古」は音しか表現していないため「級長津彦」で考えて見ます。

級 … 短い糸をつなぎ合わせ、1本の糸にしたもの。
長 … 長い。
津彦 … ツヒコ(~のヒの御子)

シナツヒコの性格を表すのは「シナ(級長)」です。
「級」で「シナ」と読める所を「シ」だけ読み、「ナ」には「長」を当てています。

「級」は現在の意味(短い糸をつなぎ合わせ1本の糸にしたもの)では、風の神を理解しづらいので、「長」から焦点を当ててみましょう。

シナ(級長)は、「(何か)が長い」を意味します。
何が長いのでしょう?
「シ」とは何でしょう?

通常は「シ」を「」と解釈するようです。
神様の長い息が風になる…と言うことです。

私は「シ」は単に「風」では無いだろうか?と思いました。
古代において風を表す言葉が誕生する過程を想像して見てください。

風は目に見えません。
目に見える物体に名前を与える時は、例えば指差して何か声を発すればそのうち共通の認識が出来ると思います。
では目に見えない物体に名前を与える時は、どうなのでしょうか?

あなたなら、言葉の通じない人に「風」を声で伝える時にどの様に表現するでしょうか?
私なら、口から息を吐き風のような音を立てると思います
Syyyy

そうです、静けさを要求される場所で口に人差し指を当てて静寂を促す時に出す母音の無い音と同じです。
「しぃー」
口から空気を吐き出し立てる音ですから、風の音と同じです。

実際は、「シ」が「息」を表すのか「風」を表すのか分かりませんが、
私は「風」を表すとしばらく考えてみたいと思います。

もう一つの「ナ」について、
古代において「ナ」一音で「長い」を表現していたかもしれません。

オキナ(翁)は分解すると(オキ)(ナ)になると思います。
古代において「」は「オキ」と発音します。
また「息(イキ)」は「生きる」の語源ともされます。
このように考えると、オキナ(翁)は「長く生きる」と言う意味になります。

ここで少し戻りましょう

級 … 短い糸をつなぎ合わせ、1本の糸にしたもの。
飽くまでも私の想像ですが、古代の人たちは風を見えないほど短く細い糸がつなぎ合わさった物と考えたのではないでしょうか?
それ以外私には思いが及びません

今日のまとめ

シナツヒコは長い風を表した神様