今回は、前回に続いて、『嘘比べ見立評判』の後半(下段、西の方)です。
赤は意味が取れないところです。わかる方、御教示をお願いします。
『嘘比べ見立評判』
『嘘比べ見立評判』の後半(下段、西の方)
差添 手のある女郎のむつごと
(手のある女郎の睦言)
西 之 方
大関 早くしにたいといふ歳より
(早く死にたいと言う年寄り)
関脇 ばんにくるといふ朝がへり
(晩に来ると言う朝帰り)
小結 あすハうけるといふしち入
(明日は受けると言う質入れ)
前頭 しんぼうしますといふむす子
(辛抱しますと言う息子)
前頭 水入らずといふふるぎ屋
(水いらずと言う古着屋)
前頭 うらない者のおひねり
(占ない?者のおひねり)
前頭 もとねだといふあきう人
(元値だと言う商人)
前頭 なきごとをいふかねもち
(泣き言を言う金持ち)
前頭 子どものはなうた
(子供の鼻歌)
前頭 おとしたといふつり人
(落したと言う釣り人)
前頭 もふうらぬといふゐあいぬき
(もう売らぬと言う居合抜き)
前頭 初日から大入のかきつけ
(初日から大入の書き付け)
前頭 ほれましたといふ茶屋め
(惚れましたと言う茶屋女)
前頭 わかれぎハちと御出に成まし
(別れ際ちと御出に成りまし)
前頭 きのふのだんなと云かごかき
(昨日の旦那と言う駕籠かき)
前頭 見せものゝかたわもの
(見世物のかたわ者)
前頭 諸病のねきりくすり
(諸病の根切り薬)
前頭 善光寺へ納ると云ぼうさま
(善光寺へ納めると言う坊さま)
前頭 ちがふたらぜにハいらぬといふうらないし
(違うたら銭はいらぬと言う占い師)
前頭 取あげばゞのモウ一ツけん
(取りあげ婆のもう一軒)
前頭 くさぞうしのかたきうち
(草双紙の敵討ち)
前頭 開帳奉納金のかきつけ
(開帳奉納金の書き付け)
前頭 人ごミの馬じゃ馬じゃ
(人混みの馬じゃ馬じゃ)
前頭 のりこみのかごのうち
(乘り込みの駕籠の中)
前頭 いやそうなむすめのぼたもち
(嫌そうな娘のぼた餅)
前頭 いとまごいしてからお茶づけ
(暇乞いしてからお茶づけ)
前頭 それにハおよばぬと云金の利足
(それには及ばぬと言う金の利息)
頭取 縁談の仲人
(縁談の仲人)
【差添え】さしぞえ、さしぞい。副主催者格で、興業全般の世話をした。江戸時代から明治13年までの相撲番付に、勧進元、行司、頭取などとともに記されていた。
【手のある】手練手管に通じた
【質受け】元金と利息を揃えて、質入れした品を取り戻すこと。
【茶屋女】水茶屋で、客に酌をしたり遊興の相手をした女。
【根切り】根絶
【草双紙】江戸時代の大衆向け読み物。仇討など通俗的な物が多かった。
【乘り込み】江戸時代、京坂の役者が江戸の劇場へ、江戸の役者が京阪の劇場へ出演する際、劇場へ到着して、挨拶をする儀式。
【居合抜き】人々を集め、長刀を抜く芸みせた後、薬や歯みがきを売った。
【頭取】相撲興業で力士を統括する人。年寄。
「東の方」を「勧進元」と言うのに対し「西の方」を「差添え」と言うのでしょうか?
「手のある女郎の睦言」も笑えますね(^_^)
「西の方」のほうが前頭の数が多いですね。それに「頭取」という番付(?)まであるんですね。
水入らずといふふるぎ屋
ふるぎ=古着 水入らず=気を遣わずに済む(関係)ということで、「ウチで扱う着物は(安い)古着だよ。だから(破れたり汚したらどうしようと)気を遣わずに着られるよ!」という意味かしら…。
素人の解釈です(>_<)
Drのコメントで、勧進元、差添などを調べてみました。差添や頭取は、相撲用語でした。
ブログを訂正しましたので、見てみてください。
ただ、東方、西方とは関係ないと思います。それから、番付の上下と嘘のできばえも適当でしょう。なんせお遊びですから。
それこそブログ投票でランキングを決めたらどうでしょうか。
Drの場合は、このまま勧進元が別格でしょう(^.^)
江戸時代、驚くほど多くの古着屋があったそうです。というより、服を新調するのはよほどのことで、服は使いまわすのが当たり前の時代。古着屋が現在の洋服店に相当していたと思います。
私は、「水入らず」は、まだ洗ったことのない、程度の良い服だと言って売る時の商売用語だったのではないかと思います。なんせ、和服(外衣)を洗いに出すのは、数年に一度でしたでしょうから。
差添、頭取は、相撲用語だったのですね。
相撲の番付表などは、じっくりと見てもいないので分かりませんでした。
新しい解説が付いて、よく分かりました(^_^)