高麗青磁の鉢です。
径16.5-17.2 ㎝、高台径 5.6㎝、高 4.2㎝。高麗時代。
発掘品です。青磁は、黄茶がかった酸化色です。
高麗時代の日用品でしょう。
大きく歪んでいます。
内側はまあまあですが、外側はひどくカセています。
まだ、取りきれていない土錆が残っています。
高台外に、釉はずしの部分がありますが、土中時の釉剥がれもあって、何が何だかわからない状態です。
このように、あまり取り柄のない品ですが、どうして購入したかというと・・・・
微かにそれと認められる陽刻です。
草紋でしょうか。
朝鮮半島の陶磁器では陽刻は少ないです。
一部の高級品を除いて、陶磁器装飾の基本は、陰刻なのです。高麗青磁の白黒象嵌や李朝の粉青沙器の白釉掻き落とし(例として、日本でいう三島模様)など、高麗、李朝を代表する陶磁器は、皆、陰刻を基にしています。
で、そんなことから、例の天邪気の虫が頭をもたげて、誰も注目しないような品が手許にやってきた次第です(^.^)
高麗青磁で陽刻のものは見たことがないです。
目のつけどころがちがいますね(^_^)
本家の中国でもそうですが、優品の陽刻は削り出しですよね。時代が下がって量産化になると、型陽刻。シャープさに欠けます。
今回の品も型です。陽刻というのをやってみようかな、ぐらいの気持ちで作ったのかも知れませんね(^^;