木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

1年間ありがとうございました。

2009-12-31 17:44:01 | 工房
今年最後の仕事の一つ


工房の入り口に、門松ではなく、先日浄法寺から送っていただいた漆の木(掻き殻)を立てました。
ここに、松飾りでも掛ければ良かったのですが、買うのを忘れました。
頭が寂しいので、小さな屋根でも付けようかと思います。

1年間ご覧いただきありがとうございました。では、良いお年をお迎えください。

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天才の技

2009-12-30 21:21:27 | 木工
昨日は五稜箸の納品に上桂まで行って来ました。


納品先のYさんは呉服の商いをされていますが、お得意さんの結婚のお祝いに、いつもこの五稜箸を使っていただいています。
新郎新婦のお名前を彫って金粉を蒔き、桐箱に入れてお納めしています。
Yさんいつもありがとうございます。

帰りに、いつもお世話になっているワタナベ機械店に寄りました。
ワタナベさんのところでいつも見せていただいているのがこれ

無造作に彫ったような鉢と、パスタなどを混ぜる篦。
これを作られたのは、アメリカでは有名ですが、日本ではあまり知られていない建築家。
やわらかく素朴な味わいの中に、凛とした気品・・・まさに天才の技です。
何度見ても見飽きることはありません。


おいてあるテーブルも同じ人の作品。これまたすごい。
詳しい写真はこちらへ。
こんな仕事がいつかはできるようになりたいと思ってるのですが・・・。

今年もあと一日を残すのみ。正月の準備、というわけでもありませんが、

まず、愛車の洗車。何ヶ月ぶりだろう・・・もしかしたら1年ぶりかも・・・。


きれいになりました。新車と変わらない!と、自分に言い聞かせています。

そして障子の張り替え。
もちろん自宅の障子です。

自宅が狭いので、工房に持ち込みました。
作業台の上でできるので、姿勢も楽で仕事がはかどりました。


大小合わせて10枚の障子を張り替えました。
明日は大晦日。もう一つ大きな仕事が残っています。


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制作準備 

2009-12-27 23:22:25 | 木工
五稜箸が完成しました。


拭漆の途中で反りが出たものをのぞくと、24膳できました。
たくさん作ったつもりでしたが、急に注文が入り、このうち20膳は行き先が決まっています。
うれしい限りです。

次の制作に向けて木取りにかかっています。


こちらは欅、2月の文化財漆協会展に出品する作品を作ります。


こちらは近畿展用の栃の杢板。
両方とも間に合うのでしょうか・・・。
何を作るのかは、お楽しみ。


これは五稜箸
何れも乾いた材を挽きましたが、しばらく動きを見て制作にかかります。

バンドソーを使い、もうもうと舞い上がる大鋸屑を扇風機で外へ吹き飛ばしたのですが・・・

その先にあった愛車が大鋸屑だらけになってしまいました。

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鉋 刃口埋め

2009-12-26 22:05:37 | 道具
先日完成したペアの合鹿椀


同じ炭山のKさんに納品させていただきました。
遅くなりましたが、お正月に使っていただけます。Kさんありがとうございました。

五稜箸の拭漆も完了したので、次の作品にかかる前に、刃口の広くなった鉋の口埋めをしました。


まず、木っ端返し側を蟻に掘ります。ちょっと深く掘りすぎましたが、まあいいか。


埋める材は赤樫を使い、掘った溝に合わせて蟻に削ります。


ちょっときつめにして、木槌で叩き込みます。


一旦抜いて、木ねじの穴を開けます。穴を長円にしておくと、刃口が開いた時たたき込むことができます。


木ねじでしっかり固定して


刃口を削ります。


台全体に鉋をかけ、きれいにしました。


昭和59年葉月鍛 千代鶴貞秀作、淡路の夕凪 一寸四分です。
昭和60年に購入したものです。
これでまた気持ちよく使えます。
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ゴムツク

2009-12-25 21:15:13 | 
銘々皿の拭漆も仕上げに近づいて来ました。(これで何回目だろう。)
片面ずつ仕上げるのですが、高台が低い(4mm程度)ので持つのが大変だったのですが、便利なものがありました。


その名も、「ゴムツク タコ球」 加藤漆店で見つけました。


球を握ってくっつけるとしっかり吸い付きます。


ひっくり返して漆を塗ったり、布で拭いたり・・・今まで4mmほどの高台を指の先でつまんでいた苦労が嘘のよう。


拭き終わったら球を握れば簡単にはずれます。


本来の「ツク」はこの右側にある棒状の物。これをビンツケ油や、最近では両面テープで漆器に貼り付けます。
上塗りで回転風呂で乾かす場合はこれでなくてはだめですが、拭漆などで使う場合はすぐに外せるこのゴムツクが断然便利。


こちらは、蒔絵練習用の手板。捨て摺を1回しただけなのでどうかなと思いましたが大丈夫。しっかり吸い付いていました。
良く付くといっても、ゴム球を握ったらだめです。カパッとはずれ大変な事になります。


表の面だけでなく、裏を残して木端、木口まで中塗りの黒呂色漆を塗ることができました。
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漆器の伝統工芸士???

2009-12-24 21:55:51 | 木工
千代鶴貞秀さんからお電話をいただき、その中で「先日の伝統工芸士会作品展で入選した槍鉋のことがネットに載っているらしい」とお聞きし、早速検索してみました。
ありました、ありました。
日本刃物工具新聞のブログです。
ところが、記事を読んでびっくり。
小生がいつの間にか「漆器の伝統工芸士」になっているのです。

伝統工芸士とは、(財)伝統的工芸品産業振興協会が、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事している技術者のなかから、高度の技術・技法を保持し、所定の試験に合格した人におくられる称号なのです。
勝手に「伝統工芸士」になってはいけません。
早速訂正のコメントをさせていただきました。


コメント (2)
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センターテーブル 納品

2009-12-22 21:31:17 | 木工
センターテーブルを納品しました。
納品先は、京都市内の特別支援学校の聴覚支援センターです。



大変遅くなりましたが、昨年度注文をいただいたソファーの間に置き、やっと応接セットになりました。


大きさ、デザインともご希望に添えたようで安心しました。
本当にありがとうございました。

ここは、私が2年前まで勤務していた職場。なつかしい皆さんと久しぶりにお会いし、いろいろお話ができました。
今日で2学期が終了。今年度は全国的な行事も抱え、大変な毎日でしたね。本当にご苦労さまでした。

その後、市内へ出たついでに、

もう一度、高麗美術館まで足をのばしました。


明日が最終日の「朝鮮の住まいと調度」展
どうしてももう一度見ておきたいものがあったのです。
本、パンフレットなどの写真は全くないということでしたので、しっかり目に焼き付けてきました。

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五稜箸 仕上げ

2009-12-21 21:35:12 | 
五稜箸は最終仕上げの段階に入りました。


生漆を刷毛摺りして綿布でしっかり拭き取り漆風呂で乾かす、この作業を3回程繰り返すと、木地の漆の吸い込みはほとんど無くなります。
その段階で次は、刷毛摺りした漆を、モスリンの布で拭くことにより、やや厚めに残します。そのため、箸の握る部分と先の部分とを交互に作業します。
普通拭漆には生漆を使うのですが、今回ここからは生漆ではなく、先日黒めた素グロメ漆を使うことにしました。
午前中、握る部分の摺りをして拭き取り、発泡スチロールの板に立てて漆風呂で乾かしました。


夕方までにはほぼ乾いたので、今度は先の部分に摺りをしてモスリンで拭きました。
この時箸の先端はあまり拭き取らず、厚めに残るようにしました。
塗ったところが触れないように手板に乗せて漆風呂に入れて乾かします。
これを3回ほど繰り返せば完成です。

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センターテーブル 仕上げ

2009-12-20 22:42:58 | 木工
センターテーブルの塗装が完了しました。

最近オイル仕上げの場合は、ドイツのリボス社の天然オイルを使っています。
1回目は、浸透性の良いオイルを塗って、しっかりしみ込ませ、400番の耐水ペーパーで研いだあと布で拭き取ります。
1~2日置き完全に乾燥したら、次は耐水性があり、やや光沢の出るオイルを塗って、やはりしばらく置いて拭き取ります。
通常はこれで良いのですが、乾いてから更に蜜蝋ワックスを塗って仕上げました。
遅くなりましたが、22日に納品させていただきます。

テーブルの向こうに見えるのは幼児用の椅子。

昨年春、嫁入り道具としてテーブルと椅子をお納めした東京のIさんに、この夏お子さんが生まれ、引っ越しを機会に注文をいただきました。
少し前に作り保管してあったものですが、オイル仕上げをもう一度して、やはり蜜蝋ワックスで仕上げました。
これらのオイルも、蜜蝋ワックスも天然素材の安全な物を使用しています。
Iさん、2~3日中に発送いたします。


五稜箸は捨て刷りと水研ぎが完了し、拭きの作業に入りました。

そして

なかなか仕上がらない楓の銘々皿の仕上げに再々度挑戦。
1000番の耐水ペーパーで研ぎ直し、刷毛刷りをして綿布で拭ききりました。
漆の乾きや艶について少しわかって来たので、今回はうまくいくでしょう・・・たぶん。

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2009-12-18 22:33:42 | 
私の漆の師匠Tさんの依頼で、漆の粘度計を届けに行って来ました。
お届け先は、京都市技術研究所工業技術センターの塗装技術研究室
いまは企画・管理グループの研究部長をされておられる大藪さんにお渡ししました。
大藪さんはまさに漆研究の第一人者。
大変お忙しい中でしたが、時間を割いてくださり、研究室を案内していただいたり、漆のなやし・くろめに関して抱いていた疑問についてお伺いすることができました。
そして、なんと

この本をプレゼントしていただきました。
広い漆芸の技術の中で私たちが用いるのは本当に極一部分でしかありませんが、自分で目的に合わせて漆を精製できれば、可能性はグンと広がるように思うのです。
この本で基礎的なことから勉強して行きたいと思います。
大藪さん、本当にありがとうございました。

その足で、加藤漆店に寄りました。
以前にお願いしておいた合鹿椀の木地ができあがってきたのです。

いつも在庫されている木地をもとに、厚みなどを少し変えて挽いてもらいました。


大、小二種類です。
加藤さんにも、いろいろ漆について教えていただきました。


市内へ出たついでに、府立病院での診察の終わった妻を拾って、高麗美術館まで足をのばしました。

今、高麗美術館では、この「朝鮮の住まいと調度」展が開かれています。
これほど李朝の家具が一度に展示される機会はあまりありません。
最近、韓国の歴史ドラマを良く見ていますので、正確かどうかはわかりませんが、それなりに生活の様子のイメージをもって家具をみることができました。
中でも、冊蔵(本当は木偏が付く蔵)の一つの、実に清楚で気品のあるたたずまいに大変感動しました。
今後の作品作りにちょっとヒントを得たような・・・。

そして、今日の締めくくりは

元同僚の瀬野さんの「針穴二人展」
毎回針穴写真の持つ雰囲気に引き込まれるのですが、今回はそのうちの「ゼフュロス」という作品に心惹かれました。
それにしても、モデルがとてもいいですね。


会場の西利ギャラリーはこの南座の近く。
京の歳末の風物詩、吉例顔見世興行のまねきが掲げられていました。
今年もあと二週間を残すのみとなってしまいました。


コメント (2)
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