木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

沼田砥

2009-04-30 20:41:36 | 道具
先日ちょっとブログに書いた、沼田砥
インターネットオークションで見つけ、落札しました。

届いた石はこれ

まさに凝灰岩!という感じの石です。
昔田舎にあった石とはちょっと違うような・・・

でも、

こんなラベルが貼ってありましたから、正真正銘の「沼田砥」

面を出すと・・

こんなので本当に研げるのだろうか、と鉋を当ててみると・・・
見かけによらず大変具合がよい。
青砥よりちょっと荒く、だいぶ硬く、2000番の人造砥石と青砥とのつなぎにちょうど良い。
この夏、田舎へ帰省した時、現地へ行って調べてみる価値ありです。
ちなみにこの沼田砥がとれた南牧村の砥沢は私の田舎から山一つ越したところ。
この山一つが大変なのですが・・・。

テーブルの拭き漆は

漆を塗って乾かし、水研ぎ。 その繰り返しが続きます。


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黒田乾吉木工塾

2009-04-29 21:58:28 | 
漆の定盤の抽斗からなつかしい写真が出てきました。
ちょっと恥ずかしいですが・・・


黒田乾吉木工塾での写真。塗師屋包丁で檜のヘラを削っているところ。
今から19年前、いずれも黒田乾吉先生の撮影です。
木工塾は京都市南区の樹輪舎で開かれていました。


テーブルの天板に漆をへら摺りしています。 この頃はまだ髪の毛もだいぶ残っていますね。


テーブルの貫の研ぎ。

このテーブル
完成形は、こちら。

我が家の唯一の拭き漆の家具です。

現状は

全くの普段使いで19年経ち、天板の漆はすり減ってきましたが、後はほとんど変わらずです。
椅子は家具屋のバーゲンで買った「半端物」。これも作りたいのですが・・・。



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五稜箸 鉋削り

2009-04-28 21:51:54 | 木工
今日も漆の乾燥には寒い一日でした。
そんなとき強い味方が入りました。


パネルヒーター
漆風呂の床に置くと下から面で暖めてくれます。

温度の管理は

風呂内の温度センサーとこのコントローラーでばっちり。20度に設定すればちゃんと20度を保ってくれます。
しかも、濡れたぞうきんを上に置いて湿度をコントロールすることもできます。
このヒーター、仏像彫刻の木芸舎を主宰される木工芸家の今野祥山さんに紹介していただきました。
今回が初使用ですが、実に具合良いです。
今野さん、ありがとうございました。

漆が乾くのを待ちながら、五稜箸の制作にかかりました。


今回は型紙をつくり、材の頭に五角形の墨をしました。


まずは、基準となる面の平面削り


今回、約80本削りました。
鉋をかけると楓の縮みの杢が浮き出してきます。

次は2面目

基準面と72度になるよう傾けた治具を使います。


これで2面。


仕事を終える頃には作業台の上に鉋屑の山ができました。
ストーブがあったらよい焚き付けになるのですが・・・。

今日は午後から、教え子がお世話になった会社の社長さんが工房を訪ねてくださいました。
事業を起こされた頃のことなど社長さんのお人柄が感じられるお話をお伺いし、とても勉強になりました。
ありがとうございました。


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拭き漆 捨て摺り

2009-04-27 21:13:10 | 

「一木一優」の会員で、同じ炭山に工房を持つ松岡さんがおもしろいものを持ってきてくれました。


新聞紙を固めて作った「薪」です。これで新聞1日分(朝、夕)
なにかで作る器具の記事を見て、あり合わせの缶を利用して作ってみたそうです。
今日はとても寒かったのでうれしいプレザントでしたが・・・肝心のストーブがない!
残念!先週片付けてしまったのです。ちょっと早すぎました。

テーブルはもう一つ仕事を忘れていました。

天板の割れを止める契りです。


黒檀を使って作って埋めました。

次は拭き漆の工程


作業を漆部屋に移し、必要なものを準備し、脚、貫と生漆を塗り、


棚板。

そして

天板、で捨て摺りが完了。
できるだけ漆をしみこませるため、鉋で削った状態で漆を塗ります。
今日の捨て摺りだけで200グラムの生漆を使ってしまいました。
捨て摺りの前に木地に紙ヤスリをかけると導管が詰まり、漆が吸い込みにくくなるのです。

これから研ぎと摺りの繰り返しが始まります。
単純な作業ですが、美しく、丈夫な作品にするためになくてはならない作業です。




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栃テーブルその後

2009-04-26 21:44:37 | 木工
栃テーブル制作の続き


蟻桟に仕上げ削りした脚の大入れほぞ穴をあけ、鉋で削って仕上げます。


棚板は長さがあり、機械でほぞを切ることが難しいので手で挽きます。
この鋸、以前紹介した田中米吉作の八寸両刃鋸、こんな時重宝します。


ほぞができたら、鉋で仕上げて


貫に大入れほぞを掘って仕口の加工はすべて完了です。


天板は、木口のカーブを緩くするため、鋸で切り直し


鉋で仕上げます。

最後に、天板の表にもう一度仕上げ鉋をかけ

木地が完成です。
明日から拭き漆に取りかかります。




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小美術工芸館

2009-04-25 21:10:25 | 木工
今日は一日出張?で3カ所へ

午前中は、フジコーポレーションのセールへ
目当ては、機械のメンテナンス教室 昨年は自動鉋盤でしたが、今回は横切盤。
スライドテーブルと鋸刃との平行を出す方法など、とても勉強になりました。
0.8mm厚の丸鋸刃、ダイヤモンド砥石など小物をいくつか購入しました。
ここで、一木一優のあべ松さんと合流、

午後は一緒に次の目的地
木工木楽屋さんへ


昔集められた材の他、亡くなられた木工仲間の方の残された材を委託で販売されています。


どの材も、御自分が使いたいという思いで集められた材だけに、良い材も多く、また値段の安いのも魅力です。
今回は、屋久杉の板、紫檀系の硬い材(名前は不明)など4点ほどいただきました。

その後、元職場の同僚のYさん宅へ
入手されたステンドグラスを嵌め込んだ衝立の注文をいただきました。

このYさん宅、並のお家ではありません。

和室には、ご主人の集められた陶器が並んでいました。
これだけでもすごいと思ったのですが・・・

案内していただいた3階には

何ともすばらしい空間が
ここはご主人の集められた陶器の展示・収納部屋
古いものから、現代の作家のものまで、身近に置いていつも眺めていたくなるようなものばかりがずらり、


陶器を収納しているキャビネットは、信州の木工作家の作

さらに

片隅のは、角偉三郎作の朱塗合鹿椀も・・・
作者の名前を知っていて買ったわけではなく、「良いと思ったので購入した」と言うことですから、ご主人の良いものを見極める目の確かさに感心するばかり。

さらに、さらに、2階の廊下の壁や玄関などには名画や陶板が飾られ、コーナーにはさりげなくブロンズ像が置かれているなど、まさに家中が高品位な小美術工芸館といった雰囲気なのです。
こういう環境とご両親の元で育てられたお嬢さんのお二人が美術大学へ進まれたのは当然の成り行きの用に思いました。

注文をいただいただけでなく、良いものを見せていただき、まさに至福の時を過ごさせていただきました。
Yさん、ありがとうございました。



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野沢温泉スキー場パトロール隊員来訪!

2009-04-24 22:03:45 | 木工
突然ですが、本日、野沢温泉スキー場のパトロール隊員のSさんが工房に見えました。
スキーシーズンの終わった今は、丹後半島のある高原の旅行村の管理人。
そして、小生の所属するスキークラブの指導員でもあります。

今日は、ご自宅の改築に伴う家具や建具の相談に丹後からはるばるおいでいただきました。
楕円のテーブル、ステンドグラス入りのドア、飾り棚の改造・・など材料を来ていただきながら相談させていただきました。
大変おもしろそうな仕事です。頑張ってやらせていただきたいと思います。
そのほか、スキーのこと、今のお互いの仕事のこと子ども達のことなど話は尽きず、時間があっという間に過ぎてしまいました。
Sさんありがとうございました。


テーブル作成の続き

脚を胴張りに削って仕上げました。


極浅の内丸鉋で削ります。機械でできた逆目を完全に止めます。
栃は鉋で仕上げると絹のような白い光沢を放ちます。
機械やサンダー仕上げでは出ない美しさです。

なぜ胴張りに削るのかというと、まあ私の好みなのですが・・・・


この二本比べるとわかりますが、ずっとやわらかい感じになるのです。
直線で構成される指物はとかくきちっとした硬いイメージになってしまうのですが、少しでもやわらかいイメージにしたい、
だからといって角を丸くするとしまりがなくなってしまうのです。
緊張感と柔らかさを醸し出す、そんな仕上げがしたいのですが・・・まだまだです。




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寄せ蟻(送り蟻)

2009-04-23 22:04:56 | 木工
テーブルの制作もいよいよ佳境に入ってきました。


ほぞは、ゴムハンマーで、ほどほどの力で叩いて入る位の堅さに調整します。

一番の山は、寄せ蟻(送り蟻)の加工。


蟻溝のテーパーに合わせて蟻桟に墨をつけ


蟻作理鉋で削ります。


蟻桟の先と、元の蟻を切り落とし、平らにします。


この時活躍するのが、八寸両刃鋸
信州諏訪の鋸鍛冶、田中米吉作です。自宅におたずねして打ってもらってから20年以上になります。
機械を使う以前は、ほぞはほとんどこの鋸で挽いていました。従って縦挽きの刃の方が減っています。


蟻桟と溝、鑿で交互に欠き取り、


桟を嵌めて寄せます。
寄せると行ってもゴムハンマーで叩くのですが


この時、蟻溝のかみ合う部分を鉛筆で黒く塗っておき、


入れた蟻桟が当たる様子をみながら、少しずつ削って合わせます。
この時、すべての蟻がきちんとかみ合っていないと意味がありません。


所定の位置まで送ることができました。
拭き漆仕上げの場合、部品の状態で拭き漆をして最後に組立てるので、この時の調子には神経を使います。

次は大入れの加工ですが、

まず、貫の仕上げ削りをして


脚のほぞに嵌めて、大入れの墨を付け


トリマーで荒堀をし、


鑿で仕上げます。
小信作の極浅外丸鑿と小道具。五厘鑿は貞秀作。

次は脚の胴張りの仕上げ削りです。




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長椅子

2009-04-22 20:13:13 | その他
元の職場のKさんより電話をいただき、御室まで行ってきました。
新しくできる相談室に置く、長椅子と椅子についての相談でした。
置く場所や、イメージをお聞きし、注文をお受けしました。
いろいろご配慮いただき本当にありがとうございます。

その後、元同僚の先生方とお会いし、いろいろお話を聞かせていただきました。
お話していると1年の時間の流れがあったなんて感じられません。
楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました


午後は工房へ戻り、ストーブを片付けました。


煙突の室内部分を外し、


天井から出ている煙突の下端にビニール袋をかぶせ、煤を落としました。
赤松の薪なども燃していたのでさぞかし煤がたまっているだろうと思いましたが、それほどでもありませんでした。


ストーブを外すと、工房内が広くなったように感じます。
ちょっと淋しい感じもしますけれど・・・・。




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テーブル 仕口加工

2009-04-21 20:38:04 | 木工
テーブルの蟻桟、脚、貫などの仕口を加工しました。


脚は蟻桟に二枚ほぞで、貫は脚にほぞで、それぞれ大入れにします。
棚板は三段ほぞで貫に付けます。
ここまでは機械での作業、これからが手作業になります。

今日はもう一つ、

横切り盤の刃口板を変えました。
2年前にこの機械を購入した時から取り替えなければ、と思いながら今日まで来ました。
今日、ふと思い立ち、楢の柾目板を探して作り直しました。
この刃口板、本来はベークライトで作られているのですが、高いので、楢の板を使いました。
なかなか良いでしょう?(自己満足)



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