木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

信州諏訪へ

2009-09-27 10:46:49 | 故郷信州にて
叔父と祖母の法事で信州諏訪へ
法事の営まれたお寺は、諏訪大社下社秋宮のすぐ近く。


少し時間があったので諏訪大社に参詣しました。



諏訪大社というと有名なのが7年に一度行われる御柱祭(おんばしら)
本殿の横に6年前の御柱祭で立てられた御柱が立てられています。


この御柱は、八ケ岳山麓で切り出された樅の大木を、氏子たちが人力でここまで曳き出して立てたものです。
途中、崖を氏子を乗せたまま引き落とす「木落とし」なども行われ、毎回けが人が出たり、死者も出ることもあるような勇猛な祭りでもあるのです。


これは今までで一番太い御柱だということですが、丸太の下が平らになっているのは引いて来る間に地面との摩擦で削られて平らになったものです。
私も小学校高学年の頃一度見たことがありますが、その柱の巨大さや斜面を滑り落とす迫力、祭りの賑やかさなどが記憶に残っています。特に、この大木の底面が平らになっていたのがとても印象に残っています。
来年はその御柱祭が行われる年。もう一度見たいですね。


今回の法事は、祖母の33回忌と叔父の13回忌。
尊敬していた叔父は私の人生の節々で一番お世話になり、生き方にも大きな影響を与えてくれた人でした。
幼いころより、私がものを作るのが好きだったことにも一番理解を示し、見守ってくれました。
今でも大切に使っている、桑の木や柿の木は叔父が仕事の間に見つけて集めてくれたものです。
交通事故が原因で亡くなってしまい、あまり作品を見てもらえなかったことが残念でなりません。

叔母の家での叔母や従兄弟との懐かしい語らいのあと、「万冶の石仏」へ。

夕闇せまる杉木立の中にゆったりとたたずんでいる姿は何とも言えない安らぎを与えてくれ、大いに感動。

今でこそ有名になり、周りも整備されていますが、十数年前までは、田んぼの中にぽつんとおかれ、近くに住んでいた従兄弟の子供たちの格好の遊び場だったそうです。


そういえばこの石仏、背中や肩に、笑顔で遊ぶ子供たちを乗せて、ゆったりたたずむ姿が一番似合っているように思います。

叔母や従兄弟と久しぶりにお会いし叔父や祖母を偲び、おおらかな仏さんとも出会い、心安らいだ一日でした。
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「五稜箸」 東京デビュー  

2009-09-25 20:48:49 | 
五稜箸が東京デビューします。

新宿の伊勢丹5階で開催される、lucite in ISETAN -北欧と日本のちょっと昔の器たち-の片隅に「五稜箸」を展示して頂くことになりました。

期日は、9月30日から10月13日まで、
会場は、新宿伊勢丹本館5階=和食器プロモーション です。



Lucite Gallery(ルーサイトギャラリー)は、柳橋にあるギャラリーで、4年ほど前にここで「木・漆3人展」を開いたことがあります。



お近くで、お時間のある方はお立ち寄りください。

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黒田乾吉流拭き漆

2009-09-24 22:53:00 | 
「一木一優」の作品展に、拭き漆の工程を示した手板を展示しました。


木地にはペーパーをかけず、鉋で削ったままで生漆を刷毛摺りします。
ペーパーをかけると木の粉で導管が埋まり、漆の吸い込みが悪くなります。
丈夫に仕上げるためにできるだけしっかり漆を吸い込ませます。
十分吸い込ませた後、ヘラで余分な漆を摺り取り室で乾かします。
導管の中までしみ込んだ漆が乾くには2~3日かかります。


漆が乾いたらペーパーで水研ぎして、生漆を刷毛摺して乾かします。
ペーパーを次第に細かいものにしながら、導管が埋まり、漆で固まった均一な下地ができるまで繰り返します。
この工程が黒田乾吉流拭き漆の一番の特徴です。


下地がしっかりできた後初めて拭き漆本来の漆を塗っては拭くという作業を繰り返します。
拭く布は、はじめは綿を使って繰り返しますが、ツヤが上がってきたらモスリンを使います。
これも黒田流拭き漆の特徴です。

拭き漆の技法は色々あり、木地調整した(ペーパーで磨いた)木地に生漆を塗っては拭いて乾かす、という作業を数回から多い場合は十数回繰り返すというのが一般的です。
塗装としてはこの方法できれいに仕上げる事ができますが、木の導管を完全に埋めることはできず、耐水性などは完全とは言い切れません。
導管を埋めるのに、サビ(砥の粉を生漆で練ったもの)を使う方法もありますが、砥の粉(砥石の粉)という木にとって異物が混じることを嫌い、黒田流ではすべて漆で導管を埋めます。
その結果、拭き漆ながら熱湯で洗うことも長時間水に浸けることもできる、大変丈夫な作品に仕上げる事ができるのです。
仕上げるまでの工程と、漆という素材の丈夫さを多くの皆さんに知っていただけたのではないかと思います。
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作品展 終了

2009-09-24 09:28:20 | 木工
京都木工芸同好会「一木一優」の作品展が終了しました。

今回は、「シルバーウィーク」の5連休を使って5日間の開催。
5日間で500名を超える、本当にたくさんの皆さんに見て頂くことができました。



毎回この作品展では、十数年ぶりの再会の学生時代の友人や、就職した当時の同じ職場の大先輩、元職場の同僚など、なつかしい皆さんが来てくださり、なつかしいお話ができるのも大きな喜びです。
展示作品を購入して頂いただけでなく新たな注文も頂き、多くの皆さんに支えられながら制作を進められる喜びを改めて感じました。
また、聞かせて頂いた作品の感想や意見も今後の制作の大きな励ましになります。
本当にありがとうございました。

展示した作品を掲載します。


テーマ作品のステンドグラス衝立。
お納めしたYさんから期間中お借りしました。


「三方棚」 神代欅と神代檜を使っています。


「ソファー」 「今までの作品と感じが違うね」という声を、何人かの方から聞きました。


「小間物抽斗」「銘々皿」「五稜箸」「合鹿椀」等
手前にあるのは、黒田乾吉流拭き漆の工程を解説した手板。


「欅拭漆平卓」

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「一木一優」作品展が始まりました。

2009-09-19 23:41:00 | 工房
京都木工芸同好会「一木一優」の作品展が始まりました。


初日からたくさんの皆様においでいただきありがとうございました。

詳しくはこちらをご覧ください。
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作品展目前

2009-09-17 23:30:31 | 木工
作品展を目前にしてやっと作品が完成。
一つは神代欅の四方棚


これはその仕口 框と上桟の接合部です。


普通の平ほぞを使いました。できるだけほぞを長くしたいのでほぞの先を留めにしています。

数年前、四方卓子を制作した時は



三方留めにしました。框の太さは前回も今回も約25mmです。
平ほぞは三方留めに比べたらきわめて単純ですが、この単純な構造で材を割らずにしかもしっかりほぞを効かせる、という点ではむしろ難しさがあります。


糊を付け、棚板を嵌め、ほぞを痛めないようにあてうまを使って軽く叩いてほぞを差します。


両側面を嵌めて、ハタガネで固定。


塗装は蜜蝋ワックスを使いました。
その向こうはソファ-。
こちらは、ゴムハンマーでがんがん叩いてほぞを嵌めました。


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最後の追い込み

2009-09-15 22:06:45 | 木工
作品展まであと4日
最後の追い込みにかかっています。
あまり写真が撮れていないのですが、作品の紹介を兼ねて途中経過を




まず、栃の銘々皿 拭き漆も最後の工程に入りツヤが上がってきました。


神代欅の四方棚 仕口を加工し、


側面の組立まで進みましたが、棚板に使う予定の神代桧の板に細かな割れがあり、それをどうするかで迷い、一時ストップ


最後の作品は、1人掛けのソファー
側板のほぞ穴あけに、角鑿盤を使う方法を発見、何とか目途が立ちそうです。

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木工芸作品展

2009-09-14 13:16:45 | 木工
所属している、京都木工芸同好会「一木一優」の作品展が今週土曜日より開かれます。


作品展に展示される作品は全部で60~70点になると思います。
小生、今回は写真にある小物箪笥の他、6~7点の出品を予定しています。
多くの皆さんにご覧いただけたらと思います。
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追い込み

2009-09-11 21:42:08 | 木工
「一木一優」の作品展まで後1週間余 
欅の卓、ようやく#600の耐水ペーパーでの水研ぎまで完了


しっかりした下地ができました。


こちらは脚、摺り桟、貫、その他
ここまで来るとあとは漆を塗って拭く作業を重ねるだけですから、だいぶ気が楽になります。


次の作品は神代欅を使って・・・。框の木作りが完了
最後の追い込みです。

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漆漉しウマ

2009-09-06 22:13:31 | 
妻が植えた我が家のゴーヤ


やっと「緑のカーテン」らしくなってきました。


実もいくつか大きくなり、あのほろ苦さが食卓にものりました。

今日も仕事
まず、これ、

漆を漉すウマを作りました。
それにしても作業台の上散らかっていますね。


これで漆が無駄なく使えます。写真を撮る余裕も

銘々皿、五稜箸をすべて研ぎ上げて刷毛摺りし、

欅の花台に捨て摺りが完了したのは夜の8時過ぎ。
作品展までの残り日数を数えながら、髪振り乱して頑張っています。
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