木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

「珈悦」ハンドル、桐箱

2023-07-29 15:18:58 | 木工

その後の制作記事。
まずは、コーヒー焙煎器「珈悦」ハンドル


材は手違紫檀(たぶん)。取りあえず10個を納品しました。


握りの部分は、木工旋盤で挽いています。

続いての作業に入る前に

罫引きの刃の研ぎ


これらの罫引き、ノギスの部品を使って、1/20mmと1/50mmまでの正確なけがきができるように、かれこれ15年程前制作したものです。

次は、桐箱の制作

仕口の加工ができ、組み立ての前に

木釘がなくなっていることに気づき

木釘削り
φ3mmの空木の丸棒から削り出します。
残念ながらこのうつぎの丸棒が、もう手に入らなくなってしまいました。(;。;)

そして

落とし戸の桐箱が2つ完成しました。

仕事がちょっと一段落・・でもないけど、明日から信州に帰省し、草刈りと墓参り。
帰って来たら夏の終わりのグループ展に向けての制作が待っています。

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竹中大工道具館へ

2023-07-23 08:45:38 | 木工
約一ヶ月ぶりに神戸市の竹中道具館へいって来ました。



今回の目的は、



「技と心」セミナー 「ピラミッドを支えた古代エジプトの木造技術」の受講。
お話しいただいたのは、東日本国際大学 エジプト考古学研究所客員教授の柏木裕之先生
「クフ王第2の太陽の船」の調査に、復元担当として長年携わって来られた先生です
大変興味のある内容で楽しみにしていました。

クフ王の墓の近くから発掘された2つの船の復元を通し明らかになった非常に発達した木造技術.
ほぞやダボ、相欠き、蟻掛け、留めなどのほか、建築で用いられる基本的な継手もすでに使われていました。
石だけで作られていると思っていたピラミッドですが、木材も構造材として使われていたのです。
それらの加工に使われた鋸、釿、斧、鑿などの道具は銅や青銅でつくられており、
その鋸がピラミッド本体の石の加工にも用いられたのです。
特に興味を引かれたのは、船の甲板の板には、鋸で製材したことを示す大鋸目がくっきりと残されていたことです。

私がエジプトの木の文化・木工技術に興味をもったのは約12年前。
東京で開かれていたツタンカーメン展で多くの木工品をみてから。
石の文化が中心だろうと思っていたのに、展示されている作品には、多くの木造品が含まれていたのです。

当時の図録から拾ってみると

脚付きチェスト


肘掛け椅子


カルトゥーシュ型の箱
等々、どれもこれも素晴らしい木工技術が使われ現代の木工家も真っ青?という作品でした。

その後、いろいろ調べて見つけたのは、

木を縦に切る製材用鋸の存在です。

日本では14世紀末から15世紀の前半に製材用の鋸が使われ出し、それまでは打割製材に釿・槍鉋と言うのが通説です。
しかし、正倉院の木工芸品をみるとおよそ内割製材では無理だろうと思われる板が使われているのです。

エジプトではすでに4500年前に使われていた鋸による製材技術が日本に伝わってこなかったのだろうか?
そんな思いを益々強くしたセミナーでした。

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四方棚

2023-07-18 21:00:25 | 木工芸
公募展への搬入が済み、お待ちいただいている仕事に着手。
まずは、煎茶用四方棚。
「売茶翁茶器図」に描かれているものの変形です。
組み立て式なのですが、茶器図の形では、使っている内に噛み合わせ部がぐらぐらになってしまうということでローソク枘でつなぐことにしました。



棚板は桐、脚部は檜を使っています。



雰囲気は少し違ってきますが、どうでしょうか。



取り敢えず3台作ってみました。

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売茶忌

2023-07-17 09:29:12 | 煎茶
売茶忌に参列しました。
売茶翁の命日の16日に、黄檗山萬福寺にある売茶堂の前で、毎月各流派が持ち回りで担当し執り行われています。
今月は美風流の担当。



朝から梅雨明けを思わせるような暑い日でした。

美風流のお家元を始めとする先生方と全日本煎茶道連盟の理事の皆さんが壇上で参列。
萬福寺の管長猊下がお経を上げられ、参列者がお焼香をしました。

その後、隣の有声軒で美風流のお茶席に入らせていただきました。



中谷宗匠自らのお手前で、売茶翁が使っていたものと同じ道具(復元)を使って淹れたお茶をいただきました。



売茶翁を偲びながら、売茶翁の生き方にも触れたお話しが心に染み入るひとときでした。
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The 9th 亘斎連、国家無形文化財、ソ·ビョンジンと弟子の同行展

2023-07-05 09:22:39 | 木工芸

『The 9th 亘斎連、国家無形文化財、ソ·ビョンジンと弟子の同行展』 が始まりました。
会場は、韓国 国家無形文化財伝授教育館 3階展示館「オール」
     ソウル特別市 江南区 三成洞 112-2(江南区 奉恩寺路 406)
会期は、7月11日(火)まで

お世話になっている成さんに、会場の写真と動画を送っていただきました。



広い会場に、たくさんの作品が並んでいます。



行って直接作品を見たいのですが、その時間が取れず残念です。



私たちの作品も展示していただいています。



谷進一郎さんの「栗厨子」



朝倉亨+玲奈さんの「栗我谷盆削三段小抽斗」と「クラロウォールナット三段小抽斗」



私の作品は、「レースウッド連子床脚飾箱」です。


動画で、蘇先生と一門の皆さんの素晴らしい作品をご覧いただけます。
少し長いですが、どうぞご覧下さい。







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作品が韓国へ!

2023-07-01 21:22:09 | 木工芸

先日「木工家ウィークNAGOYA」に出品されるために来日された韓国国家無形文化財の蘇秉辰先生と一門の皆さんが、
来週、韓国ソウルで展覧会を開催されます。



展覧会名:『The 9th 亘斎連、国家無形文化財、ソ·ビョンジンと弟子の同行展』
開催日: 2023年7月4日(火)~7月11日(火)
会 場: 韓国 国家無形文化財伝授教育館 3階展示館「オール」
     ソウル特別市 江南区 三成洞 112-2(江南区 奉恩寺路 406)



伝統工芸木竹展や工房にもおいでいただいたご縁で、谷進一郎さん、朝倉亨+玲奈さんと共に
その展覧会に招待出品させていただくことになりました。

今回出品させていただく作品は



レースウッド連子床脚飾り箱。 前の写真のパンフレットにも掲載していただいています。



もちろん、自分の作品が海を渡るなんて初めての事です。
発送して6日ほどで到着したという連絡をいただきました。
本当は観光もかねて行ってみたいのですが、伝統工芸展搬入前でその時間は取れず、残念!

昨年の展覧会の様子の写真を送っていただきました。



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