新・台所太平記 ~桂木 嶺の すこやかな日々~

N響定期会員・桂木嶺の、家族の介護・闘病・就職・独立をめぐる奮戦記を描きます。パーヴォ・ヤルヴィさんへの愛も語ります。

【公演レポート】奇跡のマエストロ・ソヒエフ、そしてマロさんが織りなす、壮麗なハーモニー!!「シェエラザード」で大成功のNHK交響楽団のみなさんです(^^)/

2019-01-18 06:30:15 | NHK交響楽団ニュース♪

「やっぱりN響は世界最強のオーケストラ!\(^o^)/」

そんな思いを改めていたした、きのうの夜でした!いろいろな国内のオーケストラもみなさんそれぞれ素晴らしいですが、やっぱり断トツ、最強、向かうところ敵なしのNHK交響楽団のみなさんです!!

というわけで、きのうは、サントリーホールにて、第1904回 NHK交響楽団定期演奏会Bプログラムに、勇躍行ってまいりました。

私はパーヴォ&N響をこよなく、かぎりなく愛していますが、ロシアの若き天才、トゥガン・ソヒエフ マエストロと、NHK交響楽団のコンビも大好きです!一昨年11月、「イワン雷帝」で大成功を収めたソヒエフさんが、またまたすばらしい魔球をひっさげて、1月のN響に登場され、大喝采を浴びました!\(^o^)/

あまりに感激した私、師匠である渡辺保先生のいいつけも破って、やっぱりサントリーホールの楽屋口でのサイン会に、いそいそと駆けつけてしまいました。(だってどうしても、ソヒエフさんと、マロさんに、すばらしい演奏のお礼を言いたかったのですもの・・・(´∀`*)ポッ)

というわけで、マロさんが、とうとう!

不肖、かつらぎのブログにご登場です\(^o^)/

ご覧の通り、とってもオシャレで、伊達男なマロさんです 

マロさんは、今回3曲とも重要なソロ場面があるという大活躍ぶりでした。特に「シェエラザード」でのソロの場面の美しさたるや!永久に語り伝えられる名演を披露されました!

「クラシック音楽館」の、全国のマロさんファンのみなさま、今回のBプログラムは必見!永久保存版ですよ(^^)/幾度も「ブラボー!」の洗礼を受けたマロさんは、すっかり嬉しそう(^_-)-☆

ご覧のように、真っ赤なジャケットを見事に着こなされて、パンダのスマホのストラップとの相性もとってもキュートで、とってもにこやかに、N響ファンのみなさんに、サインも、写真撮影も応じてくださいました(´∀`*)ポッ

私がマロさんに大感激して興奮気味に、「マロさん!今度は(ソロ場面だけでなくて)いっそのこと、(ヴァイオリン)協奏曲(のソリスト)にチャレンジしてみてはいかがでしょう(^_-)-☆!」と申し上げましたら、マロさんがパーッと顔を真っ赤にさせて、「わぁ~ そんなことしたら、心臓に悪くてひっくりかえっちゃうよ」と笑顔でこたえてくださいました。ご謙遜なさっておられましたが、とっても嬉しそうなマロさんでした

マロさんは、本当にひとりひとりとたのしくお話をしてくださったので、みんな大感激!ご自分でかっこいいブルーの車を運転されておられましたが、運転席から、みんなににこやかに手を振ってくださったので、ますますみんなマロさんファンになりました!

こちらがそのサインです!真ん中がマロさんのサイン


そして、上にあるのが、今回「これでボクの出番は終わりだよ」と、大変満足そうな、オーボエの首席奏者で人気者の茂木大輔さん

茂木さんのオーボエも、本当に流麗で清新ですがすがしい感動を呼ぶものでした。ほんとにこれで最後の演奏なのかな?もうすぐ定年だと伺っていましたが、あーん、残念ですっ もっと茂木さんと楽しくいろいろお話したかったのに~!でも、熱狂的な茂木さんファンの女の子たちに囲まれて、茂木さんもとっても嬉しそうでした。ますます今後のご活躍をお祈りいたします。

そして、きょうの主役にしてロシアの若き天才、マエストロ・トゥガン・ソヒエフ!


わたしは、パーヴォが世界で一番の指揮者だと思っていますが、つづく期待の星は、やはりトゥガン・ソヒエフさんに尽きると思っています!明るくスケールの大きな指揮スタイルに加えて、抜群の選曲のセンスのよさ、曲の解釈の読み込みの深さ、表現力に加えて、健康的な色気があるのが、このひとの良さですね。ステージマナーも実にすばらしいですし、まさに次代のスターになれる逸材です!クラシック音楽界にとっては、彼の存在はまさに台風の目ですね!


ほんとうはサインに応じていただいた際に、お写真を撮りたかったのですが、一応写真撮影はお断り、ということでしたので、ご遠慮させていただきました。でもちゃっかり撮ってらっしゃる熱心なファンの方もおられましたけどね(^_-)-☆

でも全然いやそうなそぶりも見せず、終始ニッコニコの笑顔の、ソヒエフさんでした なんていいひとなんだますますファンになりました~

こちらはソヒエフさん指揮による、プロコフィエフの大傑作「イワン雷帝」です。2017年11月の彼の指揮による「イワン雷帝」は素晴らしかったですね!衝撃でした。愛之助さんの語り(そうそう、愛之助さんもご登壇なさったのです)も見事で、タキシード姿がとってもよくお似合いで、すばらしいナレーションを披露されて、私は愛之助さんもすっかりファンになってしまったくらいでした。彼の起用もソヒエフさんが言い出したことだそうで、本当にいろいろな国内外の芸術を熟知されているソヒエフさんの見識とセンスのよさに脱帽です!

 

というわけで、肝心の公演レポートを


会場は大変にごった返しており、サントリーホールは大盛況!


今宵はこちらの席で拝聴しました。でも、とっても見やすくて、オーケストラの方々一人一人の動きがよくわかってとてもいいお席でした。こんど席替えで、ここの席にしようかなぁ・・とひとりごちておりました


まずは、フォーレの組曲「ペレアスとメリザンド」作品80から!

第1曲(前奏曲)は大変うつくしい弦楽器の静かな流れから始まります。ロマンティックな曲想にくわえて、先述の茂木さんのオーボエが光ります。マロさん、大林さん(第2ヴァイオリンの首席奏者ですね)、桑田さんのチェロ、そして、ヴィオラが物憂げにメリザンドの運命を物語ります。

情感あふれるソヒエフさんの指揮に、最初からすっかり魅了されるかつらぎす。高らかに弦楽器と管楽器が鳴り響き、壮大な神話が始まります。フルートの神田さん、そしてマロさんの独奏がそれぞれとても美しいです。クラリネットの伊藤さんも見事なハーモニーを聴かせ、まさに「エクセレント!」というべき感動を呼び起こしました。

第2曲(「糸を紡ぐ女」)は、オーボエの茂木さんのソロが断然ひかります。主題を美しく演奏し、弦楽器がそれに続きます。ソヒエフさんがダイナミックに、のびやかに指揮をしていき、N響のみなさんもどんどん乗ってきますね!

第3曲(「シチリア舞曲」)はもっとも有名なメロディーが奏でられます。フルート神田さんのソロが見事で、マロさんも続けてすばらしい独奏を披露されました。優美な指揮を心掛けているソヒエフさんにますます好感度大の私です!大変にロマンティックな曲想の中に、哀切さがただよい、深い感銘を受けます。フルートの独奏と、チェロの桑田さんも見事な演奏。これらN響のみなさんのすばらしい実力を十二分に引きだす若き天才、ソヒエフさんはまさに「末恐ろしい大器」ですね!

第4曲(「メリザンドの死」)フルート、チェロ、コントラバス(吉田秀さんが大活躍!)が続きます。かなしみに満ちつつも、情感あふれる指揮で、場内を深い感動に導く、ソヒエフさんです!ブラボー!

 

続いては、すべて弦楽器だけで演奏されるという異色作、ブリテン作曲の「シンプル・シンフォニー」作品4の登場です。N響の弦楽器は本当に優れた人材ばかりですが、ここでもその実力をいかんなく発揮。若き日のブリテンが、音楽大学を卒業する際に作ったという名曲を掘り起こしたソヒエフさん、またまた大手柄です!

第1楽章「騒々しいブーレ」軽快な弦楽器だけによる導入部。まろやかな味わいを漂わせます。N響のある意味しゃれた魅力が最大限生かされていて、センス抜群です!サントリーホールに美しい調和のとれたハーモニーがこだまします。

第2楽章「たのしいピチカート」指で弦をはじく独特の奏法が披露されます。とても甘やかで素敵。弾むような曲の中にしずかな興奮もある冒頭となります。

第3楽章「感傷的なサラバンド」サラバンドとは、3拍子の古典舞曲のことです。(プログラムより)悲痛さが募るアダージョ。どこか、なまめかしさも漂うN響の演奏で、これはちょっと新境地かもしれませんし、パーヴォの指導のたまものもあるのかも。ヨーロッパなどでもぜひまた演奏を披露していただきたいものです。恋のかなしみを感じさせるし、甘やかな恋の予感に打ち震える弦楽器の演奏が胸を打ちます。転調して哀感漂う演奏に。

第4楽章「浮かれたフィナーレ」激烈ともいうべき冒頭部分。リズミカルなテーマが鳴り響きます。音の強弱のバランスが大変よく、最後まで飽きさせません。華やかなエンディングとなり、大団円となります!

ここで休憩時間となり、私はもう大はしゃぎで広報ご担当のIさんと、N響の偉い方々(根本理事長、中野谷常務理事)に感想を言いに行きました(こんなにキャピキャピした、音楽評論家のタマゴの相手をしてくださって、みなさま本当にありがとうございます!) 私が、「やっぱりN響は天下一のオーケストラですね!」とお話したら、みなさま「えーっ!そんなふうに言われると、僕たちも照れちゃいます」と謙遜されながらも、ウキウキした様子で、こちらもうれしくなりました。こういう演奏者やスタッフの方との交流も、本当に評論をしていく上で、うれしいものです!

それに、本当に優れた演奏というのは、実にさまざまなインスピレ―ションを掻き立ててくれますね!N響のみなさんの演奏は、なんといっても図抜けているのは、一つ一つの音が粒だっていてピカイチです。

また、ソヒエフさんの指揮にもしぜんに注目が集まります!パーヴォをこよなく愛する私が、「ポスト・パーヴォ」という言葉を出すのは、あまり適切ではないかもしれませんが(パーヴォ、ごめんなさいね!)、明らかに40代前半の指揮者の中でも、ソヒエフさんは群を抜く存在だと思いますし、NHK交響楽団は、ソヒエフさんとのお付き合いもぜひ大事にして、彼を次代のスター指揮者として、スクスク育ててほしいですね!

休憩が終わって、お客様はすっかり上気した表情でそれぞれの席につきました。お待ちかね、本日のメイン・プログラム、リムスキー・コルサコフの傑作「シェエラザード」が始まりました!

第1楽章 「シンドバッドの物語」 荒々しい響きのサルタン、シャフリアール王のテーマで始まります。チューバ、トロンボーン、コントラバス、チェロ、フルートが重々しく奏でます。そこへ、マロさんのまさに至高ともいうべき独奏、シェエラザードのテーマが流れ、大変セクシーで、私は本当に感動しました!フルート、オーボエの茂木さん、クラリネット伊藤さんが美しくそのあとを追います。

ふたたびマロさんの素敵な独奏で魅了したあと、大海原をゆくシンドバッドの航海を感じさせるオーケストラの演奏が続き、うっとりとさせます。マロさんの独奏は、まさに圧巻!威風堂々としており、チェロの桑田さんのソロも素敵です。ふたたびマロさんのソロと行き交う様子も美しく、オーボエの茂木さんが見事にしめます。

第2楽章 「カランダール王子の物語」 マロさんの哀切極まりない独奏がシェエラザードの新たな物語の始まりを告げます。カランダール(カレンダー)王子のテーマはファゴットで表現されます。茂木さんのオーボエは大活躍!山根さんのクラリネットもそれぞれ美しいです。桑田さんのチェロもクールにさえわたって見事です!

第3楽章 「若き王子と王女」 大変有名なフレーズがここで流れます。優しいフレーズを弦楽器がリードします。サルタンを子供たちの純粋無垢な夢の世界にいざないます。憎しみは去り、やがてやさしいほほえみが、サルタンの固い表情を和らげ、穏やかにします。クラリネットの伊藤さんが深みのある音で魅了し、チェロ、コントラバス、ヴィオラ、そして大胆なヴァイオリン(第1、第2)がこれに加わります。

ソヒエフさんは終始楽し気に指揮をされます。指揮棒を手にせず、その流麗な手の動きにも魅了されっぱなしです。

シェエラザードの愛のテーマが幾度となく繰り返されます。美しいフルートとヴァイオリンの合奏。サルタンとシェエラザードの愛がゆったりとはぐくまれていくのを感じさせて見事です。

そして、マロさんの至高ともいうべき、ヴァイオリンの独奏が圧巻です!サルタンとシェラザードの愛の軌跡をヴァイオリンが高らかに謳い上げます。ことごとく、一夜妻を殺してきたサルタンが、シェエラザードの、毎晩彼女が語る物語に魅了されて、真実の愛を知りゆく過程が見事に表現されています。

第4楽章 「バクダッドの祭」 不穏な冒頭。サルタンがふたたび怒りを爆発させてしまったのです。しかし、シェエラザードは、もうサルタンの心をとらえて離しませんでした。マロさんがその愛の深まりを、深遠なまでの美しさで存分に表現します。フルート、オーボエが軽やかに続きます。トロンボーン、チューバ、トランペット、弦楽器がはげしく交差し、船の難破と、サルタンの心の変化を描きつくします。

今回の演奏で特筆すべきは、プログラム2日目にもかかわらず、(普通放送収録後の1日目のほうがテンションが高いのですが)オーケストラ全体のテンションがまったく落ちず、むしろテンポアップしているのが素晴らしいです!まさに傑出し、優れたパフォーマンスというべきでしょう!

サルタンの心情が、シェエラザードによって、徐々に変化していき、人を愛すること、ゆるすことの大切さに気づくプロセスを、鋭敏なまでに、ソヒエフさんとN響がつづっていきます。「イワン雷帝」に続き、今回の「シェエラザード」も大ヒットのソヒエフ&N響コンビです!

官能的なまでの愛と、優しさに満ちたクライマックスを迎え、そして、ふたたび、マロさんの独奏によって、「シェエラザード」のテーマが静かに流れます。二人の愛は最高潮となり、千夜一夜のロマンはまさに大団円を迎えようとしています。二人の運命は一つとなり、永遠の光となるのです。

マロさんは、そんな二人の至高の愛を緊張感高まる繊細な独奏の中に表現しつくし、まさに奇跡のハーモニーを生み出し、幕となりました。

 

嵐のようなブラボー!コールが、サントリーホールを包み込みました。圧倒的な感動と愛の奇蹟に、私は涙があふれて止まりませんでした。シェエラザードは機知と愛情と優しさをもって、冷酷無比なサルタンの心を変え、人間の真の幸せをつかんだのです。その素晴らしい結末に、私は生きる勇気とたくさんの感動をもらう事ができ、まさに僥倖ともいうべき瞬間を味わいました。贅沢な人生のひとときを体験できて幸せです!

嗚呼!まさにクラシック音楽は、人間の叡智の結集でもあります!

圧倒的な感動に、打ち震える、溜池山王の夜でした!!!!

 



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