突然、なんのことかと思われたかと思いますが、実はこれ、きのうの家探しのプロセスで、私が不動産業者の男性スタッフにお話したことなのです。おかげさまで、2軒不動産屋さんをきのうはまわって、2軒目で理想の住宅をみつけることができたのですが、(あとは審査が無事に通るのを待つばかり!神様、お願い~!!!!)その家探しをしているときに、不動産屋の仮にYさん、としておきましょう、彼がいみじくも私に対して言ってくれたのが、次のような一言でした。
「かつらぎさんって、きょう半日ご一緒してお話をして驚いたことがあります。かつらぎさんって、ぜったいに人の悪口とか言わないですね。いつもなにかしらほめておられますね!(^_-)-☆」
私も、おもわずビックリして、「あ、そういえばそうだったなぁ」と思ったのですが、そんなことを言われたのは初めてだったので、とても嬉しかったわけです(´∀`*) 経歴や職歴について、ほめてくださるかたはいらっしゃいますが、性格のことについてほめてくださる方ってなかなかおられないので、余計にうれしかったですね!(^_-)-☆
そのときに私はこうお話しました。「それは親のしつけもありますし、ありがたいことですが、卒業した晃華学園の教えでもありますね」と。Yさんが「どういうことですか?もっと詳しく教えてください」とおっしゃるので、私が照れながらお話したのが、「鶏の羽を庭にまいた、おばさんのお話」でした。
これは、私が晃華学園の幼稚園(マリアの園幼稚園、といいます)で、最初にならったことで、「とにかく人の悪口をいってはだめですよ」ということでした。新約聖書で次のような話があります、とシスターが話してくださったのは、こういうことでした。
「あるところに、大変に人のうわさ話や悪口をいうのが大好きなおばさんがいました。彼女は反省して、イエス・キリストさまにこう尋ねました。『先生、わたしはどうしても人の悪口やうわさ話をしてしまいます。どうしたら直せるでしょう』イエス様は答えました。『では、あなたの飼っている鶏の羽を集めて、それをあなたの家の庭にまいてごらんなさい』彼女はその通りにしました。イエスさまはさらにいわれました。『では、その羽を一枚のこらずすべて、一か所に集めてごらんななさい』おばさんはビックリして言いました。『先生、それは無理です。羽はもう飛んで行ってしまって、集めることはできません』」たしかにその通りですね!
そこでイエスさまはニッコリわらっておっしゃいました。「『あなたのしているうわさ話や悪口というのは、その鶏の羽のようなものです。一度話すと、もうあちこちに広がってしまって、取り返しのつかないことになるのです。わかりましたね?もう二度とうわさ話や悪口をいってはいけませんよ』と。おばさんは、大変反省して、もう二度とうわさ話も悪口も口にしなくなったそうです」。
このお話は、幼心に大変私の印象に残りました。日本には「人のうわさも75日」という言葉がありますが、いまこんなにネット社会になってしまった今では、2ちゃんねる、5ちゃんねる、Twitterなどなど、ネットにあまた書かれている膨大な人への中傷誹謗、悪口雑言、根も葉もないうわさやデマは、ネットに載ったままになってしまい、永遠に人を傷つけてしまうものでもあります。だからこそ、最初の幼児教育で、「人の悪口を言ってはいけない」というこの物語をきちんと話してくれた、幼稚園のシスターに、私はとても感謝していますし、なるべく私も人の悪口や噂話はしないように、戒めているつもりです。
「それでもやっぱり、人の悪口をいうと、その一瞬はスッキリしてストレス発散になるんですけどね、でもやっぱりあとで、『ああ、あんなこと言わなきゃよかったなぁ』と後悔してしまうんですよね」と私はYさんに言いました。Yさんも「いま、こういう考え方がすごく求められているように思いますね、ボクも。ネット社会がひどすぎますから。この考え方がもっとみんなに浸透すれば、みんな気持ちよくすごせるのになぁ、とボクも思います!」と大変感慨深げにおっしゃいました。
「人との出会いって、結局ご縁だし、ご縁を大切にすることで、次のあたらしい素晴らしいご縁が生まれることが往々にして多いんですよね」とふたりの意見は一致。Yさんのすがすがしい考え方に私も大変うれしくなりました。
「自己主張がつよくて、自分の利益ばっかり追求してしまう人が多い中で、人に感謝して、人をきちんとほめてすごすってすごく大事ですね。かつらぎさんは、ボクがであったお客様の中でも、すごく珍しいタイプの方です!まず人の悪口を言わないし、うわさ話もしないし、かならず人のいいところを見つけてほめる方なので、ボク、安心していろいろお話できます(^_-)-☆」
Yさんはそう言ってくださり、過分のお言葉をいただき、本当にうれしかったです。Yさんのみずみずしい感受性にも驚かされて、こういう青年がいることにも感謝したくなりましたし、家探しを通じて、すてきなお話をさせていただいて、よかったですね!
お部屋もとてもいいお部屋を紹介してくださり、なんとその場で大家さんにもおめにかかれました。大変紳士で優しい大家さんで、気持ちのいい方でした。ぜひこの大家さんならお世話になりたいなと思いましたし、両親の家からも近かったので、ぜひ、ということでお願いしました。(あとは審査、無事に通ってくれぇ~!という感じです^^まさに神頼みですね!)
Yさんは「ボク、何が何でもかつらぎさんに、がんばってこのお部屋に住んでいただきたいですし、この街に住んでいただきたいので、審査が通るようにがんばります!きょうはとってもいいお話をたくさん聞かせていただいたので、感謝のつもりでがんばります!」と張り切ってくれました(^_-)-☆
帰宅してから両親に、お部屋の写真を見せたり、お部屋探しの際のYさんのお話や顛末を話して聞かせたら、両親、特に母は大変喜んでくれました!
母は、「チコちゃんが生まれてきてくれて、本当によかったわ。あなたは娘で、私は母親だけど、私はあなたから学ぶことばかりだったし、いつも人としてどう生きるべきか、あなたが教えてくれるのでうれしかったわ」と言ってくれて、私も大変感激しました。
父は、わりとポンポンなんでも言ってしまうタイプの人なんですが、それでも「働くときにはきつくて苦労したけれど、ともちゃんがそういう話をみんなにしてくれるのなら、俺もママもがんばって働いて、お前を晃華学園にずっと高校まで通わせた甲斐があったなぁ。不動産屋さんがそんな形で頑張ってくれるなんて、すごいことだよ」と喜んでくれたので、私もうれしくなりました。
なんだか、結果的には、幸せな一日だったなぁ♪
途中新宿の紀伊國屋書店に行って、いつもお世話になっている演劇評論家の大先輩、犬丸治さんの近著「平成の藝談」(岩波新書)と、吉右衛門さんが表紙を飾っているかぶき手帖、音楽理論の本などを購入できまして、大変有意義な一日となりました。考えてみたら、みんな何かしらの形でお世話になった方々ばかり。でもそういう出会いを生むことができたのも、やっぱり最初に幼稚園のシスターがおっしゃったことを忠実に守って生きてきたからかな♪
もちろん、私も人間なので、心が折れそうになって、人の悪口とか言ってしまうときってありますけれども、やっぱりそれってどこかで、心にひっかかってしまって、あとで、その人のいい面をみつけたときに、「ああ、やっぱり悪口をいわなきゃよかった」と思うので、なるべくこれからも、人の悪口をいうよりも、人をほめて、いいところ(こころのえくぼですね^^)をたくさん見つけて、幸せになっていきたいですね!(^_-)-☆
Yさんのやさしさに感謝したいと思います。すばらしい出会いに感謝です!