※すみません、Twitterからの再録を一部加筆修正します。
凄まじく激烈な「地球・宇宙・神・愛・運命」への魂の絶唱が、いまここに誕生!
パーヴォとN響の「春の祭典」は、まさに《音楽革命元年》を高らかに歌い上げる、史上最高の名演となった。
なぜ私たちは時空を超えて出会い、ここまで音楽に共鳴しあうのか!?
パーヴォ・ヤルヴィは、ストラヴィンスキーと、そして彼のバックボーンである、ソビエトとロシアの歴史、そして、あらゆる人生と死闘を繰り広げ、輝かしい勝利を収めた!
前半はストラヴィンスキーの佳品が揃うも、やや消化不足か。いささか退屈な部分も散見した。「ロシア風スケルツォ」でようやくパーヴォの本領発揮の感あり。ややここは工夫の必要ありと思う。緊張感がもっと持続してほしい。
しかし「春の祭典」に、パーヴォはすべての力を収斂し、嵐のような興奮が私たちに襲いかかる。大地の叫びがサントリーホールいっぱいにこだまし、立ち上がれないほどの感動が私の全身を包み込む。私は、パーヴォの巻き起こす《音楽革命》に一生身を捧げ、ついていきたい!
パーヴォとN響の進化は止まらない!
昨日の「春の祭典」は、私が聴いたクラシックコンサートの中でもずば抜けて見事、まさに傑作中の傑作である。
地球、人生、神、愛、運命。この数十億年に誕生した、地球上のありとあらゆる生命体への「激烈な愛」が、パーヴォの全身から立ち上り、古武士の如き風貌と強靭な指揮で、我々すべての聴衆に迫り来る!
「チコ、キミは僕の《音楽革命》についてきてくれるか?!」とパーヴォに激しく迫られたような気魄にみちた、パーヴォの熱演。気が付けばパーヴォの魂の叫びに頷き、眩暈にも似た感動が私の全身を襲う…。
パーヴォの《死闘》を目の当たりにし、彼のすさまじい音楽への執念にたじろぐ私だったが、懸命についていきたいと、心の中で叫ばずにはいられなかった!
なんてとんでもない《怪物=パーヴォ》を、私は愛してしまったのだろう!
「君が東宝や今までの人生で見てきた地獄は、僕が全部忘れさせてやる!僕の目指す世界は、音楽の理想郷どころではない!もっと広くてすさまじい、神の領域なんだ!一生一緒について来てくれる覚悟は、チコにはあるのか?!」
パーヴォの激烈なマグマを必死で受け止める私である。
「いいかチコ!僕と君とN響で、この世に音楽革命を起こすんだよ!」
と、パーヴォの「心の声」はわたしにこう叫ぶ!
「いいか!僕が君に語る思いを、すべて君はこのブログを通して伝えるんだ!僕たちは、音楽をとおして革命を起こすんだ!エストニアのように!全世界に!」
私はもちろん、激しくパーヴォを求めた!
「もちろんよ!あなたに一生ついていきます!茨の道でも構いません!」
パーヴォの、全地球への熱い魂の咆哮に、大地が震えるほどの感動が、溜池山王に押し寄せた。嵐のような拍手と、その音楽革命の幻影に酔いしれた。
終演後のサイン会。万感込みあげるものがあり、うまくパーヴォに何もいえない。英語でようやく「あなたの神・・・宇宙・・・地球・・運命・・」とつぶやいただけで、パーヴォは小さく微笑み、「いいんだよ(ほかの人がわからなくても)」優しく私を見つめてくれて、私は涙した・・・。
いままでのちっぽけな自分が、パーヴォの力によって、大きく生まれ変わったのを私は感じていた。めくるめくような快感と幸せが、私の全身を包み込んで離さなかった。音楽がもつ可能性は、歴史を、いや天地を、全人類の運命を、いや地球上、あらゆる宇宙に存在するものすべてを変える力になる、とパーヴォの熱いメッセージを受け取った、素晴らしい一夜となった。
パーヴォとの再会をいつか心に秘めながら、パーヴォとN響、クラシック音楽の未来、地球と宇宙の未来に想いを馳せたのであった…。
(了・2019年2月20日、サントリーホール大ホールにて)