季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

長崎・雲仙へ

2013-08-06 19:09:45 | 暮らし Daily life
この前の日曜日に急に決めた。長崎の知り合いに会いに行くって。
彼女はスイスから実家に帰っていて、そうそう簡単には会えないので思い切ってすぐに動いた。
そしたら飛行機は取れたし彼女がちょうど届いていた割引券で宿も予約出来てとんとん拍子に決まった。
風のように動く私。

関空からLCCで長崎へ。リムジンバスで長崎駅に着いて彼女と会う。
去年も長崎に来てあったのだ。一年ぶり。その前は何年も会ってなかった。
2003年にスイスに会いに行ったきり。

長崎は港の街です。

       

始めにどこに行こうかと話して、去年大抵の所は行ってしまったので私が「美術館は何をしてますか?」って聞いたらまずまず良いのが来てると言う。それで行った。彼女はもう見たので待っててもらった。
アントニオ・ロペス展

       

彼の作品がこんなにもまとまって展示されるのは本国スペインでも珍しい事らしい。
私はあんまり知らなかった人。

先入観も前知識もないまま美術展を観るのは珍しい。とにかく入って観てみた。
スペインの画家。今も生きています。

幼いころから才能を発揮していて成人になる前から認められて画家として成功していたらしい。
珍しい。

彼の作品はとにかく「気が済むまで思うとおりに時間をかけて描く。」と言うもの。
それから絵だけではなくて浮彫のような絵や彫刻もしている。

一通り見て思ったのは、「この人は物フェチだな」と言う事。物を観て観てこれ以上ないってくらい観て描く。納得いくまで物と対峙している。その物へのこだわりがものすごい。でも物をこれ以上ないってくらい観て描いたものがその物の奥の本質を描いているんだと思う。この芸術性に私は共感します。
ちょっと嬉しい。私もそう言うところあるから。ちょっと科学者っぽい所。

一枚の絵を描くのに、同じ場所の同じ時間に行って毎日30分だけ描くと言うのを何年も続けて描いたもの。
同じ場所の同じ日にちの同じ時間に毎年行って何十年もかけて描いた絵。

人の彫刻では初めは男女二人の体を実際に測ってデッサンして緻密に制作、その後他の人たちも観察してそれを融合して一組の男女の立像を制作。アダムとイブと言う作品名。
質感、色存在感ともにリアルそのも。

絵も透けたブラウスも金の重い時計もそれとわかる質感で描いている。お見事。

白いテーブルに透明のグラス、その中に白い花2輪。白い壁に白いコンセント白い電線。

後は自分の家族と自分の家の部屋や台所そのままの描写と立体。

家族の所、好きだった。彼がどれだけ妻を愛していて子どもたちを愛しているのか伝わってくる。
こんな自由で余裕があって健康的で愛に満ちて歪んでいない芸術家って珍しいと思う。

見ていてこちらの心も温かく澄んでくるようだ。来て良かった。

長崎美術館、建物も素敵です。

       

ミュージアムショップでこの本を見つけて買った。スペインのプラド美術館の冊子。分厚い。分厚すぎて持って帰れないので宅急便で家まで送る。ゆっくり作品を観たい。いつかは行って観てみたい。ものすごく広いらしい。

       

お昼を港で食べて雲仙へ。バスで行きます。

着いたら荷物を置いて散策。「地獄に行こう!」って。
地獄。これです。

       

白い岩が一面にあちこちにもうもうと立ち上がる煙。

水面にブクブクと泡が登ってくる。

       

噴き出す蒸気には硫黄が含まれていてそれが昇華して岩に結晶として着いています。

       

何十メートルにも立ち上る蒸気。

       

まさに地獄だなあと。
話しを聞いたら本当にここでキリスト教弾圧の時にキリシタンが2000人も殺されたらしい。熱かっただろうなあと思う。

歩いていたら前を美しい虫が行く。ハンミョウだ。色とりどりの体で、人の先をツイ~ッツイ~ッと飛んで行くのが特徴。美しい!

       

お宿はとっても素敵でした。女二人で温泉旅行なんて初めてだと思う。
温泉に入って美味しいもの食べて、一杯しゃべって「これ以上ない!」ってくらいの満足感。

いつもは遠くに住んでいても、こうやって会って深く話が出来て分かり合える。そんな人とのつながりが嬉しい。素敵な部屋でそう思いながら眠りに着く。
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