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桜木町 LOGBOOK

某上場企業の広報担当がビジネスや桜木町での日常生活について語っています。

作品の中に生きている

2016年03月08日 23時01分04秒 | 読書感想
ヘニング・マンケルが死去したという話を聞いて何とも寂しい思いをした。あまり一般的ではないが、紛れもなく日本において北欧ミステリの人気を拡大させた存在であり、世界的にはヴァランダー刑事シリーズは、数ある警察小説の中でも人気のシリーズであると聞いている。彼の作品は、舞台が北欧ということもあってか、物寂しく、寒々しい雰囲気が漂っており、人生の悲哀と世の中の移り変わりを肌と心で感じるようなものだった。私に . . . 本文を読む

5作目だが、さらに面白い

2016年01月29日 22時46分50秒 | 読書感想
デンマークの人気ミステリシリーズの第5作目。今回は犯罪を知ってしまった少年の逃走劇と未解決事件の捜査から始まった主人公達のニアミスの連続という、ある意味典型的というか古典的な作品。前作のような大仕掛けのトリックはあまりないが、さまざな登場人物がスピーディに展開するストーリーがとてもドラマ的で面白い。このシリーズ、読めば読むほど面白くなるというとても珍しいもの。まだお読みでない方は是非、1作目から読 . . . 本文を読む

面白く、ショッキング

2015年12月01日 07時53分58秒 | 読書感想
昨年の海外ベストミステリの一つ「その女アレックス」の前作となる「悲しみのイレーヌ」を読んだ。このピエール・ルメートルという作家は、とてもミステリとしてトリッキーな仕掛けを仕込んでいて、今回も驚かされた。それとは別にプロットとしても上手に組み立てられていて、キャラクターも立っている。そして、その登場人物が着実に事件解決に挑んで行く姿は警察小説の王道でもあり、なかなか文句なしのミステリーである。   . . . 本文を読む

是非1作目から

2015年10月25日 22時38分44秒 | 読書感想
最近、スマホゲームにはまっていて、電車の中での読書の時間が減っている。良くないことなので、電車の中でのゲームを減らしたり、寝る前に本を読むようにしたりしているが、実際には本を読むスピードが遅くなっている。もともと速い方でないのに。  この特捜部Qの4作目は、物語のプロットとしては一級で、読み終えた後に程良い爽快感を味わうことができる。過去の未解決事件を発掘しているうちに、同時期に失踪した人たちが . . . 本文を読む

題名からの印象どおり

2015年09月01日 22時26分29秒 | 読書感想
数年前の海外ミステリの中で評価が高かった作品である。アイスランドが舞台であり、題名からも暗さや湿度を連想させるが、実際の内容においても、そういう場面も多い。北欧系のミステリは、土地柄を反映してか、どうしても鈍色のイメージがある。その中で時々な鮮やか色彩が展開されるのだが、この作品はそういう意味では、全体的にグレイの印象だ。  多少ネタバレになるが、この作品のベースとなっているある事は、人口が少な . . . 本文を読む

物足りない

2015年08月02日 22時32分36秒 | 読書感想
どうも最近のM・コナリーは面白くない。この作品はストーリーとしては、まあまあ面白いが、作品としての厚みというか、雰囲気みたいなものがない。何がと言われると説明しにくいのだが、ハリー・ボッシュのキャラクターが薄くなったような感じがする。ボッシュが気にしていることが娘のことだけになってしまったというのも理由の一つかもしれない。また、以前あった音楽が漂ってきそうな文章は感じられないのだ。 決して娯楽の . . . 本文を読む

久々に感動

2015年03月28日 23時01分40秒 | 読書感想
昨年のミステリ評価本の外国作家作品で軒並み1位を取った作品「その女アレックス」を読了。どんなに凄い本でも、いくつかある評価本の中で一つぐらいは2位とか3位とかになっているものだが、この作品はすべて1位だった。読み終えて、その評価に納得した。  第一に展開。3部構成になっているが、初めは女性の誘拐から始まるのだが、あれよあれよという間に、「えっ?そうなっちゃうの?」という話になり、最後の最後で「そ . . . 本文を読む

次も面白くしてね

2015年03月03日 23時33分09秒 | 読書感想
昨年に出版されたスパイ・冒険小説の中では(知る人ぞ知るだが)、かなり高い評価を受けていた「ピルグリム(テリー・ヘイズ著)」を読んだ。ニューヨークのホテルの一室、殺人現場から物語は始まり、超一流の諜報員だった主人公がテロを未然に防ぐ任務に着く。敵となる男がテロリストにまで成長する様もじっくりと描かれている。冒険小説なので筋としては、それほど凝ってはいないのだが、細かいプロットが綿密に計算されて配置さ . . . 本文を読む

かなりの完成度

2015年01月25日 21時07分09秒 | 読書感想
昨年のミステリー順位本の海外部門上位に入った作品「ハリー・クバート事件(ジョエル・ディケール著)」読了。作家のゴールドマンは、作家としての師であるハリーが、かつての恋人ノラを殺したという容疑を掛けられたことをきっかけに、その事件を調べ始める。調べるうちに明らかになる数々の新事実。そしてゴールドマンは、師の無罪を証明すべくその事件の本を書くことになる。終盤で明かされる真相は、そしてハリーの作家として . . . 本文を読む

甘いかな

2014年07月19日 22時57分14秒 | 読書感想
本屋で平積みされているのを見て、題名に惹かれて、立ち読みしてから買った。私が生きてきた中で断片的に心がけていることや、思っていることが整理され、かつ読みやすく説明されている。個人的には非常に「刺さる」本だった。  アドラー心理学をやさしく対話形式で展開、説明していて、内容についてはいろいろなところで書き込みがあるので、触れない。注意点としては、やはり題名はインパクト重視で、内容を反映しているもの . . . 本文を読む